「当てこすり」の意味と語源とは?使われる状況と例文と類語も解説

「当てこすり(あてこすり)」を周囲にされると、何だか嫌な気分になりませんか?「当てこすり」は悪口や避難といったニュアンスで使うことが多いですが、「当てこすり」をされると一日どんよりとしてしまいますよね。

ここでは「当てこすり」の意味と語源のほか、「当てこすり」が使われる状況や例文を挙げてご紹介します。

「当てこすり」の意味と語源とは?

「当てこすり」の意味は「遠回しの批判・当てつけ」

「当てこすり」はある事柄において、周囲や第三者が遠回しに批判すること、当てつけることを意味します。面と向かって物事の非が誰に依存しているのかを露骨に指摘するのではなく、遠回しに告げたり、他のことにかこつけ悪いことを言うことを「当てこすり」といいます。漢字では「当て擦り」と表記します。

「当てこすり」は、自分がそのように意図して言ったこと(行なったこと)ではないのに、周囲に「そういう意味でしょう」と言い当てつけられることを指すため、言った本人はきょとんとしてあっけにとられてしまうことがほとんどです。

また「当てこすり」は、受け手の解釈によっては「悪口」に映ってしまうため、嫌な感情が残るのが特徴となります。

「当てこすり」の語源は「当てる」「こする」?

「当てこすり」の語源は、残念ながら明らかではありません。しかし、「当てこすり」の言葉を分解して「当てる」「こする」の二つにしてみると、語源への筋道が見えてきます。

「当てる」とは「ボールを当てる」「力を当てる」というように、狙った場所に力を込めてぶつけるという意味があり、「こする」は「ガーゼでこする」「肌をこする」というように、「力を押し付けて繰り返し擦る」という意味があります。

つまり、「当てる」も「こする」も、力を入れて強引に物事を行うというニュアンスがあるため、「受け手には非がない、何とも押し付けがまかしい様子」という状況が想像できるでしょう。

「当てこすり」は英語で「be sarcastic to」

ちなみに「当てこすり」は難しく考えず「be sarcastic to(皮肉を言う)」を使えば良いでしょう。また、「She is hitting at me(これは彼女の私に対して当てつけだ)」と言うとよりネイティブに近くなります。

「当てこすり」が使われる状況と例文

職場で遠回しに仕事のミスを批判された時

複雑な職場関係では「文句や批判をしたいけど、面と向かって言えない」という状況は数多く存在します。表面上は仲の良い同僚や後輩でも、心の中では「言いたいけど、言えない」ことがたくさんあるでしょう。

たとえば、職場で改善が可能なほんの小さなミスをしてしまった時に、上司から遠回しに「君のミスのせいじゃないけど、あれがなければ、私の契約もトントン拍子で進んだかもな」などと言われたとしたら、これは非常にぶしつけな「当てこすり」と解釈できます。

例文
  • 部長が私のミスを批判しているみたいだけど、全くの当てこすりだ。
  • 当てこすりもいいところだ。結果的に契約をとるのは部長なのに。

とつぜん関係のない批判を持ち出された時

「当てこすり」が使われるのはビジネスだけに限らず、友人や家族内でもよくあることです。

たとえば、親が子供の就職状況について頭を悩ませている時、子供は一生懸命に仕事を探しているにも関わらず、「ご近所さんは、もう就職が決まったみたいだけど、やっぱり努力の差かしら?」と話しているとしますこれは、子供にとっては「当てこすり」に聞こえるでしょう。

また、職場では成績が思わしくない部下に「優秀な新人社員が入ってきたが、今月の成績は何だ!」と、優秀な新人にかこつけて、とつぜん自分の成績の悪さを批判されたら、これはれっきとした「当てこすり」です。

例文
  • 早く就職を決めてこいと言いたのか?当てこすりにも程があるよ。
  • 優秀な新人が入社してきたことと僕の成績は関係ない。明らかに当てこすりだよな。

「当てこすり」の類語とは?

「当てつけ」は「婉曲した相手への皮肉や非難」

「当てつけ」は相手へ遠回しに皮肉や非難をすることや、相手が気に障ることを他の言葉や行動に変えて示すことをいいます。「当てつけ」は「当てる」と「付ける」を組み合わせた言葉で、「当てる」と「擦る」の意味を持つ「当てこすり」とほぼ同義語となります。

ニュアンス的な若干の違いを挙げるなら、「当てこすり」の方が「ネチネチとした嫌味さ」が含まれている点でしょう。

例文
  • 風邪で会社を早退した。でも部長の機嫌を損ねたと非難されるのは当てつけだ。
  • 当て付けもいいとこだ。発送遅れは配送会社が営業所の振り分けを間違えたからだぞ。

「嫌味」は「相手を不快にさせる言動のこと」

「嫌味」とは相手に不快な事を言ったり、嫌な気持ちにさせる行動をすることを指します。つまり、非の無い相手に当てつけや皮肉をぶつけたりすることが「嫌味」です。

「当てこすり」との意味の違いは、「嫌味」には「当たり前のことを言い放って、気取る様子」「いやらしく振舞うこと」という意味がある点です。たとえば、「嫌味」は「紳士気取りで嫌味ったらしい」というようにも使われますが、「当てこすり」にはそのニュアンスがありません。

例文
  • 彼女の所感では、組み合いに対する嫌味がつらつらと続いた。
  • 嫌味を言ったつもりはないのに、彼に誤解を受けてしまった。

まとめ

「当てこすり(あてこすり)」は「遠回しに批判や悪口を言うこと」「他にかこつけて皮肉めいたことを言うこと」という意味があります。

「当てこすり」をされて喜ぶ人はおそらくいないと思います。しかし、複雑な職場環境や友人関係などでは、理由もなく他にかこつけて自分が悪者になったり、非を背負うこともあるでしょう。自分に非がある場合は改善するに努め、また単なる言いがかりであれば、自分が正しいことを伝えることも大切なのかもしれませんね。