「燎原の火」の意味とは?「燎原の火のように広がる」等の使い方も

「燎原の火(燎原之火)」という熟語表現がありますが、一体どのような火を表しているのでしょうか?「燎原の火のように広がる」や「まるで燎原之火のようだ」というように使われますが、社会人としてはしっかり意味を把握しておきたいものです。

ここでは「燎原の火」の意味と語源をはじめ、よく使う言い回しや例文などを中心にご紹介します。

「燎原の火」の意味と語源とは?

「燎原の火」の意味は「瞬く間に広がる火のこと」

「燎原の火」とは「激しい勢いで瞬く間に広がる火」を意味します。凄まじい速さで燃える防ぎようない火、勢いを止めることができないほど盛んな火が「燎原の火」となります。

「燎原の火」は、炎が高く上がり燃え広がり方が強烈なのが特徴です。もともと「燎原」には「原っぱを焼く」という意味があり、「燎原の火」で一気に広範囲まで燃え広がる様子をたとえた言葉として使われるようになりました。

日本でも栽培の時期が訪れる前に、田畑に火をつけて「野を焼く」習慣がありますが、「野焼き」は枯れている草木や必要のない雑草などを焼いて、土壌を洗浄することを目的としています。その火の勢いたるやは、驚異的とも言えるでしょう。

「燎原の火」の語源は「書経」の一説

「燎原の火」は中国古代の歴史書「書経(しょきょう)」を語源に持ちます。この中に「野原の火が凄まじく燃え広がるかのごとく、近寄ることも火を消すことも出来ない」ことを述べた一説があります。物事が音を立てて進み、もはや止めることも防ぐこともできないことを比喩した部分で、手が付けられない状況に立往生している様子が見受けられます。

「燎原の火」は英語で「spread like wildfire」

「燎原の火」を直訳して「spread like wildfire(野火のように広まる)」としても意味は通じますが、シンプルに「spread rapidly(急激に広がる)」や「spread quickly(早く広まる)と表現してもいいでしょう。

「燎原の火」の使い方と例文

「燎原の火」は良い意味・悪い意味の両方で使われる

「燎原の火」とは、激しい勢いを伴って野原を焼きつくす火を表しますが、意味の軸となる部分は「手の施しようのないほどの勢いと早さ」です。そのため、悪い意味のみならず、良い意味でも使うことができます。下記で「良い意味」と「悪い意味」で用いられた例文を挙げてみましょう。

例文

良い意味:彼のデビュー作は、まるで燎原の火のごとくヒットした。
悪い意味:犯人逮捕の一報は、燎原の火のように国内に広まった。

このように、文章の内容が良い場合も、悪い場合も「物事のスピードが猛烈に早く、止めることができない状況」であれば、どちらの場合でも使うことができます。

「燎原の火のように広がる」は最もよく使う言い回し

「燎原の火」でよく使われる言い回し「燎原の火のように広がる」です。物事や状況が勢いよく悪い方向へ進んでしまい、もはや手が付けられない状況で一般的に広く使われています。

たとえば、商品に不具合があり、販売元に対して良くない評判が出始めたとします。しかし、悪い噂というものは猛ダッシュで進んでしまうもので、一気に商品の売れ行きが落ち込んでしまいました。こういった状況をなら「悪い噂が燎原の火のように広がった」と言い表すことができます。

また、風邪の流行を「燎原の火ように広がる」を使って表すこともできるでしょう。

例文
  • 課長が支店に左遷させられるという噂は、まるで燎原の火ように広がった。
  • 一定の地域では、インフルエンザが燎原の火のように広がった。

「燎原の火」の類語とは?

「燎原の火」の類語は「猛火のように」「烈火のごとく」

「燎原の火」は野原を激走する火のことを比喩的に表した言葉です。そのため、勢いのすさまじさを表す言葉としては「猛火のように」や「烈火のごとく」などが挙げられます。意味的にはどれもほぼ同じですが、「燎原の火」は比喩的な要素が強く、想像を掻き立てる効果が期待できます。下記で言い換えの例文を挙げてみます。

例文
  • 立ち上げたベンチャー企業は、燎原の火のように軌道に乗った。
  • 立ち上げたベンチャー企業は、猛火のように軌道に乗った。
  • 立ち上げたベンチャー企業は、烈火のごとく軌道に乗った。

「悪事は千里を走る」は「悪い噂はとても早く伝わる」

「悪事は千里を走る」とは、悪い噂や情報というものは非常に早く伝わってしまう、という意味があります。このことわざは、人々の本音や本当に興味のあるのは「悪い噂」で、良い噂は皮肉ながら伝わりにくいということをたとえています。

「燎原の火」が持つ「激しく進む状況を止めらることができない」という点では類語となりますが、「悪事千里を走る」は言葉通り、悪い事柄だけを対象とする言葉となるため、その点では「燎原の火」の使い方とは一部異なります。

例文
  • 支店で起きた悪事は本社の人にも筒抜けだ。悪事は千里を走るっていうからね。
  • 悪事は千里を走るというように、会社が倒産危機にあることはすでに知っていた。

まとめ

「燎原の火」とは「書経」を語源に持つ言葉で「原っぱを焼き尽くす激しい火」をたとえて「もはや勢いが止められない状況でること」「メラメラと激しいスピードで進み手が付けられないこと」という意味で使われています。マンネリな会話から脱出するためにも、状況をより鮮明に掻き立てる意図で文章に用いてみましょう。