イギリス国旗の意味と歴史とは?名前の由来と似てる国旗も解説

「ユニオンジャック」として知られるイギリスの国旗は、世界的にも有名な国旗のひとつです。このイギリスの国旗の成り立ちには、イギリスの4つの国の連合の歴史が隠されています。

今回はイギリスの国旗の意味と由来の他に、イギリス国旗の呼び名である「ユニオンジャック」と「ユニオンフラッグ」の違いなどを解説します。

※この記事の担当:Light1(海外在住20年。イギリス在住経験あり。イギリスのビネガー味のフライドポテトが好き)

イギリス国旗の意味とは?

「イギリスの国旗」は3国の旗を組み合わせた旗

「イギリスの国旗」はイギリスを構成する「イングランド」「スコットランド」の国旗と「北アイルランド」を表す旗を重ね合わせてデザインされています。

イギリスを構成する国に「ウェールズ」もありますが、ウェールズは13世紀末にイングランドの統治下であったことからウェールズ国旗はイギリス国旗の中に描かれていません。

イギリス国旗の呼び名には「ユニオンフラッグ」や「ユニオンジャック」があります。

イギリス国旗はイギリスの連合の歴史「初代ユニオンフラッグ」

初めてイギリスの国旗を制定したのはイングランド王のジェームズ1世です。世継ぎのいないイングランドのために、スコットランド王のジェームズ6世がジェームズ1世としてイングランド王に即位(1603年)しました。つまり、ジェームズ1世はスコットランド王とイングランド王を兼任します。

その結果、イングランドとスコットランドはそれぞれに政府と議会がある同君連合体制となり、国旗としてイングランドとスコットランドの国旗を重ねた初代ユニオンフラッグが制定(1603年)されました。

現イギリス国旗は二代目のユニオンフラッグ

1801年にアイルランド王国が加わり「グレートブリテンおよびアイルランド連合王国」が成立。国旗は初代ユニオンフラッグにアイルランドを表す「聖パトリック斜め十字」を重ねて、現在でも使われているイギリス国旗が誕生しました。

イギリス国旗を構成する3つの国の旗とは?

イギリス国旗はイングランド、スコットランド、北アイルランドの3つの旗で成り立っています。

イングランドの国旗は「セント・ジョージの十字架」

イングランドの国旗は白地に赤い十字が描かれている旗で、聖ゲオルギウス(セント・ジョ―ジ)の象徴です。聖ゲオルギウス(3世紀)はイングランドの守護聖人で、ドラゴンを退治したという逸話の持ち主です。

「セント・ジョージの十字架」は12世紀に十字軍の旗として用いられようとしたときに、イギリスは赤字に白十字、フランスが白地に赤十字が使われましたが、13世紀にはイギリスとフランスの旗が入れ替わりました。どうしてそのようなことになったのかはわかっていません。

スコットランドの国旗は「セント・アンドリューの十字架」

スコットランドの国旗は「セント・アンドリューの十字架」と呼ばれる青字に斜めの白十字が描かれている旗です。セント・アンドリューとはキリスト教の12使徒のひとり「聖アンデレ」のことで、X型の十字架で殉教したことからこのデザインになったと言われています。

スコットランドと聖アンドレとの関係ははっきりとしていませんが、聖アンデレの遺品がスコットランドに辿り着き、セント・アンドルーズ大聖堂(現在は廃墟)が建築されて中世の巡礼の地となったという説があります。また9世紀にピクト族のフングス王がアセルスタンフォードでの戦いで勝利する前に空に聖アンデレを象徴するX型の十字を見たという説もあります。

「北アイルランド」の「聖パトリック斜め十字」は国旗ではない

北アイルランドを表す旗「聖パトリック斜め十字」は白地に斜めの赤十字の旗で、アイルランドの守護聖人と言われる聖パトリックのシンボルであり、有力諸侯だったキルデア伯の旗でもあります。

「聖パトリック斜め十字」はユニオンジャックに取り入れられているものの、北アイルランドの国旗ではありません。北アイルランドには1953年~72年まで政府公認の旗「アルスター・バナー」がありましたが、北アイルランド議会が停止されて以来、政府公認の旗はありません。

そのため公共団体ではユニオンジャックが掲げられたり、スポーツ団体等ではアルスター・バナーが掲げられたりすることもあります。

イギリス国旗の名前とは?

イギリスの国旗の呼び名には「ユニオンジャック」と「ユニオンフラッグ」の両方があり、どちらも正式な呼称です。そこで、どうしてこの二つの呼称が生まれたのかについて解説します。

「ユニオンジャック」は海上での呼び名

世界的に親しまれている「ユニオンジャック(Union Jack)」という呼び名が生まれた理由は海軍と関係しています。

船の船首の旗竿を英語ではジャック・スタッフ(jack staff)と呼ぶのですが、17世紀の海軍の船のジャック・スタッフに、国の国籍を示すために小さなイギリス国旗が掲げられていたことから「ユニオンジャック」という呼び名が生まれました。

「ユニオンフラッグ」はイギリス人が慣れ親しんだ呼び名

海上ではなく陸上で使われるときにはイギリス国旗は「ユニオンフラッグ(Union Flag)」と呼ばれることが多いです。国際的にはユニオンジャックが有名ですが、イギリス人には慣れ親しんだ呼び方です。

「ユニオン」は「連合」という意味

「ユニオンジャック」と「ユニオンフラッグ」の共通語となる「ユニオン」は連合という意味です。この場合は連合国であるイギリスを指しています。

イギリス国旗は左右対称ではないって本当?

イギリス国旗は上下左右とも非対称

イギリスの国旗は一見、左右対称に見えますが、よく見ると、赤い斜線の位置が左右と上下の両方で対象となる位置になっていないことに気づきます。

これはスコットランドとアイルランドを平等に配置しようと配慮した結果です。白地に赤線が入るとアイルランドを意味する赤線が目立ってしまうため、カウンターチェンジという技法を使い赤斜線を反時計回りにずらすことで2国が同位であることを示しています。

イギリス国旗に似ている旗とは?

イギリス国旗と似ている旗はありませんが、イギリス国旗を旗の一部として挿入している国旗はあります。

イギリス領だった国の国旗にイギリス国旗が挿入

オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、クック諸島などの国旗には左上にイギリス国旗が描かれています。これらの国の共通点は、イギリスの植民地だったという歴史があります。

また国旗ではありませんが、アメリカのハワイ州の場合は、18世紀にイギリスとの交流があったことから、交流の証としてイギリス国旗がハワイ州の旗にデザインされています。

まとめ

イギリスの国旗にはイギリスの4つの国を連合国であることを示しています。ユニオンジャックとユニオンフラッグのどちらも正式な呼称なので、好きな方の呼び名を使いましょう。