「懇切丁寧」の意味とは?目上への使い方や例文・類語も解説

「懇切丁寧」とは「とても手厚く親切」を意味する四字熟語です。「懇切丁寧な対応」や「懇切丁寧に教える」のように表しますが、目上の肩の使い方が分からないという方もいるでしょう。

この記事では「懇切丁寧」の意味をはじめ、敬語表現の使い方や例文、類語(類義語)を解説します。また、「懇切丁寧」の英語表現も解説しましょう。

「懇切丁寧」の意味とは?

「懇切丁寧」の意味は「手厚く親切」

「懇切丁寧(こんせつていねい)」とは「細かいところまで配慮されていて、手厚く親切であること」を意味する四字熟語です。「懇切」が「心が行き届いていて親切なこと」を、「丁寧」が「礼儀正しいこと」をそれぞれ意味しています。

漢字「懇」の書き方に注意

「懇切丁寧」の「懇」は日常的に多用される漢字ではありません。とくに「懇」の「豸」という部分は、画数が多いこともあって間違えられやすい傾向にあります。「豸」はカタカナの「ノ」「ツ」と書き始めることで、書き間違えを防ぎましょう。

「懇切丁寧」の使い方と例文

「懇切丁寧」は目上・目下に使える

「懇切丁寧」は目上・目下どちらへも使用できます。とくにビジネスシーンでは、目上の相手から親切にしてもらう状況で多く使われます。「懇切丁寧」自体は四字熟語であるため、目上の相手へ使う場合は敬語表現をくわえて使用しましょう。

「懇切丁寧に教えていただき」は敬語を加えた表現

「懇切丁寧」の使い方の1つが「懇切丁寧に教えていただき」です。「懇切丁寧に教えていただき」は敬語をくわえた表現で、目上への使用に適しています。手厚く親切に教えてもらった状況で使用しましょう。

例文

・懇切丁寧に教えていただき、本当にありがとうございました。

・懇切丁寧に教えていただけたことで、とてもよく学べました。

「懇切丁寧に教える」「懇切丁寧な対応」のように表す

「懇切丁寧」の使い方には「懇切丁寧に教える」や「懇切丁寧な対応」があります。手厚く親切に教えたり、対応してもらったりする状況で使用しましょう。また、他にも「懇切丁寧な説明」や「懇切丁寧なご指導」などの使い方があります。

例文

・懇切丁寧に教えたところで、相手に覚える気がなければ意味がない。

・懇切丁寧な対応を心がけている。

・小学生でもわかるようにと、懇切丁寧な説明をおこなった。

・お忙しいにもかかわらず、懇切丁寧なご指導をありがとうございました。

「懇切丁寧」を使った例文

  • 懇切丁寧に方針を説明している声が聞こえてきた。
  • 専門的なことがなに1つ分からない私に、懇切丁寧に教えてくれた。
  • 懇切丁寧な接客が功をなし、業界トップにまでのぼりつめた。

「懇切丁寧」の類語(類義語)

「懇切丁寧」の類語は「懇倒切至」

「懇切丁寧」の類語(類義語)には「懇到切至(こんとうせっし)」が当てはまります。「懇到切至」とは「この上なく親切なこと」「真心をつくして言い聞かせること」を意味する四字熟語です。

「懇切丁寧」と「懇到切至」は「心が行き届いていて親切」という意味が共通しているため、類語として言い換えが可能です。

例文

・宿泊先の懇到切至な対応のおかげで、心から安らぐことができた。

・先生の懇到切至な説明のおかげで、初心者のわたしでさえ理解できました。

「親切丁寧」と「懇切丁寧」は違う

「懇切丁寧」と似た言葉に「親切丁寧」があります。「懇切」と「親切」の意味に大きな違いはないものの、「懇切丁寧」は四字熟語なのに対し、「親切丁寧」は正しい四字熟語ではありません。

「親切丁寧」は「親切・丁寧な接客をこころがける」のように、「親切」と「丁寧」の2つに分けて使われていました。次第に「親切丁寧」の形で使われるようになりましたが、辞書には「親切丁寧」という四字熟語は記載されていません。そのため、人によっては「親切丁寧」は誤用だと捉える人もいるため、使用には注意しましょう。

「懇切丁寧」の英語表現とは?

「懇切丁寧」は英語で「Polite」

「懇切丁寧」の英語表現に適しているのが「Polite」です。「Polite」とは「丁寧」「礼儀正しい」を意味する単語で「Polite explanation(丁寧な説明)」のように使用できます。ただ、「Polite」は「説明自体が丁寧で理解しやすい」という意味ではなく、「説明する態度が丁寧であるさま」を表します。

説明する態度ではなく、説明自体がわかりやすく丁寧であることを表したい場合は、「Comprehensible」を使用しましょう。「Comprehensible」は「わかりやすいこと」を意味しているため、「Comprehensible explanation(わかりやすい説明)」と使うことで丁寧であることを表せます。

まとめ

「懇切丁寧」とは「とても手厚く親切であること」を意味する四字熟語です。目上・目下どちらへも使用でき、「懇切丁寧に教える」や「懇切丁寧な対応」のように表します。

類語には「懇到切至」が適しているため、「懇切丁寧」以外の表現を使いたい場合は言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。