「伴い」という言葉は、「それに伴い」などビジネスシーンでも日常会話でも見聞きする機会の多い表現です。読み方は「ともない」で、「ある事柄と一緒に」や「同時に」というニュアンスを持ちます。
この記事では「伴い」の意味や使い方と例文、類語や言い換え表現について解説します。英語表現についても紹介しましょう。
「伴い」の意味とは?
「伴い」の意味は「一緒に・同時に」
「伴い」は、動詞である「伴う」の連用形です。これは「一緒に」や「同時に」などの意味を持つ言葉。人に対して「一緒に行動するようす」や、事柄に対して「ある事柄と一緒に別の出来事がおきるようす」など、人や事柄のようすに対して使います。
「伴い」の読み方は「ともない」
「伴い」の読み方は「ともない」です。表記については、「伴い」と漢字で書くこともありますが、「○○にともない」といったようにひらがなで書く場合もあります。ひらがなの「ともない」でも辞書に載っていて、意味も同じですので、どちらを使っても問題はありません。
「伴い」の使い方と例文
目上の人に使う場合は「伴いまして」
「伴い」はビジネスシーンでもよく使います。やや硬い表現ですが「伴い」自体は敬語ではありません。そのため、上司や取引先など目上の人に使う場合には、語尾に「ます」などをつけて「伴います」や「伴いまして」などの丁寧語表現にすると良いでしょう。
「それに伴い」という言い回し
「伴い」を使う場合、「それに伴い」という言い回しをよく使います。接続語である「それ」がさす事柄に対し、関連して一緒に別のこともおきるという意味で、「転居します。それに伴い電話番号も変更になりました」などと使用します。
「伴い」を使った例文
- オフィスの移転に伴い、社名が新しく変わりました。
- 業務拡張に伴い利益が増大した。
- 韓国スイーツのブームに伴い、韓国語を習う人が増えたそうだ。
- グループ会社への出向に伴いまして転居致しましたので連絡いたします。
- 明日は臨時休業します。それに伴いお問い合わせメールの返信もお休みさせていだだきます。
「伴い」の類語や言い換え表現は?
「連れ立って」は「複数で行動をともにする」こと
「連れ立って(つれだって)」とは、「二人以上で一緒に行動をするようす」を表す言葉です。同じ目的を持って複数名でどこかへ出かけたり行動したりするときに、「彼らは連れ立って歩いた」などと使用します。
「伴い」は一緒に行動する場合に「部下を伴い出張する」などと使いますが、人に対する事柄以外にも使います。それに対し、「連れ立って」は人を伴うようすのみに使う言葉。そのため、人に対する事柄の場合は「伴い」を「連れ立って」に言い換えることも可能です。
- お昼になったので、仲の良い同僚たちと連れ立ってランチに出かけた。
- 私だけが反対方向のため、友人たちが連れ立って帰るのを見送りました。
「添えて」は「一緒におく・そばにつけて」
「添えて(そえて)」とは、「一緒におく」や「そばにつけて」という意味の言葉。「伴い」と同じく、「添えて」は動詞である「添える」の連用形です。主となるものがあり補助的に何かを付け加える場合に、「添えて(添える)」を使います。
「伴い」はある事柄に対して「一緒に」や「同時に」というニュアンスですが、「添えて」は主となる事柄や物事に対しての「補助としてつける」というニュアンスです。
- 誕生日プレゼントに添えてメッセージカードも贈りました。
- 食器など食べるものに左手を添えて食べるのがマナーです。
「同時に」は「それと一緒に」「それとともに」
「同時に(どうじに)」とは、「それと一緒に」や「それとともに」という意味です。二つ以上の物事が同じタイミングで起きたり行動したりすることを表し、「彼と同時に走り出した」などと使います。
「伴い」と「同時に」はほぼ同じような意味合いのため、言い換え表現としても使えます。しかし「伴い」はやや硬い表現になるため、日常会話では「同時に」を用いた方が良いでしょう。
- 彼女たちは席に着くと同時にしゃべり始めた。
- 電車が動き出すと同時に彼らはスマートフォンを触り始める。
「伴い」の英語表現は?
「伴い」は英語で「accordingly」「accompany」
「伴い」の英語表現は、「accordingly」や「accompany」が当てはまります。「accordingly」は「したがって」や「それによって」というニュアンスを持ち、「accompany」は「同行する」「同伴する」というニュアンスがあります。
また、「~と一緒に」や「~に加え」というニュアンスの「along with」も「伴い」という意味として使えるフレーズです。「ともに」というニュアンスの「with」も「伴い」という意味といて使えます。
まとめ
「伴い(ともない)」は「伴う」の連用形であり、「一緒に行動するようす」や「ある物事と一緒に別の物事がおきるようす」を表す言葉。類語である「連れ立って」や「同時に」は、場合によっては言い換えて使うことも可能です。
ビジネスシーンでも「それに伴い」などとよく使う言葉ですが、目上の人に対しては語尾に丁寧語である「ます」などをつけ「伴いまして」や「伴います」とすると良いでしょう。