「万感の思い」の意味と使い方とは?例文や類語・類義語も解説

「万感の思い」とは、さまざまな思いや感情が心にひろがるようすを表現する言葉です。卒業式など人生の節目のような式典でのスピーチでもよく使われます。

今回は「万感の思い」の意味や使い方の他に、類語・類義語との違いについて例文をあげて解説。英語での表現に使えるフレーズについても紹介します。

「万感の思い」の意味とは?

「万感の思い」の意味は「さまざまな感情がひろがること」

「万感の思い」とは「ばんかんのおもい」と読み、「心の中にさまざまな感情や気持ちが浮かびひろがるようす」を表します。「

きっかけとなる事柄などがあり、それに対して心の中にさまざまな気持ちや思いがひろがっているようすをひと言で表現するのが「万感の思い」という言葉です。

「万感の思い」の漢字が表す意味

「万感の思い」の「万感」とは「心の中にひろがるさまざまな気持ち」のこと。「万」は「量が多い」ことを表し、「感」は「心の動きや感情」を表します。

「万感の思い」の使い方と例文

「万感の思い」は卒業式など人生の節目で使える

「万感の思い」で表現する感情や気持ちには、喜びや嬉しいという感情はもちろん、苦しみや悲しいことなどさまざまな感情が含まれます。

そのため卒業式や結婚式のような、その日を迎えるまでのさまざまな気持ちを思い返すことの多い人生の節目となる場面で使うのにふさわしい言葉です。ややかしこまった言い回しのため日常会話ではあまり使いませんが、式典のスピーチなどで「この日を迎えられて万感の思いです」などと使うと良いでしょう。

さまざまな感情を一度に表現したい場面でも使う

「万感の思い」という言葉は、さまざまな感情が一度にあふれるようすを表現します。

職人や物づくりをしている人が、苦労して練習や訓練の日々を重ね作り上げた作品が高い評価を得た時なども「万感の思い」という言葉を使うのにふさわしい場面です。それまで自分が頑張った日々を思い返し「高い評価をいただき万感の思いです」などと使うことで、「大変だったけれど苦労が報われてとてもうれしい」という気持ちが同時に伝わります。かしこまった言い回しのため、お礼状などの文章にも使える言葉です。

「万感の思いに浸る」「万感の思いを込めて」など使い方の例文

  • いろいろなことがあったが、無事に卒業式を迎えることができて万感の思いです。
  • 娘の結婚式に参列し、万感の思いに浸る。
  • ここまで育ててくれた両親に、万感の思いを込めて感謝の手紙を読み上げた。
  • 万感の思いを胸に旅立つ卒業生たち。

「万感の思い」の類語・類義語とは?

「溢れる思い」は「さまざまな気持ちで溢れること」

「溢れる思い(あふれるおもい)」とは、「物事に対し心にさまざまな気持ちがわいて溢れるようす」を表す言葉。「溢れる」には「いっぱいになりあふれる」や「あふれるほどの量」という意味があります。さまざまな気持ちでいっぱいになるようすやもちろん、ひとつの感情でいっぱいになっている場合も「彼への溢れる思いを伝えたい」などと使うことが可能です。

「万感の思い」の「さまざまな感情や思いが心にひろがるようす」と同じような意味ですが、「万感の思い」は「さまざまな感情」を表現するのに対し、「溢れる思い」はひとつの感情がいっぱいになっているようすでも使うことができるのが特徴です。

例文

彼への溢れる思いを言葉にしようと思うが難しい。

「感無量」は「深い感情で胸がいっぱいなこと」

「感無量(かんむりょう)」とは、「深い感情で胸がいっぱいになるようす」を表す言葉。ある物事や事柄に対し大きく気持ちが動くようすであり、心に深く感じたりしみじみと思ったりするようすを「感無量」と表現します。

「万感の思い」はさまざまな感情が入り混じって心に広がるようすを表すのに対し、「感無量」は、どちらかというと嬉しい気持ちが心に深くしみじみと広がるようすを表します。

例文
  • このような晴れ晴れしい席に招待していただき感無量です。
  • まさか優勝するなんて感無量だ。

「万感の思い」の英語表現は?

「万感の思い」は英語で「thousands of thoughts」

「万感の思い」を英語で表現するには、「たくさんの思い」や「たくさんの考えたこと」というニュアンスのフレーズ「thousands of thoughts」が当てはまります。

「thousands」には「千」という数を意味することから「たくさんの量」を表し、「thoughts」は「思うこと」や「考えたこと」を表す「thought」の複数形です。

まとめ

「万感の思い」とは、「心の中にさまざまな思いや気持ちがひろがるようす」を表す言葉です。嬉しい気持ちや楽しい気持ちはもちろん、悲しい思いをしたことや苦労したことなど、さまざまな思いが一瞬にして心の中にひろがるようすを表現します。卒業式や結婚式などの人生の節目の時など、さまざまな感情や気持ちが交差する胸の内を表現するのにふさわしい言い回しでしょう。

日常会話ではあまり使いませんが、あらたまった席でのスピーチやお礼の手紙などで使用するのにも適した言葉です。