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「なかなかどうして」の意味と由来は?使い方と類語・英語も紹介

アニメや舞台のコントなどで「なかなかどうして」というユニークな言い回しを使うことがあります。何となく意味は想像できても、実際に正しい使い方ができるかどうか、よくわからないという人もいると思います。

ここでは「なかなかどうして」の意味と由来、使い方の他、類語もご紹介します。

「なかなかどうして」の意味と由来は?

「なかなかどうして」の意味は「予想を上回っている」

「なかなかどうして」とは、物事のあり方や状況などが「予想を上回っている」という意味を持ちます。つまり、思ったよりも程度が上であることを表す副詞の一つです。

また、意味が転じて、状況や程度が「よい感じ」「中くらい」「まあまあである」というニュアンスでも使われます。

「なかなかどうして」は同義語を重ねた言葉

そもそも「なかなか」には2つの意味があります。

一つは「物事が思ったようにスムーズにはかどらない、上手くいかない様子」を指し「なかなか終わらない」「なかなか始まらない」というように使います。

もう一つは「なかなかの出来だ」「なかなかの腕前だ」のように、予想をはるかに上回ることを表す時に使われます。そして、今回ご紹介している「なかなかどうして」の意味にあたるのが後者の方です。

「どうして」は疑問の副詞としてあまりにも有名ですが、今回の「なかなかどうして」では、前節を否定する意味で使われています。わかりやすく言うと「案に相違して」「そればかりか」といったニュアンスです。

このように「予想を上回る」ことを意味する「なかなか」と「どうして」が重なり、できた言葉が「なかなかどうして」となります。

「なかなかどうして」の英語は「more than I expected」

ちなみに「なかなかどうして」の英語は「more than I expected(期待してたより上)」や「surprisingly(驚くなかれ)」「unexpectedly(予想外に)」などを使うと良いです。

「なかなかどうして」の2つの使い方と例文

「なかなかどうして、〇〇だ」と先頭に置く

「なかなかどうして、〇〇だ」は、ある物事が予想を上回った時に、あえて自分の予想を「これこれ、こうで…」と長々と説明をせず、肯定的に「思ったよりも」「まあまあだ」「よい感じだ」という肯定感を持って「なかなかどうして」を代用するパターンです。

例文
  • なかなかどうして、イベントはまずまずの成功を収めた:思ったより成功した
  • なかなかどうして、素敵な彼を見つけたもんだ:まあまあの彼じゃない
  • なかなかどうして、転職活動は進んでいる。:どちらかといえば順調だ
  • なかなかどうして、綺麗な旅館じゃないか:いい感じの旅館だ

このように、「なかなかどうして、〇〇だ」は、自分の予想や仮想を口に出さずに、「ほどよい状態や程度」を表す時に使うことができます。

「〇〇だけど、なかなかどうして」と末尾につける

「なかなかどうして」を文章の最後に持ってくるパターンです。これは、自分が予想していた状態や程度に反し、結果がはるかに上回っていた時に使われ、前述部分を否定する意図が含まれています。

例文
  • 仕事が早く終わると思ったけど、なかなかどうして:仕事が終わらない
  • 花束を喜んでくれると思ったけど、なかなかどうして:花束を喜んでんでくれなかった
  • 部長に褒められる予定なのに、なかなかどうして:部長に褒められない
  • 頭痛薬をのんだが、なかなかどうして:頭痛薬が効かない
  • 集中ダイエットに励んだが、なかなかどうして:痩せない

このように、前の部分を否定する形で使われるのが「〇〇だけど、なかなかどうして」パターンでの使い方です。

「なかなかどうして」の類語は?

「なかなかどうして」の類語「思いのほか」「想定以上に」

「なかなかどうして」で言い換えができる類語は「思いのほか」「想定以上に」があります。「思いのほか」は「思っていたこととは違って」、「想定以上に」は言葉通り「自分が頭の中で想像した程度を超えて」という意味です。

これらの類語と異なる点は「なかなかどうして」は具体的な語句が入っていないため、言葉の伝わり方が曖昧な場合があります。しかし「思いのほか」や「想定以上に」は「思い」「想定」という語句が含まれているため、より状況が鮮明になります。

例文
  • なかなかどうして、盛り上がったじゃないか。
  • 思いのほか、盛り上がったじゃないか。
  • 想定以上に、盛り上がったじゃないか。

「なかなかどうして」は口語的な表現であるため、ビジネスメールや文書では「思いのほか」や「想定以上」などを使って、言い換えるようにして下さい。

まとめ

「なかなかどうして」は「予想の程度や状態を上回っている」ことを表す時に使われます。

ビジネスシーンでは「なかなかどうして、仕事がはかどらない」「契約が取れると思いきや、なかなかどうして」というように、言葉を先頭に置いたり、最後に付けたりして、文脈に用いることができます。

気を付ける点としては「なかなかどうして」は口語的な表現であるため、メールや正式文書に使うのは適切ではないということです。取引先や顧客などと文書でやりとりをする時は、言い換え可能な類語を使うようにして下さい。