イギリスの入国審査は英語なしでOK!「eGate」の利用条件を解説

「厳しい」という噂が絶えないイギリスの入国審査でしたが、それは昔の話。2019年5月から日本人観光客は自動化ゲートを通れるようになり、審査官による英語の質疑応答もなくなりました。

今回は、イギリスの入国審査の手順や自動化ゲートの利用方法ほかに、質疑応答での返答例や入国審査で注意することなどを解説します。

※この記事の担当:Light1(海外在住20年。イギリス在住経験あり。イギリスのビネガー味のフライドポテトが好き)

イギリスの入国審査は待ち時間が長い?

自動化ゲートで待ち時間短縮

イギリスの入国審査は自動化ゲートで、パスポートの情報を機械で読み込み顔認証を行うだけの審査です。元々、イギリスの入国審査は他国の入国審査に比べると「待ち時間が長い」と言われて評判があまりよくありませんでした。この長い待ち時間を緩和するために、イギリスの入国審査に「ePassport Gate」、通称「eGate(イ―ゲート)」と呼ばれる自動化ゲートが導入されました。このシステムが導入されてから短時間で入国審査が完了するようになりました。

イギリス国民と、EUと欧州経済領域(EEA)に属する国民は利用できていましたが、2019年5月22日からは日本人も自動化ゲートを使えます。

自動化ゲートは審査官による質疑応答もなく審査時間が短いので、待ち時間が解消されることが期待されています。

自動化ゲートの利用対象者と使い方とは?

「自動化ゲート」の利用対象者は”18歳以上のIC旅券保持者”

2019年5月から自動化ゲートの通貨が許されるようになった人は、日本をはじめとしてアメリカ、韓国、シンガポール、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの国民で18歳以上のIC旅券保持者です。入国の目的は観光で、6ヶ月以内の滞在であることも条件です。

12歳~17歳の人は成人の同伴者がいれば自動化ゲートを使えますが、同伴者がいない場合、また12歳未満の子連れも自動化ゲートを通れないので、自動化ゲート利用可能国の審査カウンターで審査官による入国審査を受けます。

英語による審査官の質疑応答はなし

自動化ゲートのメリットは、入国審査官による質疑応答がないことです。英語が苦手な人には朗報だと言えるでしょう。

自動化ゲートの通り方

自動化ゲートを通る前の準備として、パスポートのカバーを外し、帽子やサングラスなどの装飾品も外しておきます。

緑のライトが光っている自動化ゲートに進み、パスポートの読み取り部分に自分の写真が載っているページをかざして、前方のスクリーンを見ます。スクリーンが緑色になったら、パスポートを取って入国審査は終了します。

入国スタンプは押されない

自動化ゲートによる入国審査では入国スタンプは押されません。入国スタンプがないために免税店での買い物をするときにトラブルが生じることも考えられます。

そうしたトラブルを避けるために、免税店には帰国時の航空チケットを持参するか、審査官のいる入国審査を受けて入国スタンプを押してもらうといった対処法が考えられます。

入国審査での質問と返答例とは?

観光目的以外で入国するときは質疑応答を受ける

自動化ゲートを通らず、審査官による入国審査を受けなくてはならない人は、主に観光以外の目的で入国する人です。6ヶ月以内の留学で入国審査時にビザを取得する人や、留学やビジネス等の目的で入国する人、またはイギリス入国前にすでにビザを取得した人などです。

また観光目的でもIC旅券を所持していない人やパスポートに入国スタンプが必要な人は、入国審査官による入国審査を受けます。

入国審査でよく聞かれることは「入国目的・滞在期間・滞在先」

入国審査でのよく聞かれる質問は、よくある質問は次の3つです。

  • 入国目的
  • 滞在期間
  • 滞在先

ここで、上記の3点に関する質問例と答え方を紹介します。

入国目的を聞く質問例

”What is the purpose of your visit?”「訪問する目的は何ですか」

このように聞かれたら目的に合わせて次のように答えます。

【目的別の返答例】

  • 観光目的なら”Sightseeing”や”Holiday”
  • 留学目的なら”Learning of English”
  • 仕事なら”Business”

英語が苦手なら無理に文章にする必要はなく、英単語を並べるだけの回答で十分です。

入国目的を聞く質問例
  • “How long will you be staying?”「どれくらい滞在する予定ですか」
  • “How long are you going to stay in this country?”「どれくらいこの国にいる予定ですか」

返答するときは、ここでも短く〇日間、〇週間とだけ答えれば十分です。

【返答例】

  • “5 days”「5日間」
  • “For 3 weeks.”「3週間」
滞在先を聞く質問例
  • “Where are you staying?”「どこに滞在しますか」
  • “Where will you stay?”「どこに滞在予定ですか」

ここでは事前に予約しておいた宿泊先とその住所を答えます。口頭での返答が難しい場合には、滞在場所は宿泊先の予約表を提示するか、メモに書いて見せることもできます。事前に予約をしていない場合には、どのように滞在先を見つけるのかを説明します。

【返答例】

  • “I will stay at Hotel 〇〇. (ホテルの予約確認書を見せながら)The address is here. Please see this confirmation of the hotel.”「〇〇ホテルに泊まります。住所はここに。ホテルの予約確認書を見てください」
  • “I don’t book any accommodation. I will go to the information centre to find the accommodation to stay.”「宿泊先は予約していません。インフォメーションセンターに行って宿を探します」

準備しておいた方がいい返答

上記の3つに関する質問以外にも聞かれることがある事柄は次の通りです。返答に困らなないように、返答の準備はしておいた方がいいでしょう。

  • 職業。
  • イギリスへの訪問回数。
  • 同行者はいるか。
  • イギリスに知り合いはいるか。

英語が話せない人はメモを用意しておく

英語が話せない、または英語が苦手で質問に答える自信がない人は、質問されるかもしれない内容に対する答えを事前にメモにまとめておくといいでしょう。

入国審査は英語力が試される場所ではないので、口頭で答えられないならばメモを見せて答えることもできます。

イギリスの入国審査で注意することとは?

余計なことは言わない

審査官による入国審査を受けるときは、余計なことは言わずに、質問されたことだけを単刀直入に答えることが大切です。入国の目的を「観光」だと答えたあとに、「友人と会う予定がある」などと余計なことを言ってしまったために審査が長引いてしまうことがあります。

審査官と親しく話をする必要はありません。審査官と接するときは審査官の質問に対して事務的に応答するようにしましょう。

まとめ

イギリスの入国審査を短い待ち時間で、かつ審査官の質疑応答なしで済ませたいのなら、自動化ゲートを通過するようにしたほうがいいでしょう。そのためにはIC旅券が必要ですので、新しくパスポートを申請する場合にはIC旅券を取得することをおすすめします。

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Light1
「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。