ルーチンの意味と使い方は?ルーチンワークの対義語や熟語表現も

仕事でチームをまとめる立場にいたり、部署で業務の管理をしている人は「ルーチン作業」「ルーチン化」などの言葉をよく使うと思います。この「ルーチン」という言葉には、もともとどのような意味があるのでしょうか?

今回は「ルーチン」についてです。さっそく、意味と使い方を中心に、ルーチンの熟語を含めて説明していきましょう。

「ルーチン」とは?

早速、「ルーチン」の意味と使い方についてみてみましょう。

意味は「決まり切ったものごと」

「ルーチン」の意味は、「決まり切った作業をすること」「型にはまった日々の行い」です。「定型業務」「パターン化された業務」を表現する時に使われる言葉です。つまり、ものごとを毎日同じ手順で繰り返し、一定の手順に従い作業を行う動作を指しています。

職場でよく見聞きする言葉の一つですが、「ルーチン」の対象となるものは仕事や業務だけではなく、「子供の寝かしつけ」「食事の時間」「お手伝いの習慣」などにも使われます。

また、IT分野ではコンピュータープログラムにおいて「正しい順序で並べられた1組の命令系列」のことも意味しています。

ルーチンは英語の「routine」

「ルーチン」は英語で「routine」と書きます。カタカナ語の「ルーチン」は英語での発音を日本語風にややアレンジされて誕生した言葉です。

日本語ではルーチンかルーティンか

前述したように、「ルーチン」は「routine」のカタカナ語ですが、英語の発音は「ルーティン」です。厳密に言うのなら「ルーティーン」が最も近い発音になりますが、カタカナ語においては「ルーチン」という言い方が根付いているのが実情です。

しかし、英語環境のある職場で働いていたり、英語を勉強している人は「ルーチン」という言い方にやや抵抗があるかもしれません。このような背景もあり、現在は「ルーチン」と「ルーティン」の両方が同じ意味として使われているようです。ちなみに、カタカナ語と英語の意味において、違いはほとんどありません。

「ルーチン」の使い方と例文

ルーチンの使い方と例文を挙げてみます。

  • ルーチンワークによってミスが減ることは会社にとってもプラスなことだ。
  • 毎朝、顧客からのメールを確認するのはルーチンの一つである。
  • 子供の就寝時間に対し、ルーチン化を徹底している。
  • ルーチン業務に、最近飽き飽きしてきた。
  • 学校から帰宅したら先に宿題を済ませるように、ルーチンを課している。

「ルーチン」がつく熟語とその意味は?

それでは「ルーチン」がつく熟語とその意味を説明しましょう。

ルーチン作業

「ルーチン作業」は職場でマニュアルに沿って、同じことを毎日繰り返して行う作業を指しています。たとえば、工場に勤務しているな「ラッピング作業」「箱付け作業」「仕分け作業」などです。

ルーチン業務

「ルーチン業務」は毎日決まって行う業務内容のことを指しています。たとえば「日誌の提出」「データ打ち込み」「顧客からの電話受け答え」など、日々繰り返される業務が「ルーチン業務」です。上司へのお茶出しもルーチン業務になるのでしょうか。

ルーチン化

「ルーチン化」は業務の流れを機械化、マニュアル化、またはパターン化することによって効率を上げようとすることを指します。仕事におけるルーチン化は「習慣化」とも言い換えることができますが、毎日同じ場所で同じ動作をすることで「社員の気持ちを安定させる」ことも期待できるでしょう。

また、決まった流れで業務を行うため「業務の精度が向上する」「ミスを防ぐことができる」「重い管理が必要ない」という会社側のメリットもあります。

仕事「ルーチンワーク」の対義語は?

「定型業務」「型にはまった日々の作業」の意味を持つ「ルーチン」に対義語はあるのでしょうか?「ルーチンワーク」を含めて考えてみましょう。

対義語①アドホック(ad hoc)

アドホック(ad hoc)は英語の「routine」の対極にあると考えられる言葉で、「その場しのぎの」「臨機応変にする」という意味があります。

ちなみに「アドホックネットワーク」は無線LANなどのインフラを使用せず、端末同士で接続をしてつなげるネットワークのことです。まさに「その場しのぎのネットワーク」という表現がピッタリと言えるでしょう。

対義語②非定型業務

「ルーチン」を定型業務と捉えるなら、対義語は「非定型業務」となるでしょう。非定型業務は仕事の流れがマニュアル化されておらず、自己判断や状況に応じで思考力を駆使しながら行っていく業務を指します。

たとえば、アイデアや発想が重要となる「企画」、相手の出方次第で戦略を変える「営業」、新しい事業をを立ち上げるための「開発」などです。

対義語③ケースワーク

ケースワークは克服が困難な課題や、自分と身の回りにトラブルを抱える人が社会復帰できるように、家族を含めて支援や援助をしていく社会福祉業務のことです。

ケースワークでは対象となる人がそれぞれ異なる問題を抱えているため、ケースバイケースで対応に当たる必要があります。そのため、ルーチンワークとは反対の性質を持つ業務形態と言えるでしょう。

まとめ

「ルーチン」は「同じ手順や方法で繰り返す動作」を意味し、職場では「ルーチンワーク」「ルーチン作業」「ルーチン業務」などというように使われています。

また、「ルーチン化」においては、就寝時間やお手伝いなど、家庭で子供に対し使われる「しつけ」の一つです。

「ルーチン」は英語の「routine」ですが、本来の発音は「ルーティン」または「ルーティーン」です。英語環境で仕事をする時は、発音を間違えないように気を付けましょう。