「あおり運転」の定義と具体例とは?罰則と対処法・英語表現も解説

2017年の東名高速道路で起きたあおり運転による死亡事故は記憶に新しく、この事故以来、あおり運転の危険性が注目されるようになりました。もしもあおり運転をされたら、どのように対処すればいいのでしょうか。

この記事では「あおり運転」の定義と具体例の他に、「あおり運転」に対する罰則や対処法などを解説します。

「あおり運転」の定義と具体例とは?

「あおり運転」とは「他の車両に対する危険な運転」

「あおり運転」は正式には「妨害運転」と呼ばれ、他の車両の走行を故意に妨害したり威圧したりすることが目的の危険な運転のことです。

また、他の車両の走行を妨害する危険行為に加えて、高速道路等で他の車両を停止させるなどして交通の妨害をした行為も「あおり運転」と考えられます。

「あおり運転」の10類型と具体例

ここではあおり運転としてみなされる10類型の違反行為を見ていきましょう。また各類型に準ずるあおり運転の具体例も紹介します。

「あおり運転」の10類型と具体例
  • 「車間距離不保持」:前方車両との車間距離を極端に詰める嫌がらせ行為。
  • 「減光等義務違反」:他の車両の運転を妨害するようなハイビームの使用。パッシング。
  • 「安全運転義務違反」:極端な幅寄せをした並走。蛇行運転。
  • 「急ブレーキ禁止違反」:不必要な急ブレーキ。
  • 「警音器使用制限違反」:しつこいクラクション。
  • 「進路変更禁止違反」:他の車に急ハンドル・急ブレーキをかけさせるような危険な車線変更。
  • 「通行区分違反」:対向車線をはみ出す運転。逆走。
  • 「追越し違反」:他の車が危険と感じるような危険な追い越し運転。
  • 「最低速度違反」(高速自動車国道):「逆あおり運転」とも呼ばれる。高速道路や自動車専用道路で設定されている最低速度を下回るのろのろ運転。急ブレーキをかけるケースも含む。
  • 高速自動車国道等駐停車違反:高速道路や国道での駐停車。

※これらの違反行為は、犯罪者が乗る車を追跡する警察車両等には該当しません。

「あおり運転」の罰則とは?

「あおり運転」による処罰は「免許取り消し」

あおり運転による処罰を正式には「妨害運転罪」といいます。2020年に改正道路交通法が施行されて、あおり運転とみなされる行為に対して、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に加えて、減点点数は25点となり運転免許を2年間取り消されます

高速道路や自動車専用道路での違反行為に対する処罰はさらに重く、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に加えて、減点点数は35点となり運転免許は3年間取り消されます

またあおり運転により相手または第三者を死傷させた場合には、危険運転致死罪の対象です。相手を負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上の有期懲役が課せられます

法改正により厳罰化が強化

あおり運転に対する罰則は、法改正以前は、一般道では5万円以下の罰金で、高速道路では3か月以下の懲役または5万円以下の罰金でした。また相手または第三者を死傷された場合は、危険運転致死傷罪に問われて負傷事故なら最長15年以下、死亡事故では最低20年以下の懲役も可能でした。

しかし2019年6月10日に公布された道路交通法の改正により、あおり運転の厳罰化が強化されることになります。その原因となったのが、2017年6月の神奈川県でのあおり運転による死亡事故で、その後、あおり運転防止のための啓蒙活動も活発化しました。

「あおり運転」から身を守るためにはどうする?

ここからは、あおり運転を受けた場合の対処法についてまとめています。運転している状態を記録できるドライブレコーダーの設置や安全な110番通報の仕方も紹介しますので、参考にしてみてください。

ドライブレコーダーで運転行為を録画

「ドライブレコーダー」とは自動車内に設置する記録装置で、走行中の速度やブレーキアドの運転操作や周辺の様子などを録画することができます。

あおり運転が現行犯ではないと罰則対象にならないこともあるのですが、ドライブレコーダーによる記録があれば、あおり運転の証明をできるだけでなく相手車両を突き止める手がかりにもなります。

ドライブレコーダーの設置は機種によって変わりますが、主にバックミラー、サンバイザー、ダッシュボード上、フロントガラスに取り付けられます。ただしフロントガラスに取り付ける場合には法令で設置位置などの規定があるので注意が必要です。

110番通報は安全な場所に移動してから

もしもあおり運転を受けた場合には、安全な場所に移動してから110番通報をしましょう。安全な場所とは交通事故に遭わないような場所で、サービスエリアやパーキングエリア等が挙げられます。また110番通報をする場合には車外に出ないで、車の中から通報するようにしたほうが安全です。

相手車用の特徴やナンバーを確認

ドライブレコーダーの設置をしていない場合には、あおり運転をしてきた車両の車種などの特徴やナンバーも確認するようにしましょう。車両の特徴やナンバーはあおり運転をした相手を見つけるために有効的です。

「あおり運転」の英語表現と例文

「tailgating」や「road rage」を使い分ける

英語で「あおり運転」を総称する表現はなく、あおり運転の状況によって「tailgating」や「road rage」を使い分けます。

「tailgating」は前方車両との距離を極端に詰めた嫌がらせ運転のときに使う言葉です。一方「road rage」とは危険行為とみなされる運転全般を指します。「road rage」は直訳すると「路上の激怒」となり、危険な追い越し運転や不必要なクラクションなどさまざまな危険運転に対して使われる言葉です。

例文
  • “I got a tailgating driving yesterday.”
    「昨日、あおり運転を受けた。」
  • “The accident was caused by a road rage.”
    「その事故はあおり運転によって起こった」

まとめ

「あおり運転」は処罰も重い危険な運転行為です。あおり運転を受けたときには身の安全に気を付けながら冷静に対応しましょう。車の運転は自分本位にならず、他の車への気遣いや譲り合う気持ちを忘れずに交通ルールを守って運転するようにしましょう。