「瓢箪から駒」とは、予測できないようなとんでもないことを表すことわざです。ここで言う「駒」とは何のことか、ご存知でしょうか?
ここでは「瓢箪から駒」という「ことわざ」について、意味や由来、使い方の例文を紹介。類語と英語表現も解説します。
「瓢箪から駒」の意味や由来とは?
「瓢箪から駒」の意味は「とんでもないこと」
「瓢箪から駒」の意味は、「とんでもないこと」です。「瓢箪から駒が出る」とも言われ、他にも「思いがけないこと」「冗談が本当のことになること」「道理上で信じられないことが起きること」などの意味があります。どう転んでも現実にはならない、予想すらできないような出来事が起こる様子を表現しています。
「瓢箪から駒」の駒とは「馬」が由来
「瓢箪から駒」の「駒」は実は「馬」のことです。昔、中国の仙人「帳果」が各地を白馬に乗り放浪していた時のこと、旅の疲れを癒すために休憩をするも、大きな馬の存在に困り果て、挙句の果てに馬を小さな瓢箪の中に入れてしまったという話です。
そして、旅を再開する時、また大きな馬を小さな瓢箪から出したことから「とんでもないことをする」意味で「瓢箪から駒(馬)」という表現をし、広く使われるようになったと言われています。
「瓢箪から駒」の使い方と例文
「瓢箪から駒」は予測できる事柄には使わない
意味を解釈する時に注意したい点は、「瓢箪から駒」は「未来において予測ができる範囲のことがら」には使わないということです。
たとえば、「正月の福袋販売で、3日の徹夜組が出てしまったとは瓢箪から駒だ」は間違った使い方です。なぜなら、魅力ある福袋を手に入れるために、徹夜をして並ぶことは「予測の範囲」であるからです。
使い方として正しいのは、予測できないような出来事に対して「瓢箪から駒だ」と表現することです。
「瓢箪から駒」を使った例文
「瓢箪から駒」を使った例文をご紹介しましょう。
- 今日、社長からまさかの金一封が出たよ。瓢箪から駒だ。
- 元取引先に電話をしたらビジネスの申し出があった。まさに瓢箪から駒さ。
- そんな話、瓢箪から駒もでなけりゃ無理なことだよ。
- ハリウッドスターと結婚するなんて、瓢箪から駒も出やしない。
- 瓢箪から駒が出るくらい、この世は予想不可能になりつつある。
「瓢箪から駒」の類語
似た意味のことわざは「嘘から出たまこと」
「瓢箪から駒」と同じ意味合いを持つことわざは「嘘から出たまこと」「虚は実を引く」「根もない嘘から芽が生える」「灰吹きから蛇が出る」また「冗談から駒」などがあります。言い換えをした例文を見てみましょう。
- 空からお札が降ってきた?冗談から駒もいいところだ。
- 最弱チームが最強チームを倒すと宣言し、勝利をおさめた。嘘からでたまことか?
類語「嘘から出たまこと」の深い教え
「瓢箪から駒」の類語の一つに「嘘から出たまこと」があります。このことわざは「嘘として言い放ったものごとが、最終的に現実となる様子」を指していますが、果たして嘘として話をしていたことが本当になるのは、単なる偶然に過ぎないのでしょうか?それとも、何かの教えを説いているのでしょうか?
「嘘から出たまこと」も「瓢箪から駒」と同様に、江戸の「いろはかるた」に使われている句であり「ものごとの教えを数多く並べる遊び」でもあります。「嘘から出たまこと」の教えを理解するなら「言葉を放った以上、そうなる運命にある」というように捉えることができるのかもしれません。
「瓢箪から駒」の英語・中国語表現
「瓢箪から駒」は英語で「Mows may come to earnest」
英語で「瓢箪から駒」を表現するときは、定型フレーズ「Mows may come to earnest=冗談が本当になること」があります。日常会話ではあまり使われることはありませんが、敢えて「ことわざ」として挙げる時に文面やメールなどで使われることが多いです。
また、一般的な表現で使うなら「something unexpected thing has happend=予想外のことが起きた」「It meant be a joke, but it turned out to be true=嘘が現実となった」が良いでしょう。
英会話で応用できる例文
国際的な会話が必要なシーンでどんどん取り入れてみましょう。
- I think something unexpected thing has happened between them
彼らの間で、予測もしていなかったようなことが起こったみたいだよ。 - You better stop making jokes now, otherwise you will learn how “Mows may come to earnest” really means.
(悪い)冗談はほどほどに。さもないと「瓢箪から駒」みたいな状況になりますよ。
中国語では「弄假成真」
中国での古典が語源となった背景もあり、中国語では成語として「瓢箪から駒」が使われています。
「瓢箪から駒」は中国で「弄假成真=nòng jiǎ chéng zhēn」となり「仮初めたものが本当になる」という意味があります。
まとめ
「瓢箪から駒」の「駒」は「馬」のことで、中国に住む仙人が残した「とんでもない」馬との逸話が由来となっています。現在は「思いがけないこと」「道理上であり得ないこと」「冗談で言ったことが現実となる」という意味のことわざとして使われています。
ビジネスにおける「瓢箪から駒」は、願わくば「良いものごと」であってほしいものですが、冗談も多少であるなら、予測不可能なことを現実化させるスパイスとして使うのも手ではないか?と思う次第です。