「取り組む」の意味とは?ビジネスでの使い方と例文・類語も紹介

「取り組む」は「取り組む姿勢」や「取り組むべき課題」などのように、ビジネスシーンでは一般的な職場やプロジェクトに関連で使われる言葉です。普段は何気なく文章に用いていますが、語源や他の言い回しなどもしっかり把握していますか?

ここでは「取り組む」の意味と語源、使い方ではビジネスシーンを中心に、例文と併せて紹介します。

「取り組む」の意味と語源とは?

「取り組む」の意味は「熱心に事に当たる」

「取り組む」とは「熱心に事に当たる」という意味を持ちます。ものごとに正面から向き合い、問題や難題、懸案や対策などにとりかかること、またそれを処理することを表す言葉です。

また、その他「互いに組み付く」「相手と勝負を争う」「手を取り合う」「物を組み立てる」という意味も持ち合わせています。

「取り組む」の語源は「相撲の組み合い」

「取り組む」とは日本国技である「相撲」を語源に持つ言葉です。「取り組む」には「熱心にとりかかる」という意味がありますが、相撲では「お互いががっつりと組み合い、組み付くこと」または「お互い戦い合って、勝敗を競い合うこと」という意味で使われています。

「明日の取り組み予定」や「取り組み結果」などは、スポーツ新聞や相撲会場の掲示板などでよく見かける表現でもあります。

「取り組む」は熱心な姿勢が好まれ広く浸透

「取り組む」は熱心で全力で立ち向かう姿勢が好まれ広く浸透した言葉でもあります。

スポーツマンシップという言葉を代表するように、「相撲」をはじめ、サッカーや野球など全てのスポーツでは「ひざを交えて、正正堂堂と、真っ向から熱心に取り組む姿勢が大切です。

試合中には思わぬケガに見舞われたり、精神的に角まで追いやられてしまうこともあるでしょう。この時、困難や苦境と戦い、全力で乗り越える姿が周囲や観客に好意的に映ったことから、「取り組む」が「熱心にとりかかる」という意味で、一般的な会話でも使われるようになりました。

「取り組む」の使い方と例文

「取り組む」は活用したいビジネス必須用語の一つ

「取り組む」は相撲を語源とする言葉で、勝敗を争うスポーツ全般で使われていますが、同様に社会人が戦う場所、ビジネスシーンや仕事場では、周知のとおり必須用語となります。たとえば、職場について業務を開始する時の気概として、下記の二つの例文のどちらがよりポジティブに聞こえるか、比較してみましょう。

比較例文
  1. 今週も気合を入れて仕事をするぞ。
  2. 今週も気合を入れて仕事に取り組むぞ。

おそらく、二番目の「今週も気合を入れて仕事に取り組むぞ」の方が、より仕事へ熱意や問題解決への高いモチベーションが感じられるでしょう。

仕事に対しての活力や取り組む姿勢を高めたい時「取り組む」という表現一つを使うだけで、気持ち的な部分である「仕事への構え方」が変わってきます。

「取り組むべき課題」「取り組む姿勢」はよく使う言い回し

「取り組む」は動詞としてだけ機能する言葉ではないため、名詞の頭に付けることで語句の意味を明確にすることができます。

もし、部下が大勢いる上司の立場なら、シンプルに「課題」「姿勢」などの言葉を投げるのではなく、「取り組むべき課題」「取り組む姿勢」というように形容詞的な用途で使うことも多いでしょう。部下に対して「課題がある」と伝えるより「取り組むべき課題がある」と言葉を足すだけで、案外やる気は出るものです。「取り組む」がもたらすポジティブな効果を活用しない手はありません。

「取り組む」を使った例文

<熱心にとりかかるの意味>

  • 新しい研究に取り組む
  • プログラム開発に取り組む
  • 毎日の業務に取り組む
  • 組合と住民で地域活性化にに取り組む
  • 取り込むべき課題を発表する
  • 何事も取り組む姿勢が重要である。

<その他の使い方の例文>

  • プロレスの試合では激しい取り組みが見られた(互いに組み付く)
  • フェンシングの準決勝では強豪と取り組む予定だ:(相手と勝負を争う)
  • 溝に落ちた子供の手を取り組み助けた:(手を取り合う)
  • 自転車の部品を取り組む作業をした:(物を組み立てる)

「取り組む」の類語とは?

「全力でとりかかる」の意味での類語は「挑戦する」「立ち向かう」

「取り組む」で最も使われる意味「全力・熱心にとりかかる」での類語を下記で挙げてみます。

類語の一例

挑戦する/立ち向かう/挑む/食らいつく/チャレンジする/アタックする/トライする、など

それでは、以下で簡単な言い換えの例文を挙げてみます。

簡単な言い換え例文
  • 上位入賞に挑戦する
  • 上位入賞に立ち向かう
  • 上位入賞に食らいつく
  • 上位入賞にアタックする 

どの類語も、ターゲットや目標に向かって真っ向から挑む姿勢が感じられます。ことに「食らいつく」にいたっては、食いついて何があっても負けじと離れない、という強い意気込みさえ感じられます。

このように、見方を変えれば「取り組む」や類語が与える効果を活用することも可能です。たとえば、就職試験や職場での所感などで自分のやる気やモチベーションの高さをアピールすることもできるでしょう。

「組み合う」の意味では「組み打ち」「押し合い圧し合いをする」

「取り組む」で「組み合う」という意味での類語には以下が挙げられます。

類語の一例

組み打ちする/押し合い圧し合いをする/掴み取る/ねじ合う など

それでは、下記で簡単な言い換えの例文を挙げてみます。

簡単な言い換えの例文
  • リングの相手と組み打ちをする
  • リングの相手と押し合い圧し合いをする
  • リングの相手を掴み取る
  • リングの相手とねじ合う

中でも「押し合いへし合いをする」では、組み合いとなった状態が長い間続いている、「ねじ合い」では組み合いをして互いにもみ合っている状況が容易に浮かばれるでしょう。

まとめ

「取り組む」とは相撲で取り付きや組み合いを語源に持つ言葉で、意味は「全力でことにあたる」「真っ向から熱心にとりかかる」という意味を持ちます。「取り組む」本来が持つ意味「互いに組み合う」「互いに争う」「手を取り合う」「ものを組み立てる」もおさえておきましょう。

ビジネス環境では、おそらく「取り組む」という言葉が毎日のように使われていると思います。言葉が持つ意義「全力でとりかかる」を理解していれば、職場でも気を引き締めて前向きに仕事ができるでしょう。「仕事をする」ではなく、仕事に取り組む姿勢こそが大切なのかもしれません。