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「何よりです」とは?敬語の正しい使い方と例文・類義語も紹介

社交の場やビジネスシーンでよく使われる言葉が「何よりです」。目上の人との会話のやりとりで、無意識に飛び出す言葉の一つですが、今一つ意味が曖昧で、使い方に迷うことはありませんか?ここでは「何よりです」の意味をはじめ、敬語としての使い方と例文、類義語などをご紹介します。

「何よりです」の意味とは?

「何よりです」の意味は「この上なく嬉しいです」

「何よりです」とは、相手の近況や報告などを聞いて「この上なく嬉しい」という気持ちを表す時に使われる言葉です。つまり、意味としては「この上なく、とても嬉しいです」となります。

そもそも「何より」の意味は「他より優れている」

「何よりです」を理解する上で重要なのが「何より」が「どんなものより?なのか」という点です。

そもそも「何より」は非常に抽象的で、どのような物事を指しているかがよくわかりません。しかし「何より」は「どんなものより」となるため、意味的には結果的には「他より優れていること」また「最上に勝っていること」となります。

「何よりです」の使い方と例文

「何よりです」は尊敬語ではなく「丁寧語」

「何よりです」は3つある敬語の種類の中でも、尊敬語ではなく「丁寧語」の方に該当します。「〇〇です」は基本的に「丁寧語」にあたいします。

「何よりです」をはじめ「丁寧語」とは、相手への敬意を直接的に表すものではなく、表現そのものを丁寧に整えた言い回しののことです。そのため、地位や身分などに関係なく、目上の人に対しても、また目下のものに対しても使える表現です。

たとえば、職場なら部下が上司に対して使ったり、病院の先生が患者に使ったり、またご近所さん同士で使うこともあるでしょう。

病院の先生が患者の病状の回復について「何よりです」と言うのも、またご近所さんが子供の大学進学について「何よりです」と放つのも、とくに相手に特別な敬意を表しているわけではありません。そのため、「何よりです」は丁寧語であり、尊敬語ではないということがわかります。

「何よりです」の謙譲語は「何よりでございます」

「何よりです」を相手にへりくだって使う時、つまり、謙譲表現として使う時は「何よりでございます」になります。たとえば、ビジネスシーンで自社のCEOと話す時や、取引先の役員と商談をする時などに使うと良いでしょう。

この時、「何よりでございます」を多用してしまうと、相手への最高の敬意や自信を謙譲する意思が薄れてしまいます。他の表現「嬉しゅうございますね」「それは喜ばしく存じます」などブレンドしながら、会話を構成してみて下さい。

例文
  • 社長が海外から無事帰国されたそうで、何よりでございます。
  • 御社が上場したと聞きました。本当に何よりでございます。

友達や家族には「何より」を使ってカジュアルに

「何よりです」は「これ以上の喜びはない」というう意味の丁寧語ですが、友達や家族など、ごく身近な人に対して使う場合は「何より」を使って、自分が最高に喜ばしい気持ちであることをカジュアルに伝えましょう。

ぜひ、状況によって「何よりだね」「何よりでした」「本当に何より」などと変化させてみて下さい。

例文
  • やっと連絡がとれて、何よりだよ。
  • 何よりなのは、課長の承認を一回でもらえたことだ。

「何よりです」を使った例文

  • 御病気から回復されたとのこと、本当に何よりです。
  • 今回の求人で最適な人材を獲得することができ、我が社としては何よりです。
  • 仕事を続けられるのは健康のおかげでしょう?本当に何よりですよ。
  • その話を聞いて何よりです。ずっと気にかけていたものですから。

「何よりです」の類義語は?

「嬉しく思います」

心から相手の状況や結果を聞いて「喜ばしい」「ホッとした」と思うなら、「嬉しく思います」を使ってみましょう。「嬉しい」という感情表現が含まれているため、「何よりです」よりも、自分の気持ちをストレートに伝えることができます。

「嬉しい」という言葉は、人の心を明るくします。ぜひ、自分の気持ちを正直に伝える時は、「何よりです」より「嬉しく思います」を選びましょう。

例文
  • 地元チームが優勝と聞いて何よりです。
  • 地元チームが優勝と聞いて嬉しく思います。

「良かったです」は嬉しい気持ちを漠然と表したもの

嬉しい気持ちを肯定的に、かつ漠然とした表現に置き換えたのが「良かったです」です。

「良かったです」は、シンプルに「良い」ことを丁寧に示す便利な言葉ですが、やや感情に欠けてしまう部分もあります。そのため「良かったです」を多用してしまうと、「この人は感情がないのかな?」と勘違いをされてしまうことがあります。「嬉しく思います」「聞いてホッとしました」などの類義語とミックスしながら、会話のテンポを新鮮に保つようにしましょう。

例文
  • 奥様がやっと退院出来て良かったです。
  • 奥様がやっと退院出来て何よりです。

「よろしかったですね」は「ね」を付けるのがポイント

「よろしかったですね」は「良い」の丁寧語「よろしい」をさらに口語的に軟らかい言い回しへと変化させたものです。

「よろしかったです」だと堅苦しい響きで伝わるため、「よろしかったですね」の方が良いでしょう。部下から上司へ、取引先の担当者レベルでも使えます。

例文
  • 台風の中、無事現地に到着できてよろしかったですね。
  • 台風の中、無事現地に到着できて何よりです

「何よりです」の英語表現

「何よりです」は英語で「That’s great」でOK

ちなみに「何よりです」を英語で表現するときは、「That’s great」「I’m happy about it」などを使いましょう。「That’s good news」だと、より具体的です。

まとめ

「何よりです」は尊敬語ではなく丁寧語です。意味は「この上なく嬉しいです」「最高に喜ばしい気持ちです」となり、相手の状況や近況報告などを受けて「本当によかった」という気持ちを示す時に使われます。

「何よりです」は表現を丁寧に整えた言い回しであるため、たとえば上司から部下、また部下から上司に使っても問題はありません。より短い表現でご自身の喜びや嬉しさを表すにはピッタリの言い回しです。適切な場面で活用してみて下さい。