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「当たり前」の意味と語源とは?使い方や類語での言い換え・英語も

「当たり前」という表現は、一般的な会話やビジネスシーンなどで頻出する言葉の一つです。日頃は意識することなく使っていますが、語源や使い方の注意点はあるのでしょうか?

ここでは「当たり前」の意味や使い方、類語での言い換えなどについて紹介します。英語表現も最後に載せていますので、国際社会に向けておさえておきましょう。

「当たり前」の意味と語源とは?

「当たり前」の意味①分かりきっていること

「当たり前」の意味は、“分かりきっている事柄や内容、または様子”などです。あえて口に出して言う必要性がない位、はっきりと分かりきっていることを指しています。

「当たり前」とは”言うまでもない事柄や様子”のことで、考え方やものごとの捉え方などが、世間一般的に広く共有されている状態を表しています。つまり、誰がどう考えてもそのようなこと、当然なことが「当たり前」です。

「当たり前」の意味②明白で紛れもないこと

「当たり前」とは、誰から見ても“ものごとや様子が明白で紛れもないこと”を意味します。どの角度から見ても、どう捉えても、それ以外に疑いようのないことを表し、見まがうことのない様子を指す言葉です。

「当たり前」とは世間にとって、その事柄や状況に相違がなく、はっきりとしたことを意味します。言葉としては何気なく口から飛び出す言葉でもありますが、意味的には非常に固定観念の強い表現とも言えます。

「当たり前」の語源は”当然”の当て字

「当たり前」の語源は明らかではありません。しかし、最も有力な説として、中国から「当然」という言葉が日本に伝わり、そのまま当て字として「当たり前」となったという話が伝えられています。

もう一つの語源説は、「分配における取り分を当たり前」と言っていたことが挙げられます。共同生活をし狩猟を中心としていた時代に、それぞれ平等に配給を受けることを「当たり前」と呼んでいたことから、「それを貰う当然の権利」という意味合いで使われるようになったという説です。

どちらが本説なのかは未だにわかっていませんが、どちらも語源としては関係性が深く、理にかなったものだと言えるでしょう。

「当たり前」を使う時の注意点とは?

「当たり前」をむやみに濫用しない

「そんなの当たり前でしょう」「そんな当たり前のことも知らないの?」というように、「当たり前」という言葉は容易に口から出る表現の一つです。しかし、物事や様子に対する「当たり前」とは、世間一般が常識として共有し、はっきりと明らかであることが前提です。

「当たり前」は日常会話で頻出する言葉の一つですが、むやみに濫用してしまうと、使い方によっては、やや一方的である印象を与えてしまうことがあります。言葉の使い過ぎは避けましょう。

他人にとっては「当たり前」ではないこともある

前述の内容に関連しますが、自分にとっての「当たり前」が、他人にはそうではないこともあります。

たとえば「赤信号で止まり、青信号で渡る」「海水はしょっぱくて、海には魚がいる」。これらは、世間的に共有した明白な事柄であり「当たり前」のこととして意味を成しています。つまり、誰もが共有し、当然であるという認識があるということです。

しかし、「午前中に仕事を片づける」「土日は運動をする」などの事柄は、自分にとっては当たり前なことであっても、他人にとってはそうではないことがあります。

「当たり前」を使う時は、果たして相手にとっても「当たり前のこと」なのかを考えることを忘れないようにしましょう。そうでなければ、押しつけがましい独りよがりな発言になってしまうからです。

ビジネスでは「当たり前」を類語に置き換える

ビジネス会議やビジネスメールでも、「当たり前」という表現を使わなければならない場面が登場してきます。とくに取引や商談では、「当たり前」を使うことで、相手に押しつけがましくならないようにすることが大切です。お互いの関係にひびや摩擦が入らないように、「当たり前」という言葉を別の類語表現に置き換えてみましょう。

言い換えの例

ここは予算を削るのが当たり前ですよね?
ここは予算を削るのが自然な流れですよね?

変更の連絡をするのが当たり前だと思います。
変更の連絡をするのが当然の義務だと思います。

社員研修を行うのが当たり前となっています。
社員研修を行うのが現在では常識になりつつあります。(常識という認識があります)

今のご時世、転職するのは当たり前となっている。
今のご時世、転職するのがトレンドとなっている。

「当たり前」という表現は時には圧迫的でパンチのある言葉です。自分の考えや物事への捉え方を他人に押し付けることがないように、ビジネスでは適切に言葉を置き換えていきましょう。

「当たり前」の英語フレーズとは?

「当たり前」の英語は”obvious”や”of course”を使う

「当たり前」は英語で“obvious(明白である) ““of course(もちろん)”を使うのが最も一般的です。これらは日常会話でもビジネスメールでも、あらゆるシーンで使える便利なフレーズとなります。

また、「常識である」「疑う余地もない」といったニュアンスを強く響かせたい場合は、「Everyone knows that(誰もが知っている)」や「no wonder(疑う余地なし)」「no surprise(驚きもしない=当然である)」などを使うこともできます。

「当たり前」を丁寧な文章で表すこともできる

ビジネスシーンでは相手に誤解のないように、適切な文章を用いて丁寧に表現することも大切です。「当たり前」という事柄や状況を相手に伝える時は、以下のようなセンテンスを使って文章をまとめてみても良いでしょう。

  • It’s common sense that… (~は一般常識です)
  • It’s natural to me that…(~は私にとって自然なことです)
  • It’s usual to everyone that… (~は皆にとっては、普通なことです)
  • it’s normal to us that …(~するのは私たちにとって当たり前です)

まとめ

「当たり前」とは”世間一般的にみて当然のこと・誰から見ても、誰が考えても明白で疑う余地がない様子”を意味する言葉です。

興味深い言葉の語源は、中国から伝わった当然を「当前」と当て字にしたという説、また、狩猟の分配が当たり前の権利であったことから、そのような意味を成したという説の2つがあります。

ごくまれに「他人にとっては当たり前ではない」ことがあります。「当たり前」という表現を使う時は、「自分にとって当たり前なのか、世間から見て当たり前なのか」を考えてから使うようにしましょう。