「こんをつめる」の意味と使い方とは?語源や例文・類語も解説

仕事や勉強を一生懸命やることを表現する言葉に「こんをつめる(こんを詰める)」があります。漢字では「根を詰める」と書きますが、意気込みを表したり頑張りすぎる人を心配するときに使う表現です。

この記事では、「こんをつめる」の意味と語源、使い方や例文について解説。類語や英語表現も紹介しましょう。

「こんをつめる」の意味と語源・由来とは?

「こんをつめる」の意味は「熱心に集中し続ける様子」

「こんをつめる」とは、「ひとつの物事に対して熱心に集中し続けるようす」を表す言葉。

勉強や仕事など、どんなことに対してでも使える表現です。気持ちを集中して続けたり睡眠時間をけずってまで取り組んだりするなど、肉体的にも精神的にも疲労することを顧みず熱心に集中し続けることを「こんをつめる」と表現します。

語源・由来は漢字表記「こんを詰める/根を詰める」にあり

「こんをつめる」は、漢字では「こんを詰める」、または「根を詰める」と表記します。

「根」には「ねもと」などの他に「物事に対する気力」や「辛抱強く耐える力」という意味があり、「詰める」には「すき間なく満たす」の他に「熱心に続ける」といった意味があります。

また「根」は「根性」や「根気」を表すことからも、物事に対して根気強く熱心に集中し続ける様子を表しているのが「こんをつめる(根を詰める)」という言い回しだと言えます。

「こんをつめる/根を詰める」の使い方と例文

「こんをつめる」は意気込みを表す

「こんをつめる」は、これから行う物事に対して頑張ろうという意気込みを表す表現として使うことができます。

テスト前の勉強をするときには「来週のテストまでは、こんをつめて頑張ります。」と言ったり、仕事の納期が迫っているときには「こんをつめてやれば間に合います。」などと使います。

「こんをつめる」は相手の体調を心配するときにも使える

頑張りすぎる人の体調を心配する時にも「こんをつめる」という表現を使います。

肉体的にも精神的にも疲労することを顧みずに熱心に集中する「こんをつめる」状態を続けると、疲労がたまって体調を悪くすることがあります。そのようなことにならないよう、注意喚起として言葉をかけるときに「そんなにこんをつめると体を壊しますよ」や「あまりこんをつめすぎないようにしてください」などと使います。

「こんをつめる」を使った例文

  • 受験本番まで残り一週間なので、ラストスパートでこんをつめて頑張ります。
  • 納期は3日後だが、こんをつめてやれば十分間に合いそうだ。
  • 彼はいつも良くやってくれるが、こんをつめることが多いので心配になる。
  • 本番前に体調を崩すと良くないので、こんをつめすぎないようにしてくださいね。

「こんをつめる/根を詰める」の類語と例文

「精神を集中する」は「一カ所に気持ちを集める」

「精神を集中する」とは「一カ所に気持ちを集めるようす」を表す言葉です。「精神」とは「気力」や「気持ち」「意識」などのことで、「集中」とは「ひとつの場所に集める」こと。

「ある物事に気持ちを集めるようす」が「精神を集中する」ですが、「こんをつめる」は「精神を集中させて熱心に物事に取り組むようす」を表しています。

例文
  • 座禅をして精神を集中することで、心を落ち着かせる。
  • 武道においては精神を集中することが大切です。

「張り切る」は「物事を思い切って行う気力」

「張り切る(はりきる)」とは、糸がぴんと張っているようすなどを表すところから、「緊張した気持ち」や「物事を思い切って行う気力」のことを表現します。

疲労を顧みずに行う「こんをつめる」ほどではありませんが、「優勝できるよう張り切って頑張ります」「これから仕事だから張り切ろう」など、意欲に満ち積極的に行う気持ちを表します。

例文
  • 明日は学生時代最後の大会だから記録を出そうと張り切っています。
  • 誕生日の娘のために張り切ってケーキを焼いた。

「こんをつめる/根を詰める」の英語表現とは?

「こんをつめる」は英語で「work so hard」

「こんをつめる」の英語表現には、「仕事をし過ぎる」「無理をする」という意味のある「work so hard」が使えます。また、同じく「無理をする」や「頑張りすぎ」というニュアンスのある「push oneself too hard」も「こんをつめる」を表現するのに当てはまるフレーズです。

例文
  • He work too hard(彼はこんをつめている)
  • Don’t work too hard(こんをつめすぎないで)
  • Don’t push yourself too hard(こんをつめすぎないように)

まとめ

「こんをつめる」は漢字で「根を詰める」と書きます。「物事に熱心に集中し続けるようす」という意味の言葉で、肉体的にも精神的にも疲労することを顧みず行うほどハードに頑張りすぎるようすを表した言葉。「こんをつめて行えば間に合う」など少し無理をして頑張ろうという意気込みや、「こんをつめすぎないように」と相手を心配する意味で使います。