「再雇用」の意味とは?二つの再雇用制度と雇用後の雇用形態や給与

「再雇用」とは「退職者がもう一度雇用されること」という意味ですが、再雇用を推進ための「再雇用制度」には2種類あることをご存知でしょうか。

今回は「再雇用」の意味と二つの再雇用制度について解説し、定年退職者が再雇用した場合の雇用形態や給与、手当や有給休暇の取得などについても触れていきます。

「再雇用」の意味とは?

「再雇用」とは「退職者や解雇した社員をもう一度雇用すること」

「再雇用」とは退職者や解雇した社員をもう一度雇用することという意味ですが、「再雇用制度」を意味することも多いです。

「再雇用制度」とは定年退職者又は女性労働者の再雇用を促進する制度のことですが、高齢化社会のため働き手が不足していることと1986年に施行、2013年に改正された高年齢者雇用安定法により定年延長などが義務化されたことにより、「再雇用」というと定年退職者の再雇用および再雇用制度について語られていることが多いでしょう。

高年齢者雇用安定法改正により高齢者雇用が助長される

高齢者が長く働けるようにと施工された高年齢者雇用安定法は2013年に改正されて、企業は次の雇用措置の条件から必ず一つは実施しなくてはならなくなりました。

高年齢者雇用の確保措置
  • 65歳までの定年の引き上げ
  • 65歳までの継続雇用制度の導入
  • 定年の廃止

高齢者の雇用改善は厚生年金の受給開始年齢の引き上げと関係

どうして高年齢者の雇用を義務化する措置が取られたのかというと、厚生年金の受給開始が65歳に引き上げられたことと影響します。以前は多くの企業では定年を60歳までとしていたのですが、もしも60歳で退職してしまうと年金受給までの収入のない空白の期間ができてしまいます。それでは生活に困窮してしまうことが考えられるため、定年引上げを含む雇用確保措置が提案され実施することになりました。

また労働力不足を補う意味でも、高齢者の雇用の活性化が大切だと言われています。

2021年4月にはさらなる法的改正により、定年年齢を70歳まで引き上げる努力が企業に義務付けられますので、高齢者の雇用期間はさらに伸びることになりそうです。

二つの「再雇用制度」とは?

「再雇用制度」には定年退職者と女性労働者に関する制度があります。ここではそれぞれの特徴を紹介します。

定年退職者の再雇用を推進「定年後再雇用制度」

定年退職者の再雇用に関する再雇用制度は、高年齢者が働きやするために設けられた「継続雇用制度」のひとつです。継続雇用制度には「再雇用制度」と「勤務延長制度」があります。

「勤務延長制度」とは退職することなく雇用形態や条件もあまり変わらないまま雇用契約を延長します。

一方「再雇用制度」では定年退職者の再雇用を促すための制度です。定年退職者の再雇用では、賃金や雇用形態などに関して新しい条件が会社側から提示され、それに応じて労働契約を結ばれます。

女性退職者の再雇用を推進「再雇用制度」

女性で妊娠や出産、育児を理由にして退職した者が、再び同会社または同社の関連企業で雇用されることを定める制度のことも「再雇用制度」と呼びます。男女雇用機会均等法第25条により女性の再雇用が注目されて、会社が再雇用制度を導入することで機能します。女性労働者は退職時に再雇用制度に登録すると、再雇用の機会が得られます。

再雇用での雇用状況は?

雇用形態は嘱託や契約社員が多い

高齢者の再雇用の場合の雇用形態は退職前と同じではなく、嘱託やパート、契約社員などの形態で、一年契約である場合が多いです。

高齢者の再雇用であっても5年以上継続して契約を交信できれば無期転換ルールが適用されるので、希望をすれば労働期間の決まりがない契約に変更できます。

再雇用では給与は退職時の50%~70%

再雇用された場合の給与は退職時に比べると50%~70%へと減額されることが一般的です。高齢者の再雇用では、労働時間や労働日数が短縮されることが多く、それに合わせて給与も低く抑えられます。

ただ退職時と同じ業務内容であるだけでなく、労働時間や日数も変わらないにもかかわらず、定年後の再雇用のため減給される例も少なくありません。そうなると労働者側からの不満が出てくることもあるので、再雇用時には給与や勤務時間等の労働条件に関して書面で確認したうえで労働契約を結ぶ慎重さが大切です。

定年退職者の再雇用では退職金をもらってから雇用される

定年退職者の再雇用は定年で退職した人が再び雇用されることですから、定年退職時には退職金をもらい、その後、再雇用になります。

もしも再雇用ではなく勤務延長ならば退職していませんので退職金はもらえません。

各種手当や有給休暇ももらえる

定年後の再雇用でも一労働者として会社と契約を交わしていることに変わりありませんから、通勤手当や住宅手当などの各種手当、また賞与なども支給されます。

また有給休暇も再雇用されてから6ヶ月後から取ることができます。有給休暇は勤続年数や勤務日数によって取得できる付与日数が変わる制度ですが、再雇用者も利用できる制度です。ただし各社によって手当等に関する条件が違うこともありますので、個々に確認することが必要でしょう。

有給休暇に関しては、下記の記事中の「有給を使った用語の意味」を参照してみてください。

高齢者の再雇用で企業は助成金を受けられる

再雇用や勤務延長などで積極的に高齢者の再雇用に協力的な企業は、特定求職者雇用開発助成金を受けられます。特定求職者雇用開発助成金は厚生労働省による助成金で、ハローワーク等を通して雇い入れるなどの要件を満たして、雇い入れた人の年齢や雇用期間などにより年間40万円~70万円の助成金が支給されます。

まとめ

「再雇用」とは退職した人がまた会社に勤めることですが、再雇用制度を指すこともあります。その場合は定年退職者に関する再雇用制度の場合と、女性労働者の再雇用制度の場合もあります。ただ定年退職者に関する再雇用制度の方が年金受給までの収入を得るためと労働力不足を補う意味で重視されるケースが多く、注目を集めやすいという現状があります。