「のるかそるか」の意味や語源は?正しい使い方・類語も例文で解説

「のるかそるか」とは”結果を天に任せて思いきり行うこと”を意味する慣用句です。正しい漢字表記は「伸るか反るか」なのですが、「のる」を「乗る」と間違えて書いてしまう人も多くいます。

この記事では「のるかそるか(伸るか反るか)」の意味や語源、使い方の例文、類語をわかりやすく解説します。くわえて、英語表現も解説しましょう。

「のるかそるか」の意味・漢字・語源とは?

「のるかそるか」の意味は”思いきり行う”

「のるかそるか」の意味は、“物事が成功するかどうかは分からないが、結果は天に任せて思いきり行うこと”です。不確かな未来に対して、勝負をしかける状況で使用されます。

例文

・他に選択肢のなかった私は、のるかそるかの賭けに出た。

意味:他に選択肢のなかった私は、結果を天に任せて賭けに出た。

漢字で書くと「伸るか反るか」、「乗るか反るか」は誤り

「のるかそるか」は漢字で「伸るか反るか」と表します。よくある誤用として「乗るか反るか」がありますが、正しくは「伸るか反るか」です。とくに書き言葉として使用する場合は、書き間違えに注意しましょう。

「のるかそるか」の語源は”矢作り”にある

「のるかそるか」の語源は”矢作り”にあります。まっすぐな矢を作るためには、まず竹の曲りを無くさなくてはいけません。曲りを無くす「のため型」という専用の物に竹をいれて乾燥させるのですが、曲りが無くなったかどうかは出来上がるまで分からないのです。

竹が真っすぐになっていたら矢として使用できますが、曲がったままの場合は捨てることになります。実際に行ってみないと結果は分からないことから、”結果を天に任せて行うこと”という意味で「伸るか反るか」が使われるようになったのです。

「のるかそるか」の使い方と例文とは?

やらないと分からない状況で使う

「のるかそるか」は”成功するか失敗するかは、やってみないと分からない状況”で使用されます。運命を天に任せてしまうほど切羽詰まっていることを表すため、結果が分かりきっている状況での使用は適していません。

「のるかそるかの大勝負」のように表す

「のるかそるか」は”のるかそるかの大勝負”や”のるかそるかの大博打(おおばくち)”のように使用します。「大勝負」と「大博打」はどちらも”今後を左右するような思いきった行動”を意味する言葉です。

「のるかそるか」を加えることで”結果を天に任せて、思いきった行動をとること”という意味で使われます。

例文

・慎重な性格をしているため、のるかそるかの大勝負なんてしたくない。

・会社を大きくするために、のるかそるかの大勝負を仕掛けた。

・のるかそるかの大博打を乗り切り、成功者としての道を駆け上がる。

・のるかそるかの大博打なんて、できるだけ打たない方が良い。

「のるかそるか」を使った例文

「のるかそるか」を使った例文をご紹介しましょう。

  • のるかそるか分からないが、ここまで来たらやるしかない。
  • 追い詰められた私は、伸るか反るかやるしかなかった。
  • のるかそるかの賭けだったが、結果は見事成功におわった。
  • 価格の大幅改定は、伸るか反るかの大勝負だと皆が理解していた。

「のるかそるか」の類語とは?

「のるかそるか」の類語は”一か八か”

「のるかそるか」の類語には“一か八か(いちかばちか)”が当てはまります。「一か八か」とは”結果は天に任せて、やってみること”を意味することわざです。「のるかそるか」と同じく、やってみないと結果は分からない状況で「一か八かの勝負」のように使用されます。

例文

・何が起こるか分からなかったが、一か八か扉を開けた。

・一か八かの賭けにでる勇気がなかったんだ。

「鬼が出るか蛇が出るか」への言い換えも可

「のるかそるか」は“鬼が出るか蛇(じゃ)が出るか”へも言い換えられます。「鬼が出るか蛇が出るか」とは”何が起こるか誰にも予想できないこと”を意味することわざです。

「鬼」が悪いことを、「蛇」が良いことを意味しており、「次に起こることの良し悪しは誰にも分からない」ということを例えています。

例文

・鬼が出るか蛇が出るか分からないが、それでもやるしかないんだ。

・鬼が出るか蛇が出るか。とにかく前へ進もう。

「のるかそるか」の英語表現とは?

「のるかそるか」は英語で”Sink or swim”

「のるかそるか」の英語表現には“Sink or swim”が適しています。「Sink or swim」は直訳すると”沈むか泳ぐか”という意味になり、「Sink(沈む)」が失敗を、「Swim(泳ぐ)」が成功を表します。

「のるかそるか」のように”結果はどうであれやってみる”状況で使用しましょう。

まとめ

「のるかそるか」とは”結果は天にまかせて思いきり行うこと”を意味する慣用句です。「のるかそるかの大勝負」のように使われ、漢字では「伸るか反るか」と表します。「乗るか反るか」という表記が使用されることもありますが、誤用であるため注意しましょう。

「のるかそるか」以外の表記を使用したい場合は、類語の「一か八か」や「鬼が出るか蛇が出るか」へ言い換えが可能です。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。