「功を奏す」の意味とは?「功を奏する」の使い方と例文・類語も

「功を奏す」とは「成功すること」を意味する言葉です。「効を奏する」や「奏功する」などの表記も見られますが何が正しく、どう違うのでしょうか。

この記事では「功を奏す(功を奏する)」の語源や使い方の例文、類語・言い換え、対義語を解説します。くわえて「功を奏す」の英語表現も解説しましょう。

「功を奏す」の意味とは?

「功を奏す」の意味は”成功すること”

「功を奏す」の意味は、“成功すること・効果を現すこと”です。目的を達成するために策を練ったり、努力したりした結果として「成功する・効果を現す」状況で使われます。

例文
  • 今までの努力が功を奏し、見事コンクールで1位に輝いた。

意味:今までの努力が効果を現し、見事コンクールで1位に輝いた。

「功を奏す」の語源は謙譲語の「奏す」にある

「功を奏す」の語源は“奏す”の意味にあります。「奏す」とは”音楽を演奏する”という意味の他に”天皇や上皇に申しあげる”という意味があり、「言う」の謙譲語として使われていました。

「功を奏す」の”功績を天皇に申しあげる”という意味が広がり「成功する・効果を現す」という意味で使われるようになったのです。

「効を奏する」と表す場合は注意

「功を奏する」の別表記に”効を奏する”がありますが、使用に注意しましょう。「功を奏する」の別表記として”効を奏する”を記載している辞書がある一方で、誤用だと明記している辞書もあります。

正誤どちらの意見もあることから間違っていると言い切れませんが、相手に「誤用だ」と捉えられる場合もあるため使用には注意しましょう。

「功を奏す」の使い方と例文とは?

「功を奏する」「功を奏して」のように表す

「功を奏す」は”功を奏する”や”功を奏して”のように表します。努力や策を練った結果として、目的どおりに物事を成し遂げた状況で使用しましょう。

例文
  • 智将と呼ばれる彼だが、最初の戦術から功を奏するわけではなかった。
  • 住民による働きかけが功を奏して、開発化が進んだ。

「奏功する」は”功を奏す”を表す熟語

「功を奏す」を”奏功する”と表すこともあります。「奏功」とは”功を奏す”を表す熟語で、意味や使い方に違いはありません。「奏功」と似た表現に「奏効」がありますが、「奏功」と「奏効」は使う場面が異なります。

「奏功」は”目的どおりに成果をあげることや良い結果を得ること”を意味するのに対し「奏効」は”ききめが現れること”を意味しており、主に医学の場で使用されます。

例文
  • 内閣府の政策が奏功し、労働力不足が軽減された。
  • どの策が奏功するのか、見極める必要がある。

「功を奏す」を使った例文

  • 方向性を変えたことが功を奏し、再ブレイクを果たした。
  • 彼女からの説得が功を奏し、あと一歩のところで思いとどまった。
  • 新しい策が功を奏し、この状況下でも成績を維持している。

「功を奏す」の類語・言い換え

「功を奏す」の類語は「大成」

「功を奏す」と似た意味をもつ言葉(類語)には“大成(たいせい)”が当てはまります。「大成」とは”立派にやり遂げること”や”多くのものを1つにまとめること”を意味する単語です。「功を奏す」と「大成」では”物事をやり遂げる・目的を達成する”という意味が共通しているため、類語として使用できます。

例文
  • 申し分ない演技力をもつ彼女だが、女優として大成することはなかった。
  • 彼が大成しなかった理由は、その甘い考えにある。

「功を奏す」と「功を成す」は使い方が違う

「功を奏す」と「功を成す(こうをなす)」はどちらも”成功すること”を意味する表現ですが、2つは使い方が異なります。

「功を奏す」は”この政策が功を奏した”のように「策」や「手段」に対して使用されます。一方で「功を成す」は、策や手段の他に「功を成す者」のように人に対しても使用されるのです。「なにで成功したのか」「誰が成功したのか」によって使い分けましょう。

  • 功を奏す…策や手段に対して使用。
  • 功を成す…策や手段の他に、人に対しても使用できる。

「功を奏す」の対義語

「功を奏す」の対義語は”裏目に出る”

「功を奏す」と反対の意味をもつ言葉(対義語)には“裏目に出る(うらめにでる)”が当てはまります。「裏目に出る」とは”良い結果を願って行動したのに、反対に悪い結果になること”を意味する慣用句です。

策や努力のおかげで”成功すること”を意味する「功を奏す」と反対に、よかれと思って行動したことのせいで不都合な結果になることを表します。

例文
  • 環境問題のために取り組んだ政策が、裏目に出た。
  • 裏目に出て台無しになるような気がして、なかなか行動できない。

「功を奏す」の英語表現とは?

「功を奏す」は英語で”Be successful”

「功を奏す」の英語表現には“Be successful”が適しています。「Be successful」とは”成功する”や”達成する”を意味する表現です。人に対しても、策や努力などの人以外に対しても使用できます。

例文
  • She was successful in that strategy.

意味:彼女はその作戦に成功した。

まとめ

「功を奏す」とは”成功すること”を意味する言葉です。目的を達成するために策を練ったり、努力したりした結果として成功することを表します。「功を奏する」や「奏功する」とも表しますが、「効を奏する」は誤用という意見もあるため注意しましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。