「お祈りメールの返信」は不要とは限らない理由。件名・例文も紹介

就職や転職活動で受け取る「お祈りメール」に返信は不要だと言われています。しかし、稀なケースではあるものの、返信したことにより逆転採用されたり、フィードバックをもらえたりする人もいるようです。返信が必要な場面や理由をご紹介します。また、件名や本文の例文も確認しましょう。

「お祈りメール」の基本知識

「お祈りメール」とは「不採用通知メール」のこと

「お祈りメール」とは、企業などから求職者へ送られる「不採用通知のメール」のことです。就活中の人の間で一般的に使われるようになったのは2007年頃ではないかと言われています。

名前の由来は、不採用通知メールの末尾の多くが「今後の(求職者の)ご活躍をお祈り申し上げます」という文言になっているためです。なお、書面の場合は「お祈りレター」と言われることもありますが、お祈りメールほど浸透していません。

「お祈りメールへの返信」が不要な理由

ビジネスメールへは返信するのがマナーですが、基本的には「お祈りメール」は該当しません。理由は、お祈りメールを送った時点で企業から求職者への用件は終わっているからです。返信が来るとは思っていませんし、読まずに消去される可能性もあります。

ただし、「返信不要」「問い合わせはご遠慮ください」などと企業が明記している場合を除けば、返信自体がマナー違反だとみなされることはありません。後述の理由がある場合は、積極的に返信してみるのも良いでしょう。

「お祈りメール」へ返信が必要な場合

返信が必要なのは「紹介やインターンなどで縁があった」場合

「お祈りメールへの返信」が必要な理由のひとつが「紹介やインターンで縁があった」場合です。書類を忘れた、面接に遅れてしまったなどの迷惑をかけた場合も、縁に含まれるでしょう。世話になったお礼や、迷惑の謝罪を返信内容に記載します。

例文
  • 紹介していただいた〇〇部の〇〇様にも、お礼を伝えていただけると幸いに存じます。
  • インターンシップの時から〇〇様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

「詳細なフィードバックを書いてあった」場合も返信するべき

レアケースではありますが、評価できる点や改善点などをフィードバックしてくれていることがあります。同じ文面を宛名だけ変えて送信することが当たり前のお祈りメールで、時間をかけてフィードバックをしてくれる人はほぼいません。丁寧な返信で感謝を伝えることをお勧めします。

例文
〇〇様から頂戴したアドバイスを生かして、今後も就職活動に励んでいきます。

最終面接まで進んだ場合は返信で逆転採用もあり得る

最終選考のお祈りメールにも、返信をする方が良いでしょう。可能性は低いのですが、採用者の中で辞退や取り消しがあった場合、あなたが繰り上がって逆転採用となることもあり得るからです。

繰り上がり採用がなかったとしても、再応募が可能な企業の場合は次回につながる可能性があります。なお、再応募が可能でも、最終選考以外は採用・内定まで遠いため、時間をかけて返信する必要は薄いとされています。

自分自身の気持ちをリセットしたいなら返信してもよい

企業側が断っていない限り、特別な理由のない「お祈りメールの返信」がマナー違反だとみなされることはありません。そのため「第一志望だったので、このままでは気持ちの整理が付かない」という場合、お祈りメールに返信するのも良いでしょう。返信することを「落ち込んだ気持ちをリセットするためのおまじない」にするのです。

同じ気持ちの問題でも「不採用になった理由を聞かないと納得できない」と質問することには注意が必要です。「ほぼ返答はないがダメ元で聞いてみても良い」という意見も多いのですが、反対する考えもあります。反対の理由は「失礼な申し出のため、繰り上がり採用の可能性が0になってしまう」というものです。

「お祈りメールへの返信」の書き方と例文

件名は「Re:」をつけるだけで変更しない

メールの件名は、企業が送ってきたメールに「Re:」で返した方が良いという意見が多くあります。基本的に、ビジネスメールは件名を変えず「Re:」をつけて返信するのがマナーです。件名が同じの方が、すぐに返信メールだと分かるためです。

ただし、お祈りメールは一斉返信している企業が多いため「Re:」では分かりにくいという考え方もあります。気になる場合は件名を変え、送信者を記載すると良いでしょう。

件名を変更する場合の例
選考結果のご連絡、ありがとうございました。(送信者の名前)

可能なら当日・遅くても翌日の午前中に送る

お祈りメールの返信は、可能な限り受信した当日中に送りましょう。遅くても翌日の午前中に送信します。

返信が遅くなると、「仕事も遅いのでは」とマイナスに受け取られることも考えられます。再応募が可能な企業の場合は特に急いで対応しましょう。

返信の例文・テンプレート

お祈りメールの返信は、以下の順番で書きましょう。

1.宛名
2.挨拶文と自分の名前(学生なら学校名・学部)
3.選考へのお礼
4.不採用通知を受けた、自分の意気込み
5.結びの言葉
6.自分の署名

特に「4」が嫌味や暴言にならないよう注意してください。前向きな記載を心がけましょう。

例文・テンプレート
※宛名・署名省略

お世話になっております。
(送信者の名前)でございます。

先日は、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
残念ながらご縁がなかったということになりましたが、貴社の選考に参加できたこと心から嬉しく思います。
結果を謙虚に受け止め、今後も就職活動に励んでいく所存です。

末筆ではありますが、今後の貴社のご発展と、皆様のご健勝をお祈りいたします。

まとめ

お祈りメールの返信は、基本的には不要です。返信をした方が良いケースもありますが、その場合も丁寧な長文にする必要はありません。

お祈りメールの返信で、不採用が覆ることはほぼありません。気持ちを切り替えて、次の選考の準備を始めましょう。