「秋の夜長」の意味とは?時期はいつなのかや俳句の楽しみ方を紹介

秋が近づいてくると「秋の夜長はおうちで映画を楽しもう」のようなフレーズを耳にする機会が増えます。また、童謡の歌詞にも「秋の夜長を鳴きとおす……」というものがあります。「秋の夜長」とはどのような意味なのか、いつ頃使う言葉なのかを解説しましょう。また、俳句の季語の楽しみ方もご紹介します。

「秋の夜長」の意味

「秋の夜長」の意味は「秋の夜が長いこと」

「秋の夜長(よなが)」の意味は「秋の夜が長く感じられること」です。「秋の」を外しても同じ意味で使うことが可能です(一般的に、辞書には「夜長」しか載っていません)

また、詳細は後ほど説明しますが「夜長」は秋の季語になります。

「秋の夜長」を使うのは「秋分から立冬」が一般的

「秋の夜長」を使う期間は定められていませんが、現在では秋分(9月23日頃)から立冬(11月7日頃)の間が一般的です。

秋分(しゅうぶん)と立冬(りっとう)は、どちらも暦の名前です。秋分には、昼と夜の長さがほぼ同じになり、これ以降はだんだん夜の方が長くなります。立冬は冬のはじまりだと言われています。

厳密には、秋のはじまりの暦は「立秋(りっしゅう)」です。しかし、立秋は8月8日頃で、夏の暑さが厳しい時期になります。日もまだ長いので「秋の夜長」が相応しいと感じる人は少ないでしょう。

「秋の夜長」の使い方と例文

「秋の夜長」は秋の夜の楽しみ方の説明に使う

「秋の夜長」は、秋の夜の過ごし方や楽しみ方の説明・紹介に使われる言葉です。雑誌やテレビの特集、友人との会話など、身近な場面で聞く使い方だと言えます。

例文
  • 秋の夜長は読書に親しむ良い機会だ。
  • ラジオで「秋の夜長に聴きたい邦楽」のリクエストを募集している。
  • 秋の夜長をきっかけに、枕を新調し睡眠の質を上げようと思う。

「秋の夜長」「夜長の候」は挨拶文に使われる

「秋の夜長」や「夜長」は手紙の挨拶文にも使われる言葉です。主に10月に使われる時候の挨拶で、書き出しに使われます。

例文
  • 夜長の候
  • 夜長のみぎり
  • 夜長のころとなりました。皆様お変わりございませんか。
  • 秋の夜長に響く虫の声が心地良い季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。

「秋の夜長」は歌や物語などの作品に使われる

「秋の夜長」は歌の歌詞や、物語のタイトルや主題にも使われることがあります。

有名なのは、童謡「虫のこえ」です。作者・作曲者ともに不明の歌ですが、音楽の教科書に掲載されて子どもたちに親しまれてきました。秋の虫の鳴き声をテーマにした歌で、「秋の夜長を鳴きとおす」という歌詞があります。

室町時代に作られた物語「秋夜長物語(あきのよのながものがたり)」ではタイトルに「秋の夜長」が使われました。観音様の化身を巡る悲恋の物語で、童話風の物語である御伽草子(おとぎぞうし)のさきがけだと言われています。

俳句の季語としての「秋の夜長」

「秋の夜長」は秋の季語

「秋の夜長」の「夜長」は、秋の季語として用いられます。季語(きご)とは、季節を表す言葉で、俳句などで使われます。

俳句(はいく)とは17音という短い文章で、季節の風景や自分の気持ちを読む詩のことです。基本的に、詩の中に季語をひとつ入れる決まりになっています。

季語の中には現代ではなじみがなく意味が分かりにくいものもあります。しかし「夜長」は童謡や日常会話で身近なので、意味や情景がイメージしやすい言葉です。初心者でも安心して鑑賞できる季語と言えるでしょう。

対応する四季の季語は「日永」「短夜」「短日」

秋の「夜長」に対応する季語は、他の季節にもあります。日(昼)と夜の長短が季語になっています。

  • 【日永(ひなが)】
    春の季語。日長とも書く。春の昼が長いこと。日が伸びたことを喜ぶ。
  • 【短夜(みじかよ)】
    夏の季語。夏の夜が短いこと。昼の暑さが和らぐ夜が短いことを残念に思う。
  • 【短日(たんじつ)】
    冬の季語。冬の昼が短いこと。暖かい昼が短いことを惜しむ。

冬の方が夜が長いのに「秋の夜長」の理由

「夜長」は秋の季語ですが、実際には最も夜が長いのは冬です。しかし、冬の季語は「夜長」ではなく「短日」になっています。理由は、科学的な事実を述べているものではなく、人々の季節に対する気持ちをメインにした季語だからです。

暑さが厳しい夏が終わって涼しい夜が伸びることを嬉しく思うため、秋は夜の長さを楽しむ気持ちが高まります。そのためポジティブな感情をこめて「夜長」が秋の季語になったと言われています。

なお、春の「日永」も同じです。実際に昼が一番長いのは夏ですが、寒い冬を乗りこえ昼が伸びてきた喜びをこめて春の季語とされています。

似た言葉が並んでも、季節への気持ちをあわせて覚えれば季節を間違える可能性は減らせるでしょう。

まとめ

「秋の夜長」は「秋の夜が長く感じられること」を意味します。「夜長」だけでも同じ意味で使われています。使われる時期は9月末~11月始めが一般的です。

厳しい暑さを乗りこえた喜びも含まれている言葉です。夏の疲れを解消するためにも、過ごしやすい「秋の夜長」を有効に使いましょう。

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「いず あむ」と読みます。 一般事務、営業事務としてビジネスメールを送信する機会が多くありました。複雑な事柄でも、分かりやすく説明することを目標としております。