「軋轢」の意味や使い方は?「確執」との使い分けや類語も解説

「軋轢(あつれき)」という言葉は難しい漢字ですが、「軋轢が生じる」「軋轢を生む」などの言い回しで耳にすることがあります。同じように「確執が生じる」「確執を生む」という言葉もありますが、「確執」と「軋轢」はどのように使い分けるのでしょうか?

ここでは「軋轢」の意味や語源、例文と使い方のほかに、「確執」との違い、英語表現についても解説します。

「軋轢」の意味とは?

「軋轢」の意味は「不和」「内部の者同士が争うこと」

「軋轢」の読み方は「あつれき」で、「軋む(きしむ)」と「轢む(きしむ)」という2つの言葉から成っています。言葉の意味は「不和」「内部の者同士が争うこと」。例えば「チーム内の軋轢がひどい」「部下との軋轢が生じた」などと用います。

「軋轢」の語源は車輪がきしむこと

「軋」も「轢」も、車輪がきしむという意味があります。その意味から転じて、人が争うこと、仲が悪くなること、という意味で「軋轢」が使われるようになりました。

「軋轢」の使い方と例文

「軋轢」は「軋轢が生じる」「軋轢を生む」などの言い回しがよく使われます。状況によって変わる言い回しごとの例文を紹介します。

「軋轢が生じる(軋轢が生ずる)」は軋轢が生まれる様子

  • グループ間の対抗意識からさまざまな軋轢が生じることとなった。
  • これからは人間と人工知能(AI)の軋轢が生じる可能性がある。

※「軋轢が生ずる」ともいいます。「生じる」は口語的表現で、「生ずる」はやや古い文語的表現です。

「軋轢を生む」「軋轢が生まれる」は不和の原因を指す

  • 彼の行動は部署内に常に軋轢を生むことで有名だ。
  • 彼らの極端な思想により、コミュニティに軋轢が生まれた。

「軋轢を避ける」は不和を避けるときに使う

  • 地域住民との軋轢を避けるために慣習に従う。
  • 上司との無用な軋轢を避けたいので言動に注意している。

「軋轢音」は医学用語

「軋轢音(あつれきおん)」という医学用語があります。骨折したり損傷が生じたりした時の雑音や呼吸の異常音のことで、砂利がこすれるような音のことをいいます。

「軋轢」と「確執」の違いとは?

「軋轢」と同じく「不和」の意味を持つ「確執」という言葉があります。「確執を生む」など使い方も似ていますが、どのように使い分ければよいのでしょうか?

意見の対立による根深い不和には「確執」を用いる

「確執(かくしつ)」は「互いに自分の意見を主張して、一歩も譲らないことから起こる不和」という意味です。「確執」にも「軋轢」と同じように「不和」の意味がありますが、意見の対立による根深い不和であれば、「確執」を用いるのが適当です。

また「軋轢」は、その語源からも「関係のきしみ」という歯車がうまく回っていないニュアンスがありますが、「確執」は関係がこじれ、不仲の度合いが決定的な様子を表す時に用います。

  • 歴史観の対立により、両国間の確執は深まるばかりだ。
  • 両者が主張を譲らないことから、確執が生じた。

「軋轢」の類語

「軋轢」の類語はたくさんあります。「軋轢」を「不和」という意味で捉えた場合の類語と、それぞれの類語の「不和」以外の意味もあわせて紹介します。

「不調和」はふつりあいなこと

「不調和」は「周囲に調和しない」という意味です。「不和」という意味も含みますが、「ふつりあいなこと」という意味の方が強いといえます。

「摩擦」は意見の食い違いによる争い

意見や感情の食い違いによって起こる不和や抗争のことを「摩擦」といいます。「貿易摩擦」などによく用いられ、「争う」ニュアンスが含まれます。

「対立」は2者が互いに譲らないこと

「対立」は2つの立場の者が互いに譲らずに張り合うことです。「真っ向から対立する」などというように、相いれない立場の二者が主張を譲らない時の表現です。

「不協和音」は不仲・仲違いの意味

二つの音が調和しない意味から、関係が調和しないことのたとえとしても使われます。仲たがいや不仲の意味で「軋轢」と同じように用いることができます。

「折り合いが悪い」は「軋轢」の遠回しな言い方

「軋轢」やその類語はネガティブな表現のため、遠回しに表現したい時には「折り合いが悪い」という言い方があります。「折り合いが悪い」とは「不仲・不和」の意味があります。その状態を解消する時は、「折り合いをつける」と表現することができます。

「軋轢」の英語表現は?

「軋轢」「不和」「対立」などを意味する英語と例文を紹介します。

「discord」「conflict」「friction」を使った例

  • 「関係の不和」 discord in relationship
  • 「夫婦の不仲」 marital discord
  • 「2国間の対立」 conflict between the two countries
  • 「軋轢を避ける」 avoid friction

まとめ

「軋轢」は車輪が軋むという意味から転じた、人間関係などの不和を表現する言葉です。利害が対立するビジネスの場では軋轢が生じがちですが、「確執」まで至らないように注意したいものです。

また意見が対立する時などに、折り合いをつけるポイントを見いだすことができるのも、ビジネスマンに求められるスキルといえるでしょう。