「眉唾」の意味とは?由来や使い方の例文・類語「胡散臭い」も解説

「眉唾(まゆつば)」とは”真偽が確かではないもの”を意味する言葉です。「眉唾物」を略して「眉唾」と表すようになったのですが、「なぜ眉に唾をつけるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。

この記事では「眉唾」の語源・由来や使い方の例文を解説します。くわえて「眉唾」の類語や英語表現も解説しましょう。

「眉唾」の意味とは?

「眉唾」の意味は「騙されないように用心すること」「真偽が確かではないもの」

「眉唾(まゆつば)」の意味は、“騙されないように用心すること・真偽が確かではないもの”です。

「眉唾」は”真偽が確かではない”という意味の「眉唾物(まゆつばもの)」を省略した表現です。「眉唾物」は騙される心配があることを意味するため、省略した「眉唾」には”騙されないよう用心する”という意味が加えられました。

眉唾(まゆつば)

  1. 騙されないよう用心すること。
  2. 真偽が確かではないもの。(眉唾物と同義)

「眉唾」の由来・語源は「狐に化かされないための対処法」

なぜ「騙されないよう用心すること」を”眉”と”唾”で表すのでしょうか?「眉唾」の由来・語源は「狐」にあります。

江戸時代では「眉に唾を付ける」という言葉が使われていたように、昔の人々は眉に唾をつければ狐などに化かされないと信じていました。「眉に唾を付ける」が「眉唾物」と表現されるようになり、さらに省略され「眉唾」と表すようになったのです。

言い伝えでは狐や狸に化かされないための対処法とされていますが、現代では人や情報に騙されないよう用心することや、情報の真偽が確かではないことを表します。

「眉唾」の使い方と例文とは?

主に「眉唾物」の意味で使われる

「眉唾」には2つの意味があることを説明しましたが、主に2つ目の「眉唾物」という意味で使用されます。「彼がエスパーだなんて話は眉唾だ」のように、相手の話や情報が信用できず、疑わしい状況で使用しましょう。

「眉唾な話」「眉唾な噂」のように使う

「眉唾」は”眉唾な話”や”眉唾な噂”のように使用しましょう。「眉唾な話」は”真偽が疑わしい話”を、「眉唾な噂」は”真偽が疑わしい噂”をそれぞれ意味します。「眉唾な○○」という形で使う場合、「眉唾」は”真偽が確かではない”という意味で使われています。

例文
  • テレビで流れているからといって、眉唾な話を信じ込むのは危険だ。
  • 彼は眉唾な話ばかりするため、何を信じればいいのか分からない。
  • 社長に関する眉唾な噂を耳にしたが、同僚は興味津々なようだ。
  • A地方に伝わる眉唾な噂を確かめるため、現地へと向かった。

「眉唾っぽい」は疑わしい傾向が強いこと

「眉唾っぽい」とは”疑わしい傾向が強いこと”を意味する表現です。「○○っぽい」が”○○の傾向が強いこと”を表すため、真偽が確かではないものを強く疑う状況で使用しましょう。

ただ、「○○っぽい」という表現は幼稚だと捉えられる場合があります。ビジネスシーンなど、かしこまった状況では「眉唾なところがある」と表すことで、「疑わしい傾向にあること」を表現できます。

例文
  • 眉唾っぽいなと半ば聞き流していたが、どうやら実際の話らしい。
  • 情報を与えてくれるのは嬉しいが、どれも眉唾なところがある。
  • 眉唾なところはあるが、手がかりがゼロの状況よりはマシだろう。

「眉唾」を使った例文

  • 眉唾なダイエット方法が多く流れているが、信じる人はいるのだろうか?
  • さっき聞いた眉唾な情報だが、本当だとすれば凄い進歩だ。
  • 当事者の話だと言っているが、それすらも眉唾物だ。
  • 第三者からの話を聞けば聞くほど、彼の話は眉唾だと思える。

「眉唾」の類語と例文とは?

「眉唾」の類語は”胡散臭い”

「眉唾」と似た意味をもつ言葉(類語)には“胡散臭い(うさんくさい)”が当てはまります。「胡散臭い」とは”なんとなく疑わしく、油断できない様子”を意味する言葉です。

「眉唾」と「胡散臭い」は”疑わしい”という意味が共通しているため、「胡散臭い話」や「胡散臭い噂」へと言い換えてみましょう。

例文
  • どこからどう見ても胡散臭い人物が、前方から近づいてきた。
  • そんな胡散臭い話で盛り上がる暇があるなら、仕事をしなさい。

「信じがたい」「信用ならない」にも言い換えできる

「眉唾」の類語には「信じがたい(信じ難い)」「信用ならない」もあります。「信じがたい」とは話が疑わしく信じることが難しいさま、「信用ならない」は信じて受け入れることができないさまを表します。どちらも「本当だとは思えないこと」を言います。

「眉唾」の2つめの意味「真偽が確かではないもの」の言い換えとして、「これは信じられないものだ」とストレートに言いたいときに使える表現です。

「眉唾」の英語表現と例文とは?

「眉唾」は英語で”Dubious”

「眉唾」の英語表現には“Dubious”が適しています。「Dubious」とは”疑わしい・胡散臭い”を意味する単語です。「○○ is dubious」と表すことで、「○○」に当てはまるものが眉唾であることを表せます。

「眉唾」の英語表現”Dubious”を使った例文

「眉唾」の英語表現”Dubious”を使った例文をご紹介しましょう。

・That story is dubious.

意味:その話は胡散臭いな。

まとめ

「眉唾」とは2つの意味をもつ言葉ですが、主に「真偽が確かではないもの」という意味で使われます。「眉唾物」を省略した表現で、狐に化かされないために眉に唾を付けることが由来しています。

類語の「胡散臭い」とは”疑わしい”という意味が共通しているため、言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。