「惰性」の正しい意味は?例文を使って類語や対義語を紹介

日常で「惰性で~する」と、溜め息交じりに話をすることはありませんか?「惰性」は親しみのある言葉ですが、正しい意味を理解せずに使ってしまうこともあるでしょう。

今回は「惰性」です。さっそく「惰性」の意味と使い方を中心に、類義語や対義語、また「慣性」との意味の違いについても触れながら紹介します。

「惰性」の読み方と意味は?

はじめに「惰性」の読み方と意味を解説します。

「惰性」の読み方は「だせい」

「惰性」は「だせい」と読みます。「惰性」の「惰=だ」は「だらける」「おこたる」の意味を持つ言葉で、「性=せい」には「生まれながらにもつ性質」「生まれつき備わるもの」「さが」の意味があります。

また「惰性」の「惰」にはもともと「そのままの勢いで転がり落ちる」という意味もあり、その状況を想像すれば「惰性」のニュアンスは伝わってくるかもしれません。

「惰性」の意味は「習慣」「勢い」

「惰性的に生きる」「惰性でつきあう」などのように使われますが、「惰性」には「今まで続きてきた習慣」「ものごとに対する勢い」という意味があります。

「惰性」はものごとに対し自分から意思を持って取り組むのではなく「癖や習慣、勢いだけで進むこと」を指しています。持ち前の癖や習慣的に行っていることは、無意識のうちに何となくできるものです。つまり「努力をすることもなく、純粋に、さがに従って取り組むこと」を表現しているのです。

たとえば「惰性的に」を例にとると「ダラダラと」「漠然と」、「惰性で生きる」は「ダラダラと生きる」「漠然と生きる」という意味になります。

「惰性」を使った熟語例文

続いて「惰性」を使った例文をみてみましょう。

惰性で~する

「ダラダラと」「漠然と」何かをする様子を表す時に使われます。

  • 現在の仕事はほとんど惰性で続けているようなものだ。
  • 彼女と惰性で付き合うなら、考え直したほうがよいのではないか。
  • ミーティングでは惰性で発言している社員の光景が目立った。

惰性的

「習慣や癖に従って、何となく」という意味のニュアンスで使われます。

  • 営業戦略を考える場面で、惰性的な意見は必要ないだろう。
  • 惰性的に行動しているだけでは、前に進むことはできない。
  • 彼の生き方は惰性的だが、ある意味気楽で良さそうだ。

惰性の流れで

「ダラダラとした状況に沿って」「漠然とした流れの中で」という意味で使われます。

  • 惰性の流れで「OK」の返事をしてしまった。
  • 今の時代は、結婚も惰性の流れでしてもよいのではないか。
  • 人間は惰性の流れがあるからこそ、自然に生きていけるものなのかもしれない。

「惰性」の類語と対義語は?

続いて「惰性」の類語と対義語についてみてみましょう。似たことば「慣性」との意味の違いを含めて説明します。

「慣性」との違いは「物質的」

「惰性」と似た言葉に「慣性=かんせい」があります。辞書を見ても「同義語」として説明されていますが、「惰性」とはニュアンスや使い方において異なる点があることに注目してみましょう。

そもそも「慣性」は「外から力を受けた際に、現在の状態を維持しようと、変化に対して抵抗をする性質」を指しています。つまり「外力が加えられなければ、そのまま同じ速度や状態を保つ性質」ということです

また「惰性」は「人の感情や感覚」などに対して使われますが、「慣性」の場合は「機械的な動きや物質の状態」を表現するときに使われます。「ダラダラと」「漠然と」に当てはまる状況の場合は「惰性」を選ぶようにし、「慣性」との使い分けを正しく行っていきましょう。

「惰性」の類語は「慣性」「因習」

「惰性」の類語は「惰性」になりますが「特定の習慣や癖」という意義から捉えるなら「因習」「流儀」「式列」「仕来り」「習わし」「慣習」などが挙げられます。

  • 惰性で生きていく
  • 慣性に従って生きていく
  • 流儀に沿って生きていく
  • 仕来りを重んじ生きていく
  • 因習に逆らわず生きていく

「惰性」の対義語は基本的にない

「惰性」に対し正反対の意味を表す言葉はおそらく存在しないと考えられます。しかし「惰性的」という言葉で捉えるなら「意欲的」「積極的」「精力的」など、自分の意思を掲げ、モチベーションを高めて行動するという意味で当てはまると考えれるでしょう。

  • 惰性で生きるよりも、意欲的に積極的にものごとにチャレンジしていこうではないか。

「惰性」を英語で表現しみよう

国際化を受けて英語への必要性も出てきています。「惰性」を英語で表現し、「人の生き方」についても語り合ってみましょう。

「惰性」は「inertia」

「惰性」を物理的な観点から訳すなら「inertia」です。しかし、ビジネスシーンでは特定のワーク・フィールドのみで使われる単語になるため実用的だとは言えません。

日常的な会話で使うなら「out of habit(習慣で)」「automatically(自然に)」「unthinkingly(何も考えずに)」などのほうが自然でしょう。

「惰性」を使った英語例文

「惰性」はこのように使います。例文を挙げてみましょう。

  • I am sure I smoke almost out of habit.
    ほとんど惰性でタバコを吸っているようなものだ。
  • She is one of typical role model that is acting unthinkingly.
    彼女は惰性で行動している典型的な例だ。

まとめ

「惰性」は「惰性で生きる」を例に、あまりよいニュアンスを生み出すことができない言葉であるかもしれません。しかし、「無理をしない生き方」と肯定的に理解すれば、「惰性」は個人の持つ感情や感性に背くことなく自然に生きる姿とも言えるのではないでしょうか?

まとめとして、「惰性」は「習慣」や「勢い」を指す言葉で、「ダラダラと」「漠然と」という意味があります。「惰性で~する」「惰性的」などの熟語として日常的に使われますが、同義語である「慣性」とは使い方において異なる点があるため意識して言葉を選ぶようにしましょう。