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「エレベーターピッチ」の意味とは?例文や作り方のポイントも解説

企業や組織に勤め始めると、仕事を有効的に進めるための手法を使うことが多くなりますが、「エレベーターピッチ」もその一つ。プレゼンや講演会などのごく短い時間の中で、相手に説明しなければならない時に使えるメソッドです。ここでは「エレベーターピッチ」の意味と例文・また作り方のポイント・プレゼンでの効果などについてご紹介します。

「エレベーターピッチ」の意味とは?

意味は「数十秒で相手に内容をアピールすること」

「エレベーターピッチ」とは英語の「elevator pitch」のことで、「ごく短い時間で、相手に内容を説明すること」という意味を持ちます。一般的には数十秒から長くて一分程度の間で相手の意識に留まるように話すセールストークのことを言います。

また「エレベーターピッチ」は、相手に伝えたいことを有効的に明確に述べる手法を意味する重要なビジネス用語でもあるため、ビジネスマンとしては知っておきたい言葉の一つです。

「ピッチ」の意味は「説明をする」

「エレベーターピッチ」の「ピッチ」とは、「説明をする」という意味です。

つまり、エレベーターピッチとは、エレベーターの中にいる時と同じくらいの時間(数十秒から一分程度)で説明することを指します。

「エレベーターピッチ」を使った例文

  • 10秒をあまく見るな。エレベーターピッチで契約の足掛かりを作るのだ。
  • エレベーターピッチを駆使して営業スタイルの基礎を作るのが、私のモットーである。
  • 相手が求めるものを理解してこそ、エレベータピッチという手法は生きてくる。

「エレベーターピッチ」の作り方とポイントは?

「エレベーターピッチ」の作り方の3つのステップを説明しながら、ポイントと併せて解説していきます。

1.自分が相手に伝えたい内容を箇条書きにする

まず、自分が相手に伝えたい事柄や内容を箇条書きにします。

「何を売りたいのか」「何を相手に知ってほしいのか」を具体的に挙げていき、何のために、どのような意図を持っているのかを明確にしていきましょう。この時のポイントは、自分だけの数秒の世界を作るという点に集中するということです。

ここでは、産業用の菓子製造機器を売りたいことを例にとって進めていきましょう。

自分がしたいこと
  • 産業用の菓子製造機器を売りたい。
  • 作業工程を省いてあげたい
  • 市場で魅力的な商品作りのお手伝いをしたい
  • できるだけ安価で商品を提供したい

2.相手が求めるものを明らかにしておく

二番目に大切なのは、相手が求めるものや需要の有無を明らかにしておくことです。

数十秒という極端に短いセールストークで相手の心を動かすには、適切なターゲット層に、適切なアプローチをかけることが大切です。つまり、相手がどのようなものに興味があり、どのようなことを考えているのかを割り出す必要があります。

ここでのポイントはできるだけ多くに相手のことを分析することです。敵を知らずして、勝利は得られないということを意識しましょう。

相手が望むこと
  • 少ない人員で回せる機械が欲しい
  • 工場の機械を一層したい
  • 稼働率や生産率の良い機械を探している
  • チョコレートコーティングができる機械が欲しい
  • メンテナンスが楽な機械が必要

3.相手に強調したいメリットを挙げる

最後に相手がどのようなメリットを得られるかを挙げます。

たとえば、この商品やサービスを購入することによって改善できる点や購入することによるメリットを中心に箇条書きにしていきます。この時のポイントは「相手にメリットがあると感じてもらえるかどうか」を真剣に考えることです。

相手へのメリット
  • 残業時間をカットできる
  • 使い方・タイムマネジメントが楽
  • スペースを取らない
  • ランニングコストを縮小できる
  • 技術者が一週間、使い方の指導をする特典付き
  • 機械に携わる人員はたったの2人
  • 一時間に約1000個の焼き菓子が作れる
  • 価格は市場でもかなりリーズナブル

最終的に3つのステップをまとめて、数十秒から一分程度でおさまるようにしていきます。

「エレベーターピッチ」のプレゼンでの効果は?

「エレベーターピッチ」は相手の頭に残りやすい

「エレベーターピッチ」をプレゼンで使うことで得られる効果は「相手の頭に残りやすい」ということです。

プレゼンの種類にもよりますが、多くの場合、短い時間でたくさんの要素を一気に話すことが多くなります。話し手もできるだけ多くの内容を網羅したいと考えているため、それを可能にする手段として「エレベーターピッチ」が用いられることは実際にも多いのです。

「エレベーターピッチ」は講演会や説明会など、ものごとを深く細かく話さなければならないような状況には向いていないません。むしろ、短時間で多くの内容を詰め込むケースが多い場面において、相手の脳裏に残るセールストークが必要な時に効果を発揮します。

「エレベーターピッチ」は相手にとって理解しやすい話し方

「エレベーターピッチ」がプレゼンで効果的なのは、内容の構成がシンプルでコンパクトなため「相手に理解しやすい」という点でしょう。「これでは詳細がわからないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、それは後で煮詰めればよい話です。

「エレベーターピッチ」では数十秒の間で相手の心を動かすこと、つまり「買ってみようかな?」「検討してみる価値はある」と感じてもらうことが重要となります。

忙しい時間を割いてプレゼンに訪れるクライアントや顧客に対して、余計な苦労話や相手を笑わすジョークなどは必要ありません。要点を抑えたセールストーク「エレベーターピッチ」は、相手を限定せず、誰にでも理解しやすいという点でも効果的な手法だと言えます。

「エレベーターピッチ」発祥の地とは?

「エレベーターピッチ」の発祥地はシリコンバレー

「エレベーターピッチ」が使われ始めたのは、IT産業で有名なアメリカのシリコンバレーだと言われています。

シリコンバレーは、壮絶な速さで技術開発が行なわれているため、世界から多くの起業家や投資家が足を運ぶ場所として知られる「ビジネスの中心地」の一つでもあります。

シリコンバレーでは、いち早く最新のプログラムや製品を世界に売り出すために、さまざまなプレゼンや商談など休みなく続けられています。そして、たとえエレベーターの中にいる数十秒もビジネスの場と捉え、相手に内容とセールスポイントを的確に伝える技術が必要とされていたのです

まとめ

「エレベーターピッチ」とはエレベーターの中にいる時間で説明するという意味で「数十秒から長くて一分手程度の間で効果的に行なわれるセールストーク」のことを指します。ビジネスでは頻繁に用いられる手法の一つで、プレゼンをはじめ、短い時間をできるだけ有効的に使える手法として多くの企業で積極的に用いられています。

「エレベーターピッチ」の作り方のポイントは、自分が求めること、相手が知りたいこと、そして相手がメリットであると感じること、この3つです。「エレベーターピッチ」の上級者になると、その他クロージングなどのテクニックも上乗せされますが、まずは基本的な手順を踏むことから始めましょう。