「履き違える」の意味や語源は?例文や類語との違いも解説

「履き違える」とは、意味や内容を間違って理解すること。ビジネスシーンで言葉の意味を履き違えると、周囲の人に失礼な態度を取ってしまうこともあります。

この記事では「履き違える」の意味や語源をはじめ、使い方と例文について解説します。加えて類語「取り違える」などとの違いや英語表現についても解説しましょう。

「履き違える」の意味や語源とは?

「履き違える」の意味は「物事を間違って理解すること」

「履き違える」とは、「物事の意味を取り違えたり、内容を間違って理解したりすること」です。物事の意味や考えを間違って把握している人に対して「彼は意味を履き違えている」などと表現します。

また、単純に履きものを履き間違えることをさして「履き違える」と言うこともあります。例えば、間違えて人の履きものを履いたり左右を逆に履いたりすることなどです。

「履き違える」の語源は「履きものを間違える」

「履き違える」の語源は、「履きものを履き間違える」こと。人の履きものを間違えて履くことから、物事の意味や内容を間違って理解したりするという比喩表現として「履き違える」という言葉を使うようになったとされています。

「履き違える」の使い方や例文

「言葉を履き違える」「立場を履き違える」と使う

「履き違える」は「意味や内容を間違って理解する」という意味ですが、前に名詞をつけて使うことで、具体的に何を「履き違える」のかが明確になるような使い方をします。

「言葉を履き違える」や「立場を履き違える」など、前に名詞をつけることで何を履き違えるのかを表現します。また、何を履き違えるのかを明確にしているという意味では、「意味を履き違える」も間違った使い方ではありません。

ビジネスで「履き違える」と失礼になることも

ビジネスシーンで言葉の意味を「履き違える」と、ミスやトラブルの原因になることがあります。

たとえば、仕事をする上でうまくいかないことやミスの解決策をスムーズに見つけるのは社会人として必要なスキルです。しかし、「解決策をスムーズに見つける」を「相談せず自分で解決する」という意味に履き違えたとします。その場合、大きなミスを抱えた場合に自分ひとりで解決しようとすることで、後から重大なトラブルを引き起こすことにもなりかねません。

また、職場の飲み会で「無礼講」と言われることがあります。「役職の上下を忘れて宴会を楽しむ」という意味の「無礼講」ですが、最低限のマナーは守る必要があります。しかし、その意味を履き違えて失礼な態度を取ってしまうと、後で痛い目にあうこともあるでしょう。

このように、ビジネスシーンでは特にミスやトラブルのもとになりかねませんので、言葉の意味を履き違えることのないように注意が必要です。

「履き違える」を使った例文

  • 言葉の意味を履き違えると、後で困ることになるよ。
  • 無礼講の意味を履き違えて飲み会で大騒ぎしたら、後で怒られてしまった。
  • 安全と安心を履き違えると大きなトラブルになりかねない。
  • 周囲に迷惑をかける彼らは、自由の意味を履き違えているようだ。

「履き違える」の類語・類義語は?

「取り違える」は「意味を間違えて理解すること」

「取り違える(とりちがえる)」のひとつ目の意味は「内容や意味を間違えて理解することや違った意味として取ること」です。相手の言いたいことや話の内容を間違って理解してしまうことを「彼は話の意味を取り違えた」などと表現します。また、ふたつ目の意味として単純に物や人などを別の物や人と間違えることも「取り違える」と言います。

ひとつ目の意味の「取り違える」は「履き違える」とほぼ同じ意味であり、言い換えとして使うことも可能です。

例文
  • 言葉の意味を取り違えると大変だ。
  • 私は、君の話した内容を取り違えていたようだ。

「勘違い」は「物事を間違って認識すること」

「勘違い(かんちがい)」とは、「物事を間違って認識したり間違った意味で思い込んだりすること」です。約束した曜日を間違えたり、郵送するように頼まれたのにメールで送付してしまったりなど、うっかりしてしまったミスなどを「勘違い」と言います。

物事の意味を取り違えたり、内容を間違って理解したりすること

「履き違える」とは「物事の意味などを間違って覚えたり理解すること」であるのに対し、「勘違い」は「思い違いをしたり間違って思い込んだりすること」を言います。

例文
  • 彼との待ち合わせ場所を勘違いしていたが、何とか会うことができた。
  • 出張の日程を勘違いしてアポを取っていたので、慌てて訪問先に連絡をした。

「誤解」は「意味を間違って解釈すること」

「誤解(ごかい)」とは、「物事や言葉について内容や意味を間違って解釈すること」です。相手の言葉の意味を誤って理解したり思い違いをしたりする状態を「彼は誤解している」などと表現します。

「履き違える」とはほぼ同じ意味ですが、「誤解」は悪い意味に解釈していることをさすことが多く、本来の意図が伝わらないような場合に使います。

例文
  • 彼は私の言葉の意味を誤解しているようだ。
  • メールだと誤解されるかもしれないので、面と向かって謝罪しようと思う。

「履き違える」の英語表現は?

「履き違える」は英語で「misunderstand」

「履き違える」を英語で表現するには、「誤解する」や「勘違い」という意味の「misunderstand」が使用できます。また、「have got the wrong idea」というフレーズは「間違った考えだ」や「勘違いしている」という意味であり、「履き違える」という意味で使えるフレーズです。

「履き違える」を使った英語の例文

  • misunderstand the meaning of freedom(自由の意味を履き違える)
  • You‘ve got the wrong idea(あなたは履き違えています)

まとめ

「履き違える」とは、「物事の意味を取り違えたり、内容を間違って把握したりすること」をさす言葉です。「言葉を履き違える」や「立場を履き違える」などと使い、物事の意味や考えを間違って把握していることを表現します。

類語の「取り違える」や「勘違い」などもほぼ同じ意味の言葉のため、言い換えも可能です。