「露悪」の意味とは?類語・対義語や露悪的な態度の心理を解説

「あの人には気を付けて。露悪的なことばかり言うから、みんな嫌いなんです」と言われたことがある人もいるかもしれません。「露悪」とはネガティブな意味合いで使われる言葉です。ただし、良く思われたいという心理で露悪家になる人もいるようです。今回は「露悪」の意味や使い方、露悪的な人の心理をご紹介します。

「露悪」の意味

「露悪」の意味は「悪い面や欠点をわざとさらけ出す」こと

「露悪」は「悪い面や欠点をわざとさらけ出す」という意味です。読み方は「ろあく」になります。露悪的な行いをよくする人は「露悪家」、露悪的な行いを好む人を「露悪趣味」と呼ぶこともあります。また、使用例は少ないのですが「露悪家」と同じ使い方で「露悪症」を使う人もいるようです。

「露」は水滴の「つゆ」にも使われる漢字ですが、「露悪」では「さらけ出す」「あらわす」という意味で使われています。

「露悪」の由来は小説で作られた造語「露悪家」

「露悪」は明治・大正時代に活躍した小説家・夏目漱石が「偽善(ぎぜん)」の対として作ったとされる「露悪家」が由来だと言われています。偽善は「うわべだけ善行をよそおう」「見返りを求めて善行をする」という意味です。

現在の「露悪」とは違い、小説の中では「悪事をして開き直っている」という意味合いで使われています。

「露悪」の使い方

「露悪的な態度」は他人にも自分にも使われる

「露悪」は他人にも自分にも使われる言葉です。自分に対しては使う場合は「自分の性格の悪さや、過去に悪いことをしていたと言いふらす」ような行動が「露悪的」となります。

他人に使う場合は「欠点ばかり指摘してけなす」「良いことをしたのに偽善だと非難する」人が「露悪的な態度」だと言われます。「改善のために欠点を洗い出す」ようなポジティブな意味合いでは使われません。

例文
  • 「不良だったことを誇らしげに語る露悪趣味の俳優だが、女性人気は高かった」
  • 「なんでも『それは偽善だ』と非難ばかりする露悪的な人といると疲れる」

「露悪厨」とは「悲劇や残酷な描写が好き過ぎて周囲に迷惑をかける人」

「露悪厨(ろあくちゅう)」はインターネットスラング(インターネットで使う俗語)です。「悲劇や残酷な描写が好きで、苦手に思う人をけなすなどの迷惑行為をする人」という使われ方をします。

ここでの「露悪」は人の悪意を強調した悲劇や、残酷・猟奇的な描写を意味します。「厨」は「前についた言葉に関することで他人に迷惑をかける人」を意味する俗称です。悲劇や残酷描写が好きでも、人に迷惑をかけない場合は「露悪厨」とは呼びません。

「露悪」の類語

「露悪」の類語は「偽悪」

「露悪」の類語は、意味から考えると「偽悪(ぎあく)」だと言えるでしょう。意味は「実際には違うのに、わざと悪のふりをする」ことです。

例文
  • 「バンドのイメージを守るために、ファンの前では偽悪的なふるまいをする」
  • 「本当は優しいのに、なぜ彼は偽悪的な言動をするのだろうか」

「露悪」と「偽悪」は、実際に悪い面があるかどうかで使い分けます。「露悪」には「実際は違う」という意味がなく「本当にある悪い面を、隠さずに言いふらす」ような場合で多く使用します。

「露悪」の対義語

「露悪」の対義語は「偽善」

由来から考えると「露悪」の対義語は「偽善(ぎぜん)」になります。「露悪」の由来になった言葉「露悪家」は、「偽善家」の対になる言葉として小説に登場しました。

「偽善」には2つの意味があります。「実際には違うのに、うわべだけ善人や善行をよそおうこと」「見返りを求めて善行をすること」です。前者の場合は「偽悪」の対義語でもあります。後者の場合は、行った行動自体は善行だというのがポイントです。その人の本心によって「偽善」かそうでないかが分かれるため、他人が区別するのは困難です。

例文
  • 「集めた寄付金を懐に入れていたなんて、恐ろしい偽善家だ」
  • 「たとえ売名行為をする偽善者だとしても、彼の寄付金のおかげで多くの人が助かったのは事実だ」

「露悪的な人」の心理

「露悪的な人」の心理は「自分の評価を上げたい」

露悪的なことばかり言う人は、自分の評価を上げたい(あるいは、下げたくない)と思っているのではないかと言われています。

  • 他人を非難する場合の例
    人の欠点や偽善を見抜くことで「物事の本質が分かる人」「正義感のある人」だと思われたい。
    優秀な人や善人が増えると、比較されて自分の評価が下がるのでそれを防ぎたい。
  • 自分の悪さをアピールする場合の例
    悪事を隠さないことで「裏表のない人」だと思われたい。
    タブーを破れる自分は格好良いと思われたい。

「自分の評価を上げたい、悪く思われたくない」と思うこと自体は当然のことだと言えます。ただし、度が過ぎる露悪的な言動は相手を傷つけたり周囲から嫌われたりする恐れがありますので、注意が必要です。

まとめ

「露悪」は「悪い面をわざとさらけ出す」ことです。自分の悪い面をアピールする場合にも、他人の悪い面をけなす場合にも使用されます。

言葉やタイミングに配慮すれば、欠点の指摘は改善のために役立つものです。「非難ばかりの露悪家」ではなく「アドバイスをくれる気が利く人」なら、周囲の人から感謝されるはずです。