「記述(きじゅつ)」とは”文章にして書き記すこと”を意味する言葉です。似た表現に「記載」や「記入」がありますが、違いが分からないという方もいるでしょう。
この記事では「記述」の読み方や使い方の例文、類語を解説します。くわえて、「記述」の英語表現や記述問題の書き方も解説しましょう。
「記述」の意味と読み方とは?
「記述」の意味は”書き記す”
「記述」の意味は、“文章にして書き記すこと・その書き記したもの”です。「記」が”書き記すこと・書き記した文書”を、「述」が”のべること”をそれぞれ意味します。
「記述」の読み方は”きじゅつ”
「記述」の読み方は“きじゅつ”です。「記述」と同じ読み方をする熟語に「奇術」や「既述」がありますが、「奇術」は”手品”を、「既述」は”すでに述べたこと”をそれぞれ意味します。漢字を間違えないよう注意しましょう。
「記述」の使い方と例文とは?
文章を使って書く状況で使う
「記述」は文章を使って書く状況で使います。とくに「記述」は客観的な文章を書くことを表します。物事の様子や自分の考えなどを、筋道をたてて客観的に書き記す状況で使用しましょう。
「記述統計」とは”データの性質などを把握する方法”
「記述」を使った言葉に「記述統計」があります。「記述統計」とは統計の方法の1つで「収集したデータを整理して、そのデータの性質や傾向を明確にすること」を意味します。たとえば「平均値は○○」や「中央値は○○」「~の割合は○○%」のように、データを元に特徴を把握することを「記述統計」と言うのです。
「記述する」「記述式」のように表す
「記述」は”記述する”や”記述式”のように使われます。「記述する」は”文章にして書き記す”という動作を行っている状況を表します。「記述する」の他にも「記述がある」や「記述されている」「記述される」のように使いましょう。
一方で「記述式」とは”テスト問題において、被験者に回答を記述させる問題”を意味する言葉です。該当する部分を塗りつぶす「マークシート方式」とは異なり、被験者の理解度や論理的な思考が求められます。
「記述」を使った例文
「記述」を使った例文をご紹介しましょう。
- 報告書の記述によると、機材の故障により開始時間が遅れたそうだ。
- 発見された文献には、古代中国とその周辺諸国に関する記述があった。
- 江戸時代初期にはすでに、以下のような記述が見られている。
「記述」の類語とその違いとは?
「記述」の類語は”叙述”
「記述」の類語には“叙述(じょじゅつ)”が当てはまります。「叙述」とは”物事について順を追って書き述べること”を意味する言葉です。「記述」と「叙述」は”物事の様子などを、文章にして書き記す”という点が共通しているため、類語として言い換えてみましょう。
また、「書く」という点では「記載」や「記入」も似た意味をもちます。「記載」とは”書類や書物に書き記すこと”を、「記入」は”特定の用紙などに書くこと”をそれぞれ意味します。
「記述」と「記載」の違いは”どこに書くか”
「記述」と「記載」の違いは”どこに書くか”にあります。「記述」は”書き記すこと”を意味しますが、「記載」は”書類や書物に書き記す”を意味します。「書き記す」という意味は共通していますが、「記載」は書いたものが書類や書物として残る状況で使用しましょう。
「記述」と「記入」の違いは”何を書くか”
「記述」と「記入」の違いは”何を書くか”にあります。「記述」は”文章を書き記すこと”を意味しますが、「記入」は”文字や数字・記号を書くこと”を意味します。書く内容が文章か、それ以外なのかによって使い分けましょう。
記述…文章を書き記すこと。
記入…文字や数字・記号を書くこと。
「記述」の英語表現とは?
「記述」は英語で”Description”
「記述」の英語表現には“Description”が適しています。「Description」とは”記述”や”描写”を意味する単語です。たとえば「A description of」と使うことで、”○○の記述”を表せます。
「記述」の英語を使った例文
「記述」の英語を使った例文をご紹介しましょう。
The description is unreliable.
意味:その記述は信用性に欠ける。
記述問題の書き方とは?
要点を箇条書きにして1つの文章にまとめる
記述式の問題には箇条書きを使うことで、まとまった文章を作れます。箇条書きで要点をまとめておくことで、文中に入れるべき箇所を漏らさずに文章を作成できるのです。ただ、採点基準によっては、箇条書きのみで解答すると減点される場合があります。
箇条書きはあくまで要点をまとめるための手段として活用し、問われている内容に明確な答えを出しましょう。
まとめ
「記述」とは”文章にして書き記すこと”を意味する言葉です。客観的に物事の様子や自分の考えを書く状況で、「記述する」や「記述式」のように使われます。「記述」と似た表現に「記載」や「記入」がありますが、「どこに書くか」や「何を書くか」によって使い分けましょう。
記述…書き記すこと。
記載…書類や書物に書き記すこと。