「達観」の意味と正しい使い方!諦観や俯瞰との違いも解説

「達観」という言葉は、セミナーやビジネス文書で見聞きしたことはあるものの、使う機会があまりない言葉のひとつでしょう。

今回は、「達観」の意味と使い方を中心に「諦観」「俯瞰」との意味の違い、類語や対義語(反対語)のほか、英語表現を紹介していきます。

「達観」の意味は2つ

「達観」の読み方は「たっかん」と読み、「達観」には大きく分けて2つの意味があります。

「達観」の意味①

1つ目は「全体の情勢についてよく見通すこと」「広く大きな見通しをもつこと」です。

「世界情勢を達観する」は国内のみならず、世界的な視野でものごとを見通すことを意味しています。

「達観」の意味② 

2つ目は「周囲に惑わされず、何事にも動じない心でいること」「道や真理をしっかりと見極め、ものごとへのこだわりを捨てること」「ものごとの悟りを開き、ことに取り組む」です。

「人生を達観する」は「こだわりを捨て、悟りの境地でものごとに取り組む」という意味で使われます。

「達観」を使い方を例文で確認!

「達観」は「視野が広く、将来の行く末を悟ること」を意味する言葉ですが、実際にはどのような表現に用いることができるのでしょうか?熟語を使った例文を挙げてみます。

達観した考えを持つ

  • 最近は達観した考えを持つ若者が多い。
  • 達観した考えを持つ人は、人生経験が豊富な場合が多い。

人生を達観する

  • 人生を達観するに至るまで、まだまだ時間がかかりそうだ。
  • 上司の発言は、まるで人生を達観したかのようであった。

達観視する

  • ものごとを達観視できるのは、すでに将来の見通しが明確な証拠である。
  • 老人の口癖は、世界情勢を達観視した内容ばかりである。

達観の境地である

  • 何のこだわりもない、まさに達観の境地である。
  • 達観の境地に至れば、周囲にも惑わされずに済むのであろう。

「諦観」と「俯瞰」との違い

それでは「達観」と近い意味を持つ「諦観(ていかん)」と「俯瞰(ふかん)」の2つの言葉との違いをみてみましょう。

「達観」と「諦観(ていかん)」との違い

「諦観」は「ものごとの本質を見極め、明確に見通すすこと」「悟りを開いた境地に立ち、物事を見通すこと」という基本的な意味があります。

また「諦観」の「諦」は「あきらめること」であり、「諦めの境地に至り、ものごとを見渡す」というような意味合いになるため、「達観」よりさらに無心の境地に迫るようなニュアンスが感じられます。

同様に「達観」は「考え抜いた果てに辿り着くこと」であり、一方「諦観」は「困難を乗り越えて新たな境地を迎えること」を意味しています。ここに些細な違いを見出すことができるでしょう。

「達観」と「俯瞰(ふかん)」との違い

「俯瞰」には「ものごとや情勢を高いところから見下ろす」という意味があります。「達観」が「広い視野」で見通すことに対し、「俯瞰」は「高い場所」から見下ろすになるため、ものごとや情勢を見る「視点」が異なると言えます。

たとえるなら、「俯瞰」は高いところから見下ろすという行為だけを表していることに対し、「達観」は「俯瞰」を経験した上で「世の中の悟りを開く」というような意味合いで解釈することができます。「俯瞰を経て、達観に至る」と説明すれば、それぞれの言葉の意味の違いが見えてくるかもしれません。

「達観」の類語と対義語(反対語)

続いて「達観」の類語と対義語(反対語)についてみてみましょう。

類語は「開眼する」「悟りを開く」

「達観」の類語には「ものごとの真理を見極める」という意義で「開眼する」「悟りを開く」「境地に達する」「思い知る」「会得する」「本質を理解する」などが挙げられます。言葉のニュアンスから「仙人」のようなイメージが湧いてきますが、「悟りを開く」を類語と捉えると、まさに自然な感覚だと言えるでしょう。

  • 国際情勢の本質を理解すると、国同士の話し合いは不可欠である。
  • 私の同僚は、自己啓発セミナーで人生の意味を会得したようなコメントを綴った。

対義語(反対語)は「執着」

「達観」の「周囲に惑わされずこだわりがない」という意味での対義語は「執着」「固執」「拘り」「しがみつく」、「広い視野で将来や情勢を見通す」という意味での対義語は「刹那的」「瞬間的」「無計画」「場当たり的」などが挙げられます。

  • 10代のうちは、ものごとに執着する傾向が強い。
  • 刹那的に生きるのは、周囲に振り回されるのが怖いからではないだろうか。

「達観」を英語で表現すると?

最後に「達観」の英語表現を見てみましょう。会話に取り入れるのは難問と言えますが、ワンランク上のビジネス英会話を楽しみたいのなら、覚えておいて損はない言葉です。

英語表現は「be philosophical」

「達観している」という言葉を表す英語は「be philosophical」です。「哲学的な視点で達観している」という意味で、「道理や真理の境地に至る」様子を表現しています。加えて「周囲に動じない強い心を持っている」という意味で使うなら「certain detachment」も適語となります。

「達観」の基本的な英語例文

「達観」を使った基本的な英語表現をみてみましょう。

  • She is philosophical about life
    彼女は人生に達観している。
  • I believe myself that I always have a certain detachment for the future..
    私は未来にについて、常に達観した考えを持っていると信じている。

まとめ

「達観」には「将来や情勢の見通しを見極めること」「周囲に惑わされず、こだわりを捨てること」などの意味があります。似た言葉に「諦観」や「俯瞰」がありますが、それぞれ意味や使い方が異なるため、状況に合わせて適切な一語を選ぶようにしましょう。