「厚生年金」加入期間と受給資格の関係とは?国民年金との関係も

会社に勤める人は会社を通して厚生年金保険料を支払っています。高齢になると老齢厚生年金を受給することができますが、どのくらいの加入期間があれば厚生年金の受給資格が得られるのでしょうか?

この記事では、毎月保険料を支払っていても意外と知らないことが多い年金制度について解説します。厚生年金保険の加入期間と受給資格との関係や、国民年金との関係、満額をもらうにはどうしたらよいのか、また何歳から年金が受け取れるのかについてわかりやすく説明します。

「厚生年金」の「加入期間」と「受給資格」との関係とは?

年金保険料を「10年以上」支払うと受給資格が得られる

公的年金は3種類あり、働き方によって加入する年金制度が決まります。日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金」、厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務する全ての人が加入する「厚生年金」、公務員・私立学校教職員などが加入する「共済年金」の3つです。

厚生年金保険に加入する人は、厚生年金の制度を通じて自動的に国民年金にも加入します。厚生年金に加入する人が65歳に達すると受給できる老齢年金は、国民年金の給付である「老齢基礎年金」と厚生年金の給付である「老齢厚生年金」の2種類となります。

「老齢基礎年金」の受給資格は、10年以上保険料を納めることで得られます。厚生年金に加入している人は厚生年金と一緒に国民年金にも加入しているため、厚生年金保険料を10年間納めた人も老齢基礎年金の受給資格を得ます。

極端な例ですが、例えば国民年金保険料を9年11か月納め、厚生年金保険料を1か月納めた人は10年分の老齢基礎年金と1か月分の厚生基礎年金の保険料を納めているため、老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給資格を得ていることになります。

老齢年金の「満額」をもらうには40年の加入期間が必要

厚生年金の保険料は、毎月の給与と賞与に保険料率(令和年度時点で18.3%)をかけて計算され、事業主が半分を負担します。所得額が大きい人ほど、給付額が多くなる仕組みです。

その一方で、国民年金の1か月当たりの保険料は一律で決められており、令和2年度時点で16,540円です。収入が少なく経済的に困難な人は申請により段階的な免除を受けることができます。

国民年金保険料の全額を40年間納めると、老齢基礎年金の満額を受給することができます。令和2年度時点での満額は1か月当たり65,141円となっています。

老齢厚生年金に満額の概念はなく、給与額に基づいて計算される「報酬比例」です。例として、収入が約44万円(賞与を含む月額換算)で40年間就業し、厚生年金保険料を40年間支払った場合に受給できる老齢厚生年金は月額約15万円です。この額には国民年金の老齢基礎年金の満額が含まれます。

老齢年金は「65歳」から受給できる

年金保険料を10年以上支払い、65歳に達すると老齢基礎年金(国民年金)を受け取ることができます。免除期間も受給資格期間に合算されます。先に説明したように、20歳から60歳までの40年間の全期間に全額の保険料を納めた人は、満額の老齢基礎年金を毎月受給できます。なお、保険料が全額免除された期間の年金額は1/2となります。

厚生年金の被保険者は、老齢基礎年金の受給資格を満たしている場合に65歳から老齢基礎年金とあわせて老齢厚生年金を受給できます。

年金の加入期間や見込み額を確認するには?

パソコンやスマホで確認できる「ねんきんネット」

国民年金または厚生年金保険に加入している人が、ご自身の年金記録や、将来受け取ることができる年金見込み額などを確認するには、日本年金機構がインターネットで提供している「ねんきんネット」を利用します。

※利用するには「ねんきんネット」への登録が必要です。

誕生月に毎年送付される「ねんきん定期便」

日本年金機構から年金記録を記載した「ねんきん定期便」が、年金の被保険者の誕生月に毎年送付されます。35歳、45歳、59歳の節目の年には全期間の年金記録と年金見込み額が封書で送付され、節目以外の年は直近1年間の情報と見込み額がはがきで郵送されます。

また、「ねんきんネット」に登録している人は、「ねんきん定期便」の電子版(PDFファイル)をダウンロードすることができます。

まとめ

日本国内に住所がある20歳以上・60歳未満の人は、国民年金保険への加入は義務となっています。会社の厚生年金保険に加入する会社員などの人は、厚生年金の制度を通じて自動的に国民年金にも加入しています。

厚生年金保険に加入している人は、「基礎年金」に加えて、厚生年金を受け取ることができますが、加入期間が10年あることが要件です。つまり会社を通じて厚生年金に加入している期間が10年以上ある人、あるいは国民年金と厚生年金の加入期間があわせて10年以上ある人が老齢年金の受給資格者となります。

また、受け取れる年金の金額は支払った保険料や期間によって変動します。自分の年金記録や年金見込み額は、日本年金機構のホームページで確認することができますので、是非確認してみてください。