「寿ぐ」と「寿ぎ」の意味とは?読み方や使い方の例文・類語も解説

「寿ぐ」はおめでたいイメージを持つ「寿」がつく言葉。社会人になると祝いの席に呼ばれることも増えてくるため、ぜひとも正しい意味や使い方は把握しておきたいものです。今回は結婚式やお祝いの席で使われる言葉「寿ぐ」について、意味や使い方を中心にご紹介します。

「寿ぐ」と「寿ぎ」の意味と読み方とは?

「寿ぐ」の意味は「お祝いの言葉を述べる」

「寿ぐ」とは「ことほぐ」と読み、「お祝いの言葉を述べる」という意味を持ちます。

結婚式や授賞式など、人生の中で迎える祝うべきイベントにおいて、言葉で祝福をすることを指す言葉です。相手を心から祝福し幸運を祈る気持ちを込めて、祝いの言葉や祝辞を述べることを「寿ぐ」と言い、おめでたい席や授賞式で祝いの言葉を述べることを表す言葉となります。

「寿ぎ」は「めでたいこと」「言葉で祝うこと」のこと

「寿ぎ(ことほぎ)」は「寿ぐ」の名詞形で、「めでたいこと」「言葉で祝うこと」「祝賀」などの意味を持ちます。一般的には「新年の寿ぎ」「結婚の寿ぎ」「80歳を迎える寿ぎの宴」というように使われます。

「寿」の漢字の意味

「寿ぐ」の「寿」には、そもそも「言葉で祝うこと」「祝いの言葉」「祝福すべきめでたい事柄」という意味がありますが、「寿ぐ」と動詞形にすることで「祝いの言葉や祝辞を述べる」という意味になります。「寿ぐ」は言葉を使って相手を祝意を表す意味があり、相手の幸運を祈り、心から慶びの言葉を伝えたい時に使われます。

また「寿ぐ」は「言祝ぐ」とも書き表します。併せて覚えておきましょう。

「寿ぐ(ことほぐ)」の使い方と例文

「寿ぐ」は言葉で祝いを述べる時だけ使う

「寿ぐ」を理解する上で重要なのは、「言葉によってお祝いをする」という点です。「言葉」の定義は「口で言ったり、字に表したもの」となるため、歌詞の無い楽曲やプレゼントを祝いの言葉の代わりにして贈ることを「寿ぐ」という言葉で表現するのは厳密には適切ではありません。

「寿ぐ」の間違った使い方

もちろん、歌を含む楽曲や俳句・和歌などで相手を「寿ぐ」ことはできますが、言葉を含まない祝福のパターンに対しては「寿ぐ」は使わないということを留意しておきましょう。

「寿ぐ」の間違った使い方

X 結婚10周年をバイオリン演奏で寿ぐ。
X 企業の落成式で純金の時計をお祝いとして寿いだ。

「寿ぐ」は春の訪れや入学を祝う時にも使われる

「寿ぐ」は、身近な場面で活用できる言葉でもあります。

たとえば、寒く厳しい冬を終えた頃は、多くの人が少しずつ暖かさを増すことに喜びを感じることがあります。地面から出始めた小さな花の芽に感謝し、春の訪れを祝い言葉にすることもできるでしょう。この時「春の訪れを寿ぐ」と言ったりします。

また、子供や孫などが学校に入学したり、スポーツ大会で栄誉高い功績を残した時などにも「入学を寿ぐ」「功績を寿ぐ」「勝利を寿ぐ」などと表現することもできます。

「寿ぐ」を使った例文

  • 親戚一同が集まり、息子の婚約を寿いだ。
  • 日に日に暖かさを増す今日この頃。春の訪れを寿ぐ和歌の会を開いた。
  • 孫が野球の全国大会で優勝し、地方に住む祖母から寿ぎの電報を受け取った。
  • 新郎新婦への寿ぎの言葉を伝えた後、会場は拍手に包まれた。
  • 祖母が90歳を迎え、手紙で長寿を寿いだ。

「寿ぐ」の類語とは?

「賀する」は「よろこびの言葉を述べる」

「賀する(がする)」とは「よろこびの言葉を述べる」ことです。「寿ぐ」に極めて近い意味を持ち、めでたい事柄に対し言葉で祝いの気持ちを表すことを指し、還暦や長寿、新年などに対して好んで使われます。

例文
  • 祖父の還暦を賀する。
  • 正月の訪れを賀する。

「慶ぶ」は「祝福する」

「慶ぶ(よろこぶ)」とは「祝福する」「良い事柄に対して快く思う」「嬉しいと思う」など、いくつかの意味を持つ言葉です。「慶ぶ」は結婚式やさまざまな祝い事である慶事で使われる表現で、心から相手や事柄を祝福し、嬉しいと思う時に使われています。

「慶ぶ」は言葉で祝福を述べるという意味を持つ「寿ぐ」とはニュアンスがやや異なり、「相手の幸福や成功を心から祝福するという気持ち」を示す時に使われることが多いです。

例文
  • 新春の訪れを慶ぶ
  • 賞の受賞を慶ぶ

まとめ

「寿ぐ」は「ことほぐ」と読み、「祝いの言葉を述べる」「お祝いを言葉で言う」という意味を持ちます。結婚式をはじめ、祝うことを目的とした式典や授賞式などで、祝辞を口で言ったり、文字や言葉で表したりすることを「寿ぐ」と言います。

日常生活でも「桜の満開を寿ぐ」「祖父の長寿を寿ぐ」など、幸運を願って祝いの気持ちを言葉でまとめる機会は意外と多くあるものです。「寿ぐ」の意味と使い方をマスターして活用していきましょう。