「七生報国」の意味とは?使い方と例文・類語をわかりやすく解説

「七生報国」という四字熟語ありますが、一般的には「国に対して報いること」という意味で使われる四字熟語です。人によっては「天皇陛下万歳」という言葉が頭をよぎることもあると思いますが、正しい意味や使い方を把握していますか?ここでは「七生報国」の意味と使い方などについて、わかりやすく解説させていただきます。

「七生報国」の意味と語源は?

「七生報国」は「何度生まれ変わっても国に報いる」

「七生報国」の意味は「何度生まれ変わったとしても、国に一生を報いること」となります。たとえ七度生まれ変わったとしても、国に対して忠誠を尽くすという意味があり「この世に生まれ変われるチャンスがある限り、永遠に国に報い、生涯を国に尽くすこと」を表す四字熟語として使われます。

「七生」とは直接的には「七度生まれ変わる」という意味ですが、この四字熟語において「七」は「数が多い」ことを抽象的に表す意味で使われています。また「報国」とは国のために生涯を尽くし、国の恩に対し報いることを意味します。

「七生報国」の語源は楠木正成が自害した時の言葉

「七生報国」とは、河内国の悪党とも呼ばれた「楠木正成」が弟と共に自害をした時に放たれた言葉だと言われています。生涯のほとんどを後醍醐天皇に仕えた楠木正成が、足利尊氏率いる軍に破れた時に「七度生き返って、国に報いよ」という意味で言った言葉で、現在では純然たる忠告心と愛国心を表す言葉として使われるようになりました。

「天皇陛下万歳、七生報国」は山口二矢の最後の言葉

「七生報国」と聞いて「天皇陛下万歳」という言葉が頭をよぎった人もいるでしょう。

昭和35年(1960年)10月、日本社会党の党首であった浅沼稲次郎を演説中に殺害された事件は、日本国民に大きなショックを与えました。当時、実行犯として逮捕されたのは、民族主義者であった山口二矢という人物で、即刻、東京少年鑑別所に収容されるも、鑑内で「天皇陛下万歳、七生報国」という遺書を残し、自らの命を絶ちました。

山口二矢は殺人の罪で裁判を待っていた身でもありました。「後悔はしていない。自ら償いをする」という主旨の言葉を述べた後の出来事であっただけに、結果的には国中が注目する大事件へと発展してしまったのです。

山口二矢が残した「天皇陛下万歳、七生報国」という言葉は世間に知られるようになりましたが、国への忠誠を尽くし、愛国精神は永遠に変わらないことを確固と証明した歴史はいつまでも変わることはありません。

「七生報国」の使い方と例文

「七生報国」を公共の場で使うのは避けよう

「七生報国」は、日常生活ではやや使いにくい言葉の一つかもしれません。「七生報国」が意味する「国のために忠誠を尽くし、愛国の意を表す」と言っても、現代の人には大げさに響き、どのような場面で使ってよいのか困惑してしまうことがあるからです。

実際的には「七生報国」は以前、愛国のキャッチワードとして教育現場では盛んに使われてきましたが、敗戦を迎えてからその流れは変わり、現在ではあまり見聞きすることがなくなってしまいました。

また「七生報国」は愛国心を一言で表現できる素晴らしい言葉ですが、デリケートな意味合いを含む言葉であることから、現在では公共の場で使うと問題になることもあるようです。ぜひ、言葉を使う場所、シチュエーションを十分に考慮して使うようにして下さい。

「七生報告」の意味を歪曲させて使わない

「七生報告」は「何度生まれ変わっても、国に報いること」という意味で使われる四字熟語です。しかし、過去の事件を背景に意味を歪曲させて「どのようなこと(悪いこと)をしても、何度でも生まれ変わることができる」というニュアンスで使うのは適切ではありません。

「七生報国」とは「生まれ変われることができる限り、国に忠誠を尽くす」という強い報国心を表す言葉です。正しい使い方をして、相手に誤解を与えないようにしましょう。

「七生報国」を使った例文

  • 七生報国の世界は誠に興味深いものである。
  • 国民の一人一人に、七生報国の血が流れているのかもしれない。
  • 七生報国は、過去に教育現場で積極的に用いられてきた愛国のスローガンでもある。

「七生報国」の類語は?

「八紘一宇」は天下を一つの家にすること

「八紘一宇(はっこういちう)」とは、天皇が統治する下で「国家全体を一つの家のようにすること」という意味があります。もともと日本書紀や古事記で使われた言葉で「八紘」は全世界、「一宇」は一つの家を意味します。

「八紘一宇」は天皇を中心とする統一された国家を作り上げるという思想のもとに出来た言葉であり、アジア諸国を侵略する際の軍国主義のキャッチワードとしても用いられていました。「国が天皇を中心として一つにまとまる」という点では「七生報国」と意味的には共通しています。

例文
  • 八紘一宇、国が一丸となることが重要である。
  • かつて基本国策の一つに挙げられていたのが、八紘一宇の精神である。

「滅私奉公」は私利私欲を無くし主人や国家に尽くすこと

「滅私奉公(めっしほうこく)」とは「私利私欲を捨て、主人や国などに尽くすこと」という意味があります。自分の欲や望みなどを捨て去り、主君や上位に位置する人に忠誠を尽くす時に使われます。

「滅私奉公」も「七生報告」と基本的には同じ意味を持ちますが、「滅私奉公」の方が使用できる幅が広いと言えます。ビジネスや社会的なあらゆる環境において、地位の高い人に忠誠を尽くことを意味するため、活用の機会も多いでしょう。

例文
  • 滅私奉公するなら、全身全霊をもってやっていきたい。
  • 意気込みと熱意、そして上司への滅私奉公をもって、仕事を進めていくつもりだ。

まとめ

「七生報国(しちせいほうこく)」とは、「何度生まれ変わっても国に忠誠をつくし、報国すること」という意味を持つ四字熟語です。語源は後醍醐天皇に仕えた楠木正成が、戦に敗れた際に弟と自刃した際に残した言葉とされ、国への忠誠を最大限に示すフレーズとしても知られています。

また、使い方で気を付けたい点は「七生報国」という言葉をむやみに公共の場で使わないことです。愛国を示す言葉ですが、人によっては繊細に伝わることもあるため、適切なシチュエーションを選んで使うようにしましょう。