「大学校」とは?大学との違い・必要な偏差値や学歴について紹介

「大学校」は一般的には「大学」と違うカテゴリーに位置しているという認識があると思います。しかし、入学に必要な偏差値や学歴の扱い方についてはよくわからないという人も多いのではないでしょうか?

ここでは「大学校」の定義を中心に、大学との違いなどについてご紹介します。わかりやすく簡単にご説明していますので、ぜひおさえるべき点を確認してみて下さい。

「大学校」の定義とは?

「大学校」とは「大学と異なる教育訓練施設」

「大学校(だいがっこう)」とは、学校教育法第一条に制定されている「大学」と異なる教育訓練施設などが使用する名称のことです。

日本の法令には「大学校」という名称を用いる特別な制限はなく、教育訓練の内容に対する規定や法令も存在しません。そのため、比較的に自由に「〇〇大学校」というように使うことができます。

「大学校」と「短期大学校」がある

「大学校」という名称区分には「大学校」と「短期大学校」があります。大学校は主に4年制で短期大学校は2年制が多いですが、大学校でも2年制のところもあります。

加えて「短期大学校」に類似した教育訓練施設に「高等技能校」や「高等看護学院」などの分類も存在します。

「大学校」の教育内容は通常「大学・大学院に相当」

「大学校」で行なわれる教育・授業内容は、通常、一般的な大学や大学院に相当すると認められています。そして、大学校での履修過程を修了すると「学位」の取得ができます。例外として「〇〇大学校」と名乗る教育訓練施設でも、学位取得ができないところがありますので、下記で挙げてみます。

学位取得不可の施設
  • 高等教育に該当する教育施設
  • 独立行政法人が設置する教育施設
  • 地方公共団体が開催する市民大学講座

「大学校」の学歴扱いはどうなる?

学歴は「大学校」の性質によって異なる

「大学校」は大学校の異なる教育訓練施設に対して、一定の規定なく自由に用いる名称です。そのため、学歴を「大卒(学士)」と扱う場合、「短大卒(準学士)」と扱う場合、また「専門学校卒(専門士)」と扱う場合と、大学校の性質によって異なります。一般的に「〇〇専門大学校」という名称の教育施設では「専門士」が取得できる場合がほとんどです。

警察学校や航空大学校などは「学位は取得できない」

たとえば、防衛省が管轄する「防衛大学校」や、厚生労働省が管轄する「国立看護大学校」などは「大卒」扱いになるため「学士」を得ることができます。

しかし、公務員の研修施設として成り立つ施設や一部の独立法人・役所が管轄する施設、例として「航空大学校」「警察大学校」「自治大学校」「消防大学校」などの場合は、学位の取得はできません。「大学院という名称がついるから学位が取得できると思った」と後々後悔しないように、この部分はしっかり把握しておきましょう。

学位取得ができる「大学校」と偏差値は?

「学士」が取得できる4年生の大学校と偏差値

大学校名偏差値管轄
防衛大学校70防衛省
防衛医科大学校74防衛省
海上保安大学校63海上保安庁
気象大学校73気象庁
国立看護大学校63国立研究開発法人
水産大学校55国立研究開発法人
職業能力開発総合大学校48独立行政法人

引用元:マナビジョン https://manabi.benesse.ne.jp/hensachi/daigakko_index.html

選択するコースによっては「修士」まで取得できる場合もあります。また、試験科目も大学校でそれぞれ異なるため、こちらも確認をするようにして下さい。

「大学校」の3つの魅力とは?

「大学校」は全国に点在している

「大学校」や「短期大学校」は、東京を中心に全国各地に点在しています。もちろん、防衛大学や水産大学のように、一定の省庁が管轄している大学校は別ですが、独立行政法人や役所が管轄している大学校なら、お住いの地域に一つはあるはずです。しかし、自分が希望する大学校がない場合は、近県にある大学校を選択肢に入れたり、寮を併設している大学校を選ぶのも良いでしょう。

「大学校」では給料が支給される

「大学校」の中には、入学と同時に「国家公務員」としての資格が与えられるため、学業と平行して「給料」がもらえるところもあります。下記で該当の大学校を挙げてみましょう。

給料が出る大学校
  • 防衛大学校
  • 防衛医科大学校
  • 気象大学校
  • 航空保安大学校
  • 海上保安大学校

これらの大学校では厳しい規定や罰則などを儲けていることが多いです。しかし、社会人として給料をもらって学業を修めるというミッションがあるため、日々の行動に対してフォーカスした学生が多いです。

制服のある「大学校」もある

「大学校」の中には制服の着用義務があるところもあります。有名なのは「防衛大学校」「海上保安大学校」「水産大学校」などで、それぞれの大学校が持つカラーに合わせた制服を着用します。

街中で勇敢に歩いている姿を見かけることもあるでしょう。制服を着用して身を引き締めて学問にはげみたい人には、入学へのモチベーションにつながります。

まとめ

「大学校」とは基本的には「大学・大学院」に相当する教育訓練施設として存在していますが、「修士」を含む「学士」「準学士」などの学位が取得できるかどうか、また偏差値の高低は「大学校」によって異なります。

加えて、公務員を訓練する施設として設ける「大学校」では、学位の取得はできません。しかしながら、プロとして技術と知識を学べる環境にあること、職業に密接したカリキュラムが組まれていることなど、魅力はたくさんあります。

一般的な大学の他、こういった「大学校」も視野に入れながら、将来の展望を膨らませていきましょう。