ドイツビールとは?飲酒事情に種類と特徴・飲み方や歴史も紹介

ドイツはビールの宝庫と呼んでも過言でないほどビールが大好きなお国柄。ビールの種類は5000種類以上、醸造所に至っては1350ヵ所以上もあります。

この記事では、ドイツ人の飲酒年齢を含むビール事情をはじめ、ビールの種類や飲み方、ドイツビールの歴史、ビールのお祭り「オクトーバーフェスト」について紹介します。

※この記事の担当:Light1(ドイツ在住歴12年。ドイツの長い夏とドイツワインが好き)

ドイツのビール事情

ドイツでは条件付きで14歳からビールが飲める

ドイツでは条件付きで14歳から飲酒が認められています。条件とは、親か親権のある大人が同伴していること、そしてビールやワインなどのアルコール度数15%以下の軽めと言われるアルコール飲料です。

16歳になるとビールやワインを親の同伴なしで公共の場で飲めるだけでなく店頭で買うことができます。またアルコール度数の高いウィスキーなどの酒類は18歳から飲めます。

ドイツ人は毎年約100Lのビールを消費

ドイツ人のビールの消費量は1990年代から徐々に減っているとはいえ、それでも2019年の一人当たりのビールの消費量は99.7Lです。日本人の消費量は年間約50Lなので、ドイツ人は日本人のほぼ倍量のビールを飲んでいることになります。

ドイツのビール消費量が減っている理由として、若い人の健康志向によりビールよりはノンアルコール飲料やビールカクテルを飲む傾向が強くなっているからという指摘があります。

ドイツビールの種類

5000種以上がると言われるドイツビールの中から、定番のビールと有名なご当地ビールを紹介します。

定番ビールの種類
  • ピルス(Pils)
    ドイツで最もたくさん飲まれているのがビルスと呼ばれるビルスナーです。チェコ生まれですが、明るく透き通った色にホップの苦みとすっきりとしたのど越しで人気です。
  • ヴァイツェン(Weizen)
    小麦を50%以上使ったヴァイツェンは濁った色が特徴で、フルーツ系の甘い香りがします。まろやかな味わいで、女性に好まれるビールです。
  • ヘレス(Helles)
    ヘレスは明るい黄金色が特徴で、その味わいはビルスよりも軽くすっきりとしています。
  • ドゥンクレス(Dunkles)
    黒ビールほどではないですが色が濃く、モルトの味が濃厚なビールで、アルコール度数は5%前後と高めです。
主なご当地ビール
  • アルト(Alt)
    日本人が多く集まる街デュッセルドルフを中心に飲まれているアルトは、ドイツで最も古い醸造法で作られているビールです。13世紀から作られ始めて、アルコール度数は約4.8%。色は濃く、味は苦めです。
  • ケルシュ(Kölsch)
    ケルシュは、ドイツ西部の町ケルンの醸造所またはケルン醸造組合員のみが醸造を許されていて、のど越しがすっきりとした口当たりのいいビールです。ケルシュ以外のほとんどのビールが500mlのグラスで飲まれますが、ケルシュは200mlの小さなグラスで飲むのが決まりです。

ドイツ人のビールの飲み方は?

ビールは常温では飲みません

ドイツではビールは常温で飲まれているという印象をお持ちの方も少なくないようですが、ドイツ人はビールを常温では飲みません。ちょうど冷蔵庫で冷やした程度の冷たさのビールが好まれます。

日本のようにグラスもビールもキンキンに冷やすことはないので、日本人からするとドイツで飲むビールは常温のように感じられるのかもしれません。

「ラドラー」はビールのレモネード割り

ビールの苦みを嫌い口当たりをよくした飲み方として、ビールをレモネードで割った「ラドラー(Radler)」というビールカクテルがあります。一般的な飲み方で女性に人気があると思いきや、男性でもラドラーを飲まれる方は多いです。

「ベルリナーヴァイセ」はビールのシロップ割り

「ベルリナーヴァイセ(Berliner Weiße)」はラズベリーやヤエムグラのどちらかのシロップを混ぜて飲むビールカクテルです。赤や緑の色が際立ち、甘みが強く、ブランデーグラスのような丸い足付きのグラスでストローを使って飲みます。

ビールはクナイペやビアホールで飲む

ドイツ人は自宅以外に、クナイペと呼ばれる居酒屋でビールをよく飲んでいます。日本の居酒屋のようにおつまみは充実していませんが、素朴な雰囲気でリーズナブルにビールを飲めます。

ビール醸造所が経営しているビアホールでは、出来立てのビールが味わえます。レストランのように食事を楽しむことができます。

また初夏から9月中旬ごろまではビアガーデンがオープンします。青空の下、ビールを飲むのが大好きなドイツ人。小さなレストランでも夏場だけは庭を開放してビアガーデンにしていることもあります。

ドイツビールの歴史

中世には修道院でビールを醸造

ビールそのものは約6000年の歴史があるそうですが、現在のドイツがある地域で8世紀頃にはビールを飲む習慣があったと言われています。

中世になるとビールは修道院で醸造されて、王族だけでなく巡礼者や物乞いの人々にふるまわれていました。当時の飲み水が安全ではなかったのに対して、ビールは栄養もあり健康にいい飲み物だとされていたからです。

ドイツでは約500年前からビールの製造法を守っている

ドイツではビールのクオリティを守るために「ビール純粋令」という法律があります。食品に関する世界で一番古い法律で、ビールの原料は大麦、ホップ、水、酵母のみで醸造することが規定されています。

「ビール純粋令」は1516年にバイエルン王ヴィルヘルム4世によって発令されて守られてきました。ドイツ帝国が成立した1871年ビール純粋令が廃止され砂糖やでんぷんの使用が認められたのですが、1906年にビール純粋令は再びドイツ全土で施行されました。

ところが現代になりEUに反対されて、1987年の欧州司法裁判所の判決でビール純粋令はドイツ国内向けのビール生産のみに適用されるという判決が下ります。

その結果、現在ドイツではビール純粋令に準じて製造された国産ビールと準じていない輸入ビールなどの他のビールも飲まれるようになりました。

ミュンヘンのビール祭り「オクトーバーフェスト」とは?

オクトーバーフェストならでは!マスでビールをグイッと飲む

オクトーバーフェストは1810年からミュンヘンで9月下旬から約2週間かけて開かれる伝統的なビール祭りです。ビールを飲むための大小さまざまなテントのほかに移動遊園地も設置されていて、子供から大人まで楽しめます。

オクトーバーフェストでは「マス」と呼ばれる1L用ジョッキでビールが飲むのですが、最初の乾杯では一口飲むまではテーブルにジョッキを置いてはいけないという暗黙のルールもあります。またいくつかの醸造所はオクトーバーフェスト用のビールとしてアルコール度6%前後と高めのビールを提供しています。

テントの中ではビールを飲みながら大騒ぎ

オクトーバーフェストでしか見られない光景として、ウエイトレスからゲストまでが着用するバイエルン地方の民族衣装を着ていることです。女性はディアンドル、男性はレダーホーゼと呼ばれる皮の半ズボンを履いています。場を盛り上げる生バンドがドイツ民謡を演奏すれば、全員が立ち上がって腕を組みながら踊り出す姿も見られて、大騒ぎをしながらビールを飲み明かします。

まとめ

ドイツにはたくさんの種類のビールがありますが、ドイツに来たらまずは定番ビールから試すことをおすすめします。日本ではピルスナー系のビールが主流ですが、同じピルスでもドイツのピルスは味わいが違います。この違いを楽しんでみてください。