「お三方(御三方)」とは、3人を意味する丁寧な言い方。相手を敬う表現であり職場で使っても失礼にならない表現です。また、他の人数にお一方やお二方はありますが、4人はお四方とは表現しません。
この記事では、「お三方」の意味や使い方の注意点について解説。類語・言い換え表現についてや英語表現も紹介しましょう。
「お三方(御三方)」の意味とは?
「お三方(御三方)」の意味は「三名様」
「お三方」とは、相手に敬意を払って「3名」を丁寧にした言い回し。読み方は「おさんかた」で、漢字では「御三方」と表記します。
飲食店など相手を敬うべきシーンで3名の場合、「お三方」と表現します。3名に対して一度に声をかけるときや、別の人にその3名について説明をするような場合にも使える敬称です。
「三方」は別の2つの意味の言葉
「お」をつけず「三方」とすると、「三つの方向や面」をさす別の意味の言葉です。読み方は「さんぼう」ですが「さんぽう」でも間違いではありません。
また、神事などで使われるお盆の下に台がついた儀式用の台も「三方(さんぼう・さんぽう)」です。この場合は「三宝」という表記を使うこともあります。
「お三方」を使った例文
- お三方そろいましたので会議を始めさせていただきます。
- 本日のゲストは若者に人気のお三方です。
- あちらの会議室でお三方がお待ちです。
- お三方にまたお会いできて良かったです。
「お三方」の使い方と注意点は?
「お三方」は3名1組であるときに使う
「お三方」と表現する場合、あくまでも目的や行動を同じ3名1組を表現する言い回しです。2名と1名の2組は合計3名ですが、この3名をさして「お三方」とは表現しません。
また、旅館やレストランなどに来店した3名1組のお客様について「お待ちのお三方はこちらです」や「お三方いらっしゃいました」などの言い回しにも使います。
共通の職業や業界の3名であるときに使う
講演会や会議などに招待した人が3名の場合も「お三方」と表現できます。特に共通の職業や業界であることを紹介する際、「本日は飲食業に詳しいお三方をお招きいたしました」などと使います。趣味や出身地など共通のものがあれば、使える表現です。テレビやラジオでのゲストを紹介する際にも「本日のゲストは〇〇のお三方です」などと使います。
「お三方」はビジネスでも失礼なく使える
「お三方」は相手を敬って使う丁寧な言い回しであり、ビジネスシーンで使うことのできる言葉です。また、それほど堅苦しくない表現でもあるため、柔らかい印象も与えます。
「お三方にお会いできて光栄です」や「お三方のご意見を伺いたいのですが」など、取引先の人に対して使います。
「お三方」の類語・言い換えは?
「お三方」の類語・言い換えは「三名様」
「三名様」は3人を表現した丁寧な言い回しです。飲食店やホテルなどお客様の人数を表現する際に、「三名様ですね」などと使います。ビジネスシーンでも、取引先の人が3人で来社した際に「三名様いらっしゃいました」などと表現します。
「三名様」は「お三方」と同じ意味です。ただし、「お三方」は相手に呼びかける際にも使えますが、「三名様」は直接相手に呼びかけるには使えない場面もあります。前後の文脈やシーンによって使い分けましょう。
- ご予約は三名様です。
- あちらで三名様がお待ちです。
「お三人さん」「三人さん」も「お三方」の類語
「お三方」の類語には「お三人さん」「三人さん」などもあります。「お三方」と同じく3名を表現する言葉ですが、丁寧な言い回しや敬語ではなく、単に3名を表現します。そのためビジネスシーンやかしこまった場面ではあまり使いませんが、日常会話などでは聞かれる表現です。
- お三人さんがいらっしゃったよ。
- 昨日は元気な三人さんに会えました。
3名以外の人数の呼び方は?
4名以上に「お四方」などの表現はしない
1名や2名はそれぞれ「お一方」「お二方」と表現できますが、4名以上の場合は「お四方」などの表現はしません。また、人数に関係なく丁寧に表現する場合には「皆様」や「ご一同様」などの言い回しも使えます。
- 1名:お一方、一名様、お一人様
- 2名:お二方、二名様、お二人様
- 3名:お三方、三名様
- 4名:四名様
- 5名:五名様
- 6名:六名様
英語で「お三方」を表現するには?
「お三方」は英語で「party of three」
「お三方」や「三名様」というニュアンスを英語で表現する言葉のひとつに「party of three」というフレーズがあります。飲食店などで人数に確認の際に使われる表現です。
また、英語に敬語表現はないため、単に「three people」や「three」でも問題なく伝わります。
まとめ
「お三方」とは、3人という相手を敬って丁寧にした言い回しです。「おさんかた」と読み、漢字で「御三方」とも表記します。
「お三方」と表現する場合は、3名が1組であることが前提です。丁寧な言い回しのため飲食店やホテルなどを初めビジネスの場でも使える言葉。類語である「三名様」と言い換えも可能のため、前後の文脈や使うシーンによって使い分けると良いでしょう。