「視聴」の意味や類語とは?使い方や「試聴」「聴取」との違いも

テレビなどを見たり聞いたりすることを「視聴」と言いますが、ラジオや音楽などを聞くだけの場合は何というか知っていますか?

今回は、「視聴」の意味や敬語表現について解説します。似た言葉である「試聴」や「聴取」との違いや英語表現についても紹介しましょう。

「視聴」の意味と敬語表現とは?

「視聴」の意味は”見ると聴くの両方”

「視聴」の意味は、“見ることと聴くこと”です。読み方は「しちょう」です。目で見ることと耳で聴くことの両方をさした言葉です。見ることと聴くことを同時に行うことを「視聴する」と表現し、「聴視」と表記することもあります。

また、人の興味や注意という意味も持っており、人々の関心や注意をひくことを「視聴を集める」と言います。

「視聴」の敬語表現は”ご視聴ください”でOK

テレビ番組などが視聴者に向かって番組を見てほしいという意味で敬語表現を使う場合、「視聴する」ことに対して敬意を表します。「視聴」自体は名詞のため尊敬語の意味を持つ”ご”をつけて「ご視聴」です。また、「する」の尊敬語は”なさる”や”される”のため、「ご視聴なさる」となります。「見てください」という意味にするためには”ご視聴なさってください”となりますが、「ご視聴ください」でも十分に丁寧語として使える言葉です。

「視聴」の使い方と例文とは?

テレビを見る場合に使う

「視聴」という言葉を良く効くのはテレビを見ることではないでしょうか。テレビを見ることを「視聴」と言い、テレビを見る人のことは「視聴者」です。

クイズ番組など、テレビを見るだけではなく視聴者も参加して一緒にコンテンツを盛り上げるような番組のことを、視聴者参加番組と言います。

動画コンテンツを見る場合に使う

近年はインターネットの発達で、スマホやパソコンで動画コンテンツを見る人も増えています。インターネットなどの動画コンテンツも見ると聴くの両方を同時に行うため「視聴」と呼びます。

「視聴率」は見ている人の割合

テレビ放送をその時間に視聴している世帯や個人の割合をだしたものを「視聴率」と言います。視聴率は、全国で調査を行っており、その番組がどのような地域や世代の人に見られているかを調査するものです。そのデータにより、その番組に対する人々の関心の高さや人気の度合いを数値として示すことができます。

「視聴」を使った例文

「視聴」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 寝る前の数時間はいつもテレビを視聴しています。
  • ぜひ来週もご視聴ください。
  • あのドラマの視聴率が高いのは主演が人気俳優だからだけじゃないと思う。

「視聴」の類語・類義語とは?

類語①「耳目」とは”耳で聞くことと目で見ること”

「耳目(じもく)」とは、耳で聞くことと目で見ることの両方をさしている言葉です。見聞きすることであり、人のためにいろいろなことを調べることを「耳目となって情報を集める」などと表現します。また、人の注意や関心という意味も持っています。

見ることと聴くことをさしている「視聴」にも、人の興味や注意という意味もあります。そのため「視聴」と「耳目」はほぼ同じ意味の言葉と言えます。

類語②「見聞」とは”見聞きして得た情報や知識”

「見聞(けんぶん)」とは、見たり聞いたりする事柄のこと。また、その見たり聞いたりすることで得られた知識や経験などをさします。実際に見て聞いて得た知識を記録したものを「見聞録」と呼びます。

「視聴」は見る行為と聴く行為のことですが、「見聞」は実際に見たり聞いたりした内容をさしています。

類語③「傾注」とは”物事に精神を集中すること”

「傾注(けいちゅう)」とは、特定の物事に対して精神や気持ちを集中することです。「傾」は”ななめにする・かたむける”という意味で、「注」には”そそぐ・ひとつのところにあつめる”という意味があります。何かに集中したり没頭したりすることを「傾注」と言います。

「視聴」は見る行為と聴く行為自体をさしますが、「傾注」はそれも含めて物事に集中するさまをさしている言葉です。

「視聴」と「試聴・聴取」との違いとは?

「試聴」は音楽などを”試しに聴くこと”

「試聴(しちょう)」とは、音楽や音源などを試しに聴くことです。購入する前のCDを試しに聴いたり一般に公開される前の音源を試しに聴いたりすることを「試聴」と言います。

「視聴」と「試聴」は、読み方は同じで意味は違います。見ることと聴くことをさしている「視聴」に対し、試しに聴く行為をさしているのが「試聴」です。

「聴取」はラジオなど”聞くだけのこと”

「聴取(ちょうしゅ)」とは、聞くことや聞き取ること。ラジオなど音だけを聞くことを「聴取する」と言います。近年はラジオを聞いている人のことを「リスナー」と呼びますが、日本語では「聴取者」と言います。

「視聴」はテレビを見るときに使いますが、「聴取」はラジオを聞くときに使います。

「視聴」の英語表現とは?

「視聴」の英語表現は”viewing”

「視聴」の英語表現には“viewing”が当てはまります。「viewing」はテレビなどを見ることや映画などを鑑賞することをさした言葉で、”視聴・視聴者”というニュアンスで使える言葉です。

また、「聴衆・観客」という意味の”audience”も、「視聴・視聴者」という意味で使えます。

まとめ

「視聴」とは、”見る行為と聴く行為の両方”を意味する言葉です。テレビなど見て聞いての両方をする場合に「視聴する」と表現します。テレビを見ている人のことは「視聴者」と呼び、その時間にそれぞれのテレビ番組を視聴している世帯や個人の割合をだしたものが「視聴率」です。

ラジオなど聞くだけをさすのは「聴取」と言います。また、「視聴」と同音異語である「試聴」は試し聞きをすることです。「視聴」と「試聴」は違う意味の言葉のため、表記を間違えないように注意しましょう。