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「狼藉」の2つの意味と語源とは?例文と類語・四字熟語も解説

「狼藉(ろうぜき)」とは”物が散らかる様子・乱暴な振る舞い”の2つの意味をもつ言葉です。「狼藉を働く」や「狼藉者」のように使う「狼藉」の、例文を知りたい方もいるでしょう。

この記事では「狼藉」の語源や使い方の例文、四字熟語の「落花狼藉」を解説します。加えて「狼藉」の類語や英語表現も解説しましょう。

「狼藉」とは?

「狼藉」の意味は”物があちこちに散らかっている様子・乱暴な振る舞い”

「狼藉」の意味は、“物があちこちに散らかっている様子・乱暴な振る舞い”です。

狼藉(ろうぜき)

  1. 物があちこちに散らかっている様子。
  2. 乱暴な振る舞い。

「狼藉」の読み方は”ろうぜき”、古語では”らうぜき”と読む

「狼藉」の読み方は“ろうぜき”です。古語では“らうぜき”と読まれていました。「狼藉」を”ろうじゃく”と読むこともありますが、その場合「狼藉」がもつ意味が異なります。「狼藉」を”物が散らかっている様子・乱暴な振る舞い”という意味で使用する場合は、「ろうぜき」と読みましょう。

「狼藉」の語源は中国の書物にある

「狼藉」の語源は中国の歴史書の1つである『滑稽列伝(こっけいれつでん)』にあります。「狼藉」は『滑稽列伝』に出てくる漢語で、「狼」は「オオカミ」を「藉」は”敷く・踏む”を意味します。

オオカミが寝床として敷いた草が乱れていたことから「狼藉」は”物が散らかっている”という意味で使われていました。中国から日本に入ってきた後に「乱暴な振る舞い」という意味が加えられたのです。

「狼藉」の使い方と例文とは?

主に「乱暴な振る舞い」という意味で使う

「狼藉」には2つの意味がありますが、主に”乱暴な振る舞い”という意味で使用されます。時代劇などで耳にする「○○と知っての狼藉か」という表現は「わたしを○○と知ったうえでの、乱暴な振る舞いか」と、目上に対する無法を咎める意味で使われています。

「狼藉を働く」「狼藉者」のように表す

「狼藉」の使い方には”狼藉を働く”や”狼藉者(ろうぜきもの)”があります。「狼藉を働く」とは”荒々しい振る舞いをすること”を意味する言葉で、「狼藉を働いた」や「狼藉を働き」のように表します。

一方で「狼藉者」は”荒々しい振る舞いをする人”を指す言葉です。「狼藉者を叩き出す」や「狼藉者を捕まえる」のように表しましょう。

例文
  • 狼藉を働いては、村の人々から叱られていた。
  • 侵入した狼藉者は、守衛によって取り押さえられた。

「狼藉日」とは悪日の1つ

「狼藉日(ろうじゃくにち)」も「狼藉」の使い方の1つです。「狼藉日」とは”運の悪い日”とされる「悪日(あくにち)」の1つで、その日に行う全ての事が失敗すると言われています。

「悪日」は”狼藉日”の他に「大禍日(たいかにち)」と「滅門日(めつもんにち)」があり、3つをあわせて「三箇の悪日(さんがのあくにち)」と呼ばれます。

「狼藉」を使った例文

「狼藉」を使った例文をご紹介しましょう。

  • あれほどの狼藉を働けば、罰が下るのも当然だ。
  • 法律を無視し、狼藉の限りを尽くす集団へとなり果てた。
  • 彼の言動を見ていると、狼藉を働くようには思えないのだ。

「狼藉」を使った四字熟語とは?

「落花狼藉」には4つの意味がある

四字熟語の「落花狼藉(らっかろうぜき)」には4つの意味があります。本来「落花狼藉」とは”花が乱れて散ること”または”花を乱暴にして散らすこと”の2つの意味で使われていました。

「花が乱れて散る」という意味が転じて「物があちこちに散らかる」という意味で使われるようになり、もう1つの「花を乱暴にして散らす」という意味が広がり「女性や子どもに乱暴すること」という意味が加えられたのです。使い方が広がった結果として、4つの意味で「落花狼藉」が使われるようになりました。

落花狼藉(らっかろうぜき)

  1. 花が乱れて散ること。
  2. 転じて、物があちこちに散らかること。
  3. 花を乱暴にして散らすこと。
  4. 転じて、女性や子どもに乱暴すること。

「乱暴狼藉」の意味は”荒々しい言動”

「乱暴狼藉(らんぼうろうぜき)」も「狼藉」を使った四字熟語です。「乱暴狼藉」とは”荒々しく野性的な言動”を意味する言葉で、ネガティブな表現として使われます。「乱暴狼藉」では”乱暴な振る舞い”という意味で「狼藉」が使用されています。

例文
  • この地での乱暴狼藉を許さない。
  • 酒にのまれて乱暴狼藉を働くなんて、もってのほかだ。

「狼藉」の類語と英語表現とは?

「狼藉」の類語は”暴行”

「狼藉」の類語には“暴行”が当てはまります。「狼藉」と「暴行」は”乱暴な行い・よくない行為”という点で類似しているため、類語として使用できるのです。「狼藉」は文章語として使われることが多いため、堅苦しいと感じる場合は「暴行」へと言い換えてみましょう。

「狼藉」は英語で”Violence”

「狼藉」の英語表現には“Violence”が適しています。「Violence」とは”暴力・乱暴”を意味する単語で、「狼藉」の”乱暴な振る舞い”という意味を表せます。「Do violence(乱暴を働く)」のように使用しましょう。

例文
  • Don’t use violence against people.

意味:人に暴力を振るってはいけない。

まとめ

「狼藉」とは”物があちこちに散らかっている様子”または”乱暴な振る舞い”の2つの意味をもつ言葉です。主に「乱暴な振る舞い」という意味で使用され、「狼藉を働く・狼藉者」のように表します。

「狼藉」は文章語としての使用が多いため、堅苦しいと感じる場合は類語の「暴行」へと言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。