「マイクロマネジメント」は社会人としては知っておきたいビジネス用語の一つ。「マイクロマネジメント」について「うざい」「パワハラ」「うつの根源」などと思うことはありませんか?
今回は上司として、また部下としても学んでおきたい「マイクロマネジメント」について、対策を含めて徹底解説します。
そもそも「マイクロマネジメント」とは?
「マイクロマネジメント」は上司が部下に強く干渉すること
「マイクロマネジメント」とは英語の「micromanagement」をカタカナ語にしたもので、簡単に言うと「微細管理」のことです。つまり「過干渉マネジメント」のことを指します。
日本でも世界でも「マイクロマネジメント」の定義は統一されており、管理者である上司やリーダーなどが、部下や新人の行動を逐一管理し、詳細まで干渉するマネジメントのあり方を「マイクロマネジメント」と呼んでいます。
「マイクロマネジメント」は本来「上手くやっていく」という意味
「マイクロマネジメント」は「過干渉」を軸としたマネジメント手法であるため、どうしても上司が部下に詳細までコントロールをかけ、ガミガミと小言をいうようなイメージを抱きがちです。
しかし「マイクロマネジメント」の本来の意味はそうではありません。
「マイクロマネジメント」とは、本来「上手く行くように管理すること」という意味を持ちます。つまり、管理者や上司が部下に対して、仕事が効率よく、手際よく、上手く進むように管理すること」なのです。
「マイクロマネジメント」は否定的なニュアンスが強い
そもそも「マイクロマネジメント」の「マイクロ」とは、「極小」「100万分の1」を意味し、「マイクロマネジメント」で管理者として部下の行動を「極小部分まで管理する」という意味で使われています。
否定的なニュアンスを持つ「マイクロマネジメント」ですが、実際に企業に存在する「マネジメント」の一つです。しかし、ネガティブな要素を多く含むマネジメントであるため、管理される側、つまり部下への悪影響は多大にあります。
「マイクロマネジメント」は進捗状況だけはない
「マイクロマネジメント」という管理手法を用いるのは、業務に直接かかわる「進捗状況」や「タイムカードでの勤怠管理」のみではありません。その他、以下のような内容も「マイクロマネジメント」にありがちなパターンの例です。
「マイクロマネジメント」と聞くと、現代の言葉で「うざい」と感じる人も多いのではないでしょうか?ここまでくると「マイクロマネジメント」も害となる一歩寸前かもしれません。
「マイクロマネジメント上司」への5つの対策とは?
対策①上司より自分が先に報告・共有する
上司が業務の進ちょく状況を確認するのは、部下の言動や考え方が気になって仕方がないからです。それなら、上司より先に、自分から何でも報告するようにしてしまいましょう。そうすれば、上司の気がかりな箇所をいち早く取り除くことができるため、執拗な干渉も落ち着いてくるはずです。
対策②上司の前では真剣な態度でのぞむ
「マイクロマネジメント」を実践している上司は常に「神経がピリピリ」しています。そんな上司の前でふざけた態度をとったりすれば、おそらくカチンときてしまうでしょう。
心の中では「疲れるな…」と感じていても、上司の前では真剣な態度でのぞむのが一番です。腫れ物に触るようにとは言いませんが、「話を真剣に聞いている」という態度を前面で見せるように心がけてみて下さい。
対策③つまらない内容でもあえて確認をする
「マイクロマネジメント」を大なっている上司は、部下のスケジュールや業務状況など、細かい点まで「確認する」ことが与えられたミッションだと自負しています。
それなら、どんなつまらない小さなことでも、あえて自分から確認してみましょう。上司は「そこまで確認しなくても」と、逆に自分の「マイクロマネジメント」の行き過ぎに気が付くかもしれません。
対策④ケアレスミスをしないように最大限心がける
どんな仕事でも共通して言えますが、ケアレスミスをできるだけなくすのは、仕事の効率面や信頼面からみても非常に重要なことです。
細かい管理を軸とする「マイクロマネジメント」では、こういったミスに対しても原因を追究したりします。細かい網目に引っかからないように、ケアレスミスに注意をするようにして下さい。
対策⑤とにかく話を最後まで聞くようにする
マイクロマネジメント中の上司を攻略するには、とにかく反論せず話を最後まで聞くようにすることが大切です。これは意外にも試練となり得ますが、管理者としての立場から考えれば、途中で話を止めて部下の話を聞き入れるようなことはしないでしょう。
過干渉的なマネジメントでも、上司としてやるべきことを真摯に貫いているわけですから、その点は一歩引いてみて下さい。上司の腹の中がスッキリすることが目的です。
「マイクロマネジメント」でのパワハラ・うつの関係は?
パワハラに近い言動はうつを誘発する原因となる
「マイクロマネジメント」は、上司が部下に対して行う「過干渉マネジメント」のことで、これは上司と部下という上下関係があってこそ成り立つものだと言えます。つまり、状況によっては権力や地位を使った一種の「パワハラ」だと解釈することもできるということです。
もちろん「マイクロマネジメント」がすなわち「パワハラ」という定義はありません。
しかし「パワハラ」が続いた場合、多くは心身的にダメージを受けることになるため、食欲減退、集中力の欠如、最悪の場合には「うつ」を誘発することがあります。
ここで上司として気を付けたいのは、「上手く仕事ができるように管理する」という目的から離れない、という点です。部下がうつになってしまうことは、部下の健康面で「詳細な管理ができていない」ということになってしまいます。
アメリカでは「マイクロマネジメント」は通用しない
アメリカをはじめ、欧米諸国の企業では、他人を細かく干渉する「マイクロマネジメント」がほぼ通用しません。「マイクロマネジメント」が「パワハラ」に近い行為とみなされたり、うつやその他の弊害をもたらす原因となるため、職場では積極的に排除されています。
また、アメリカや欧米諸国で上司が部下に対し「マイクロマネジメント」を行うと、通常の感覚でも「気が散って仕事ができない」「余計なお世話である」という考えから、上司が退職に追い込まれるケースもあります。
日本のように協調性を重んじ、目上の人を尊敬すべきという文化の中で生活をしていても「マイクロマネジメント」が与える影響は「ストレス」「ハラスメント」と、おおむねネガティブなものばかりです。個人主義・自由主義をベースとするアメリカで「マイクロマネジメント」が毛嫌いされ、それこそ通用しないのも納得がいくでしょう。
まとめ
社会人になると避けられない上下関係。職場を離れるのも、また仕事を続けようと思うのも、上司が「マイクロマネジメント」をどのように実践し、部下がどのように受け止めているかよって変わってくるかもしれません。
「マイクロマネジメント」を「うざい」と感じる人、パワハラやある種のハラスメントと捉える傾向は強まるばかりですが、やはり「上司と部下」という関係を無視しては企業は成り立たません。
「マイクロマネジメント」を目の当たりにしている人は、うつを回避するためにも、効果的な上司対策をしっかり行っていきましょう。
メールのCCに自分を入れるように指示する
どんな小さなミスでも原因を突き止める
部下の居場所を常に把握する
「〇〇しないように」を口癖のようにいう。