「夭逝」の意味とは?「夭折」との違いや使い方の例文・類語も解説

「夭逝(ようせい)」という言葉をご存知でしょうか?「夭逝」は年齢を若くしてこの世を去ることを意味しますが、俳優や歌手をはじめ「天才」と呼ばれる人が、若くして亡くなる時に使われる言葉です。ここでは「夭逝」の意味の他、似た言葉の「夭折」や「早世・早逝」との違い、使い方の例文、類語などを中心に解説します。

「夭逝」の意味とは?

「夭逝」の意味は”若くしてこの世を去ること”

「夭逝」の意味は、“若くしてこの世を去ること”です。年齢的に若くありながら、世間や周囲に惜しまれて亡くなることを指します。「夭逝」の「夭」は”若死に”、「逝」は”亡くなる・死ぬこと”を意味します。

また、「夭逝」という言葉は、将来的にも有望で今後も大いに活躍が期待される人や、すでに才能を発揮し周囲に認められている「天才」と呼ばれる人、また特定の分野において非常に貢献し、多大に活躍している人に対して使われます。

「夭逝」が何歳までかは決まりはない

「夭逝」は若い年齢で他界することを意味しますが、何歳から何歳までといった断定的な年齢の幅はありません。一般的な解釈から「若い年齢」の人が早く亡くなってしまうことを意味するため、通常は10代から40代くらいの人に対して使うことが多いです。

夭逝」と「夭折」の違いとは?

「夭折」とは”才能ある人が若くして惜しまれて亡くなること”

「夭逝」と似た言葉に「夭折(ようせつ)」があります。「夭折」とは、才能ある人が年齢を若くして惜しまれて亡くなることを意味します。「夭折」の「折」は「死ぬこと」を意味しています。

「夭逝」と「夭折」の違いは敬意の度合い

「夭折」と「夭逝」とほぼ同義語と言っても良いですが、違いは「惜しまれているかどうか」にあります。「夭逝」の方が相手への敬意や愛慕の感情が強まります。

例文
  • 最年少で世界的に有名な科学者となった男性が、この度惜しまれながら夭折した。
  • 将来の活躍が熱望された指導者が、不治の病で夭折した。

「夭逝」の使い方と例文とは?

「夭逝」は亡くなった人に敬意を示す表現

「夭逝」は将来が期待されている天才や優秀者が、年齢的に若くしてこの世を去ってしまう時に使われます。「夭逝」とは”若死に”のことですが、相手を惜しみながら尊敬の意を払って用いるのが「夭逝」の一般的な使い方です。下記で文章から伝わる印象の違いを見てみます。

比較例文
  • 若手ミュージシャンのAは、将来の活躍が期待されながらも夭逝した。
  • 若手ミュージシャンのAは、将来の活躍が期待されながらも若死にした。

このように「夭逝」のニュアンスには、相手への尊敬の意を含むことが理解できるでしょう。今後の活躍が望まれ、周囲に多大な期待が見込まれている才人が、年齢を若くして亡くなってしまうことは、多くの愛慕や敬慕の感情も伴います。そのような感情の中で使われるのが「夭逝」です。

「夭逝」は幼児や高齢者には使わない

「夭逝」とは、今後の活躍が期待される人や、すでにその分野で才能を発揮し頭角を現している天才や優秀者に対して使われます。そのため、まだ才能が開花していない幼児や、年齢的に高齢と言われる方に対しては使われません。

もちろん例外はあります。たとえば、一桁の年齢でもゴルフやサッカーなどあらゆるスポーツで実力が認められ、世間を驚かせている子供もいるでしょう。その他、特定の分野において技能が世界的に認められているスーパーキッズも世の中には存在します。

こういった場合は、「これからが本当の活躍時なのに…」と周囲に惜しまれて「夭逝」という表現を用いることもあります。

「夭逝」を使った例文

  • 偉人の中には、頭角を早々と現しながら夭逝した人も多くいる。
  • 今後の活躍が期待された俳優が、周囲に惜しまれながら夭逝した。
  • 天才歌手が夭逝したというニュースが飛び込んできた。
  • 世界的なジャズミュージシャンが、昨晩、将来を期待されつつ夭逝した。
  • 夭逝した天才は、歴史上にどれだけ数多く存在するのだろうか?

「夭逝」の類語とは?

「早世・早逝」は”才能の有無に関わらず若くして亡くなること”

「夭逝」に似た言葉に「早世(そうせい)・早逝(そうせい)」があります。どちらも年齢を若くして亡くなってしまうことを表す言葉ですが、「夭逝」とは若干意味合いが異なります。

「夭逝」は、才能が飛びぬけて秀でてる人や「天才」に対して、あまりにも早い死を悔やみながら敬意を持って使われるのが通常です。一方「早世」や「早逝」は、亡くなった人の才能や頭角の有無に関わらず、若すぎる死を悔やんで使われる言葉です。

つまり、世間に悔やまれながら若い年齢で亡くなった「天才」に対して使われるのが「夭逝」、また若くして亡くなった人を一般的に惜しんで使われるのが「早世」や「早逝」となります。

「薄明」とは”短い命のこと”

「薄明(はくめい)」とは、一般的に”短い命のこと”を意味します。もともと「薄明」とは、日の出前と日の入り後に現れる「ほのかな光」や「薄暗い明かり」を指します。

「薄明」は地平線の下側にある太陽が放つ光と大気が反射を起こし、散乱して地上に到達することから起こる現象ですが、現れる時間が短くうっすらとすぐ消えてしいまうことから「命の儚さ」、転じて「短命」という意味で使われています。

例文
  • 才能ある人に限って薄明であるのが世の常だ。
  • 天才的な詩人や作家には、薄明が多いと言われている。

「薄明」を使った四字熟語に「美人薄命(びじんはくめい)」がありますが、美しさを兼ね備えた女性が、年齢を若くしながら世に惜しまれながらこの世を去った時に使われます。

まとめ

「夭逝(ようせい)」とは”天才の若死に・若い年齢でこの世を去ること”を意味する言葉です。将来が期待される天才や、すでに特定の分野で頭角を表している人に対して、あまりにも若すぎる死を悔やむ気持ちを持って使われます。

「夭逝」と「夭折(ようせつ)」は、ほぼ同義語として扱われますが、「夭逝」の方が亡くなった相手に対して尊敬の意が強調されます。似たような言葉である「早世(そうせい)」や「早逝(そうせい」とも上手に使い分けをしながら、文章に用いるようにしましょう。