「悪鬼羅刹(あっきらせつ)」とは「害を及ぼす化け物」を意味する四字熟語です。「悪鬼羅刹」の、用法や類義語を知りたいという方もいるでしょう。この記事では「悪鬼羅刹」の読み方や使い方の例文、類義語の「怨霊怪異」も解説。さらに「悪鬼羅刹」の英語表現もご紹介します。
「悪鬼羅刹」の意味とは?
「悪鬼羅刹」の意味は「害を及ぼす化け物」
「悪鬼羅刹(あっきらせつ)」とは「人に害を及ぼす化け物」を意味する四字熟語です。「悪鬼(あっき)」が「人をたたる恐ろしい妖怪」を、「羅刹(らせつ)」が「人を食べるとされる鬼」をそれぞれ意味します。
「悪鬼」と「羅刹」はどちらも人に悪影響を及ぼす存在です。2つを組み合わせて「悪鬼羅刹」とすることで、「人に害を及ぼす化け物」という意味で使われるようになりました。
「悪鬼羅刹」の読み方は「あっきらせつ」
「悪鬼羅刹」の読み方は「あっきらせつ」です。「羅刹」は「らさつ」という読みもあることから、「あっきらさつ」とも読まれます。
「悪鬼羅刹」の使い方と例文
「悪鬼羅刹」は怖いものの例えとして使う
「悪鬼羅刹」は怖いものの例えとして使われます。人に害を及ばす化け物のような、怖い行いを表す状況で使いましょう。たとえば「血に濡れた彼の姿は悪鬼羅刹のようだった」のように使うとします。
実際に「彼」が化け物になったのではなく、血に濡れた姿が人ではなく化け物に見えたことから「悪鬼羅刹」に例えているのです。
「悪鬼羅刹の如く」「悪鬼羅刹のように」などと表すことも
「悪鬼羅刹」は「悪鬼羅刹の如く」や「悪鬼羅刹のように」などのように表して使われることもあります。「悪鬼羅刹の如く」や「悪鬼羅刹のように」はどちらも比喩表現の1つで、「人に害を及ぼす化け物のように」を意味します。
どちらも同じ意味ですが、「如く」は改まった表現であるため書き言葉として多く使われます。
「悪鬼羅刹」を使った例文
- 悪鬼羅刹でもそんな酷いことはしないだろうに、人である君がやってしまうのか。
- 自分に害を与える彼女を、悪鬼羅刹の類でないかと疑ってしまう。
- 私欲を叶えようとする彼の顔は、血に飢えた悪鬼羅刹のようだった。
- たとえ悪鬼羅刹であっても、母の剣幕に恐れて逃げだすだろう。
- いつも穏やかな彼女の顔が、悪鬼羅刹の如く恐ろしい形相にかわっていた。
「悪鬼羅刹」の類義語
「悪鬼羅刹」の類義語は「怨霊怪異」
「悪鬼羅刹」の類義語には「怨霊怪異(おんりょうかいい)」が当てはまります。「怨霊怪異」とは2つの意味をもつ四字熟語で「霊が怨みをはらそうとして引き起こす信じられない現象」や「怨みをはらそうとする霊が化け物になったもの」を意味します。
「悪鬼羅刹」と「怨霊怪異」は「怖い化け物」という意味が共通しているため、類義語に当てはまるのです。
類義語「怨霊怪異」を使った例文
怨霊怪異なんかよりも、生きている人間の方がよっぽど恐ろしい。
意味:怨みをもつ霊よりも、生きている人間の方がよっぽど恐ろしい。
「魑魅魍魎」「異類異形」も類義語
「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」や「異類異形(いるいいぎょう)」も「悪鬼羅刹」の類義語に当てはまります。「魑魅魍魎」とは「人に害を及ぼす化け物」を意味する四字熟語で、転じて「私欲のために悪いことを企む人間」という意味でも使われます。
また「異類異形」は「この世のものとは思えない生き物」を意味します。「悪鬼羅刹」と「魑魅魍魎」「異類異形」は「人に害を及ぼす怖い化け物」という意味が類似しているため、類義語に当てはまるのです。
「魑魅魍魎」と「異類異形」は日常生活で多用する言葉ではないため、読み間違えに注意しましょう。とくに「異類異形」を「いるいいけい」と読まないように、気をつけてください。
類義語「魑魅魍魎」「異類異形」を使った例文
・魑魅魍魎なんかよりもよっぽど恐ろしいと思うほど、彼のことが苦手なのだ。
・上層部へ行けばいくほど、魑魅魍魎が跋扈(ばっこ)している。
・疲れていたのか、仕事からの帰り道で異類異形のものが見えてしまった。
・仄暗い小道から異類異形がこちらを覗いているのではないかと、考えてしまった。
「悪鬼羅刹」の英語表現
「悪鬼羅刹」は英語で「Monster」
「悪鬼羅刹」の英語表現には「Monster」が適しています。「Monster」とは「化け物」「怪物」を意味する英語です。「悪鬼羅刹の如く」のように「Monster」を怖いもののたとえとして使う場合は「Like a monster(化け物のように)」と表しましょう。
まとめ
「悪鬼羅刹」とは「人に害を及ぼす化け物」を意味する四字熟語です。怖いものの例えとして使われ、「悪鬼羅刹の如く」や「悪鬼羅刹のように」などと表します。
類語には「怨霊怪異」や「魑魅魍魎」「異類異形」が当てはまります。どれも「怖い化け物」を意味する四字熟語であるため、言い換えてみましょう。
・大切な家族を傷つけられたわたしは、悪鬼羅刹の如く怒り狂った。
・悪鬼羅刹のように戦う彼の姿に目を奪われた。