「過不足」は多いことと少ないことの両方をさす言葉。多い場合は過剰や超過分、少ない場合は不足ですが、それをひとつの言葉で表現するのが「過不足」です。ちょうどよい場合は「過不足ない」などの言い方で表します。
今回は「過不足」の意味や読み方、類語や反対語について解説。あわせて英語表現についても紹介します。
「過不足」の意味とは?
「過不足」の意味は「多いことと少ないこと」
「過不足」とは、量が多いことと少ないことの両方を表現する言葉です。「過」には「すぎる」という意味があり、「不足」には「足りない」や「不十分である」という意味があります。
また、簿記の専門用語である「現金過不足」を省略した言葉でもあり、現金が多すぎたり足りなかったりする場合に「過不足」と表現します。
「多すぎること」と「足りていないこと」の両方の意味をひとつの言葉で表現するのが「過不足」です。
「過不足」の読み方は「かふそく」
「過不足」は「過」と「不足」を合わせた言葉のため、濁らずそのまま「かふそく」と読むのが正しい読み方です。しかし「かぶそく」という読み方も広く浸透しています。そのためパソコンやスマホで変換する場合、「かふそく」と「かぶそく」のどちらでも「過不足」の漢字がでてきますが、正しくは「かふそく」ですので覚えておきましょう。
「過不足」の使い方や例文
「過不足」は現金に対して使うことが多い
「過不足」は簿記の専門用語「現金過不足」を省略した言葉でもあるため、現金に対して使うことの多い言葉です。
レジや集金の残高は、現金が帳簿より多すぎても少なすぎても問題があるため、どちらであっても報告する必要があります。そのようなときに「レジに過不足が発生しました」「集金金額に過不足があります」などと表現することで、簡潔に報告できます。
「過不足」を使った例文
- バイト先のレジで過不足が発生したので残業になってしまった
- 集金で集めた現金に過不足がでたので、帳簿とにらめっこしている
「過不足」は現金以外のものにも使う
「過不足」と言う言葉は、現金以外にも使える言葉です。商品在庫を販売数と同じくらいになるように予想して発注をかけるときには「在庫の過不足がでないようにしてください」と表現することで、わかりやすく簡潔に注意喚起ができます。
また、出すぎることもなく足りないこともないちょうど良い生活やサービスであるという意味で「過不足のない生活」や「過不足ないサービス」という表現もできます。
現金以外のものに「過不足」を使った例文
- 商品の予約数と当日購入される数を予想して、過不足ないよう商品を発注するのは大変です
- あのホテルはいつも過不足ないサービスで落ち着きます
「過不足」で多い場合の言い方は「過剰・超過分」少ない場合は「不足」
現金や商品などの「過不足」が発生した場合、多い場合には「過剰」や「超過分」といった言い方をします。
また、少ない場合は「不足」や「不足分」です。「現金に過不足が発生しました。○○円過剰です」や「商品が過不足です。○○個不足しています」などと、表現することで、簡潔に伝えることができます。
- 集金した現金を確認したら過不足がでました。○○円過剰にいただいたようです
- 発注した商品が過不足です。○○個不足なので手配お願いします
「過不足」の類語と反対語は?
「過不足」の類語は「過不及」
「過不及(かふきゅう)」とは、過ぎることと及ばないことのふたつの意味をひとつで表現する言葉です。「及」は「およぶ」や「おいつく」「届く」という意味です。
「過不及のない」や「過不及なし」などの言い回しで使うことが多く、この場合は過ぎることもなく及ばないこともないちょうど良いという意味になります。
「過不足」は「多すぎず少なすぎず」という意味で「過不及」とほぼ同じ意味のため、言い換えることも可能です。
- 過不及のないよう気をつけてください
- 過不及ない生活は落ち着くけれど退屈かもしれない
「過不足」の反対語は「ぴったり」
「ぴったり」とは、「当てはまること」や「すきまなく合う」という意味です。予想が当たったときには「思っていたのとぴったり同じです」などと表現します。
「ぴったり」は日常会話など話し言葉で良く使われる言葉のため、ビジネスシーンでは同じ意味の言い回しとして「過不足ない」に言い換えた方が良いでしょう。
- 約束の時間ぴったりに到着した
- 現金と帳簿の残高がぴったりでした
「過不足」の英語表現は?
「過不足」は英語で「overs and shorts」
「過不足」の英語表現には「overs and shorts」や「overs and unders」などのフレーズが当てはまります。また、「excess and deficiency」も「過不足」という意味で使えるフレーズです。
まとめ
「過不足」の正しい読み方は「かふそく」です。意味は、量の多いことと少ないことの両方を一度に表現する言葉。ビジネスシーンなどで現金や商品が多すぎたり少なすぎたりした場合に「過不足が発生しました」と表現することで、簡潔に現状を伝えることができます。また、ちょうど良いことやぴったりであるという場合は「過不足なし」と表現しましょう。
類語の「過不及」もほぼ同じ意味のため、言い換えて使うことも可能です。