「後期高齢者医療制度の保険料」はいくら?計算方法や保険料率も

75歳になると加入する「後期高齢者医療制度」については、被用者保険や国民健康保険に加入している現役世代は知らないことが多いのではないでしょうか。

この記事では、後期高齢者医療制度における保険料はいくらになるのか、またいつから支払うのかに的を絞って、保険料率の計算方法や支払い方法もあわせて解説します。年金受給者の扱いについても解説しています。

「後期高齢者医療制度」保険料の計算方法は?

保険料は「均等割額」と「所得割額」の合計

後期高齢者医療制度の保険料は、被保険者全員が均等に負担する「均等割額」と、被保険者の所得に応じて負担する「所得割額」の合計額です。

後期高齢者医療制度の保険料の計算式

保険料額=被保険者均等割額(応益負担分)+所得割額(応能負担分)

保険料は「応益負担」「応能負担」を組み合わせたもの

後期高齢者医療制度の保険料は、「応益負担」「応能負担」の両方を取り入れ、組み合わせたものです。

「応益負担」とは、その人の所得に関係なく「受ける利益に応じた負担をする」という考え方をいいます。医療や介護などの福祉サービスにおいて、所得に関係なく受けたサービスの内容に応じて対価を支払う応益負担が広く行われています。その一方で、「その人の所得に応じた負担をする」という考え方は「応能負担」と呼ばれ、住民税や介護保険などが代表的なものです。

応益負担の被保険者均等割額にも、所得の低い世帯(被保険者と世帯主の所得の合計で判定)に属する人の軽減措置が取られており、9割から2割の軽減がなされます。さらに、所得の高い人の負担が重くなりすぎないように、年間の限度額も設けられています。

「保険料率」は広域連合ごとに設定

「均等割額」と、「所得割額」を定めるための所得割率は、各都道府県に設置されている広域連合ごとに決定されます。保険料率は、各広域連合における財政運営の中で設定された医療給付費をまかなえるように設定され、改定は2年に一度行われます。所得割額は基礎控除後の総所得金額に所得割率を掛けたものです。

参考までに、令和2~3年度の東京都の「均等割額」は1人44,100円、千葉県は43,400円で、「所得割額」を決定するための所得割率は東京都が8.72%、千葉県が8.39%です。保険料の年間賦課限度額は全国一律で64万円(令和2年度)です。

なお、後期高齢者の1人当たりの医療給付費の増加等にともない、被保険者が支払う保険料は年々増加しています。

「広域連合」とは行政サービスを共同で行う特別地方公共団体

広域連合とは、特別地方公共団体の一つで、都道府県の区域を単位として、行政サービスの一部を共同で行うことを目的とする組織です。

後期高齢者医療制度に関する事務は、都道府県ごとにすべての市区町村で構成される広域連合が行うものと法律で定められています。

保険料はひとりひとりの所得により異なるため、詳細はお住まいの各都道府県の広域連合、または市区町村の窓口にて確認してください。

年金受給者と生活保護受給者の保険料はどうなる?

年金受給者も同様の計算方法で保険料が課される

所得が年金のみの年金受給者も、先に説明した計算方法で保険料が課されます。年金に関しての軽減措置等はありません。

年18万円以上の年金受給者は、保険料が年金から天引きされる

支払方法は年金から保険料を天引きする「特別徴収」と、納付書または口座振替の「普通徴収」の2種類があります。

特別徴収の対象者は年18万円以上の年金を受給し、かつ後期高齢者医療制度の保険料と介護保険料との合計が年金受給額の2分の1を超えない方です。特別徴収から普通徴収に変更することも可能です。

保険料の支払い時期は、特別徴収は年6回の年金から天引きされ、普通徴収の場合は年8回に分けて支払います。

生活保護受給者は制度から除外されている

生活保護受給者は、医療扶助から医療を受けるため、後期高齢者医療制度からは除外されています。従って保険料を納めることはありません。

 
 

「後期高齢者医療制度」の保険料はいつから支払う?

「75歳」を過ぎると自動的に後期高齢者医療制度に加入となる

75歳を過ぎると後期高齢者医療制度の対象者となり、後期高齢者医療制度に自動的に加入となります。75歳の誕生日当日が資格取得日です。年度の途中から加入となった場合は、加入した月からの月割計算が行われます。

75歳未満の人は、国民健康保険制度、協会管掌健康保険制度、健康保険組合、共済組合等のいずれかの医療制度に所属していますが、75歳を境にそれらの医療制度を脱退することになります。基本的には75歳以上の国民全員が、後期高齢者医療制度に統一されます。

寝たきり等の障がいのある人は「65歳」から加入できる

寝たきり等の障がいのある人は、後期高齢者医療制度に65歳以上から加入することができます。その場合もそれまでの医療制度を外れることになります。

個人単位の支払いが特徴

後期高齢者医療制度は、75歳以上の後期高齢者(寝たきり等の障がいのある65歳以上を含む)が加入する独立した医療制度で、個人単位で保険料を支払います。

そのため、保険料に「扶養」という概念はありません。つまり、家族の被扶養者として後期高齢者医療制度に加入するための制度や、後期高齢者医療制度の被保険者が他の家族の扶養者となる制度などはありません。

まとめ

後期高齢者医療制度の特徴は、それまで加入していた保険制度を外れ、別建ての制度に加入することになるという点です。加えて個人単位で被保険者となり、保険料を支払うという点があります(生活保護受給者は除外)。

ご自身の将来設計や、ご家族の加入に備えてポイントを抑えておきたい方のために、後期高齢者医療制度における保険料の計算方法や支払いについて基本的な内容を説明してきました。ひとりひとりの収入や状況によって保険料や支払い方法が異なるため、具体的な内容を知りたい方はお住まいの市区町村や、すでに保険証をお持ちの方は、記載されている後期高齢者医療広域連合まで問い合わせてみてください。