イギリスにはスコーンをはじめとする伝統的なお菓子だけでなく、見た目にもかわいいお菓子がたくさんあります。今回は、イギリスの伝統的なお菓子やイギリスに行ったときに味わっていただきたいお菓子のほかにスコーンのレシピも紹介しますので、イギリスの味を楽しんでみてください。
※この記事の担当:Light1(海外在住20年。イギリス在住経験あり。イギリスのビネガー味のフライドポテトが好き)
イギリスの伝統的なお菓子とは?
「ヴィクトリアスポンジケーキ」は中世からの伝統の味
イギリスのお菓子で有名な「ヴィクトリアスポンジケーキ(victoria sponge)」は、しっとりとしたスポンジケーキにストロベリーかラズベリーのジャムをはさんだシンプルなケーキです。最近では粉砂糖でケーキにお化粧をしたり、生クリームやバタークリームをはさんだりすることもあります。
「ヴィクトリアスポンジケーキ」が19世紀のヴィクトリア女王(1819-1901)が好んだと言われる伝統的なケーキで、19世紀頃のアフタヌーンティーではスコーンやサンドウィッチと並んで人気のデザートになりました。
「スコーン」はイギリススイーツを代表するお菓子
イギリスで伝統的なお菓子として名高いのが「スコーン(scone)」です。パンとビスケットの中間を行くような食感で、ジャムと一緒に生クリームよりも濃厚なクロテッドクリームを塗って食べるのがイギリス流です。
スコーンはイギリスで有名なアフタヌーンティーのデザートのひとつとして出されますが、ランチとディナーの間に食事に近い食べ方である「クリームティー(cream tea)」で紅茶と一緒に食べられることもあります。
「キャロットケーキ」はニンジンがたっぷり
「ニンジンケーキ(carrot cake)」は中世時代に高価な砂糖の代わりにニンジンが使われたことから、ニンジンがたっぷりと入ったケーキです。クリームチーズのアイシングでトッピンググすることもあれば、ナッツ、レーズン、ココナッツなどのドライフルーツを入れたキャロットケーキもあります。
「ショートブレッド」はその触感に病みつきになる
スコットランド発祥の「ショートブレッド(shortbread)」はバタービスケットと比較されることが多いのですが、ショートブレッドはビスケットよりも砂糖と小麦粉の分量が少なめで、高温で焼かれるので密度が高めです。ほろっと砕けるような食感です。
「フラップジャック」は高カロリーなので要注意
「フラップジャック」(flapjacks)は、オートミールに砂糖やゴールデンシロップを混ぜ合わせて、溶かしバターで固めたシリアルバー風のケーキです。ナッツやドライフルーツを加えたものもあれば、歯にくっつくような粘りがあるタイプやカリッと歯ごたえのあるタイプもあります。ティータイムやお弁当のデザートとして、スナック感覚で食べられています。
イギリスに行ったら食べたい有名なお菓子とは?
ここでは、イギリス現地でぜひ味わってもらいたいお菓子を紹介します。
「ファッジ」は様々なフレーバーが楽しめるイギリスの駄菓子
「ファッジ(fudge)」は見た目はキャラメルのようなのですが、実際に食べるとほどよく口で溶けていく甘い砂糖菓子です。チョコレート、キャラメル、コーヒー、バニラ、クロテッドクリーム、塩キャラメルやウィスキー味などフレイバーが豊富で、見ているだけで楽しい気分になってくるお菓子です。
マーケットなどで量り売りされているので、マーケットを見つけたら探してみてください。
「スポッテッド・ディック」は温かいクリームとの組み合わせが絶品
「スポッテッド・ディック(spotted dick)」はレーズン入りの蒸しパンに温かいカスタードクリームをかけていただくデザートです。パンの中のレーズンが点々模様に見えることからspotted(意味は「斑点」)と名付けられました。軽食代わりになるほどボリュームがありますから、食べ過ぎに注意してください。
「トライフル」はイギリス生まれのデザート
イギリス生まれのデザート「トライフル(trifle)」は、パフェのように様々なものを重ねていきます。さいころ状に切ったスポンジケーキや小さく切ったフルーツゼリー、その上からシェリー酒やジュースかけて、最後にカスタードクリームなどをトッピング。いろんな味を楽しめるデザートです。
「エトン・メス」は夏にイギリスで味わいたい
夏のデザートとして人気の「エトン・メス(Eton Mess)」は、生のイチゴ、メレンゲ、生クリームがぐちゃぐちゃと混ざっている様子から、「mess(意味は混乱やめちゃくちゃ)」と名づけられたデザートです。最近ではアイスクリームをトッピングしたり、いちご以外にもラズベリーやブラックベリーなどの他の果物が使われたりすることもあります。
1930年代にエトン大学で6月4日の表彰式で振舞われたことから全国的に広まりました。
「スティッキー・トフィ・プディング」は忘れられない濃厚な味
「スティッキー・トフィ・プディング(sticky toffee pudding)」は第二次世界大戦中にカナダの空軍将校がイギリスのホテルに作ってくれるようにお願いしたことから、イギリス中に伝わったと言われるケーキです。ナツメヤシと一緒に焼き上げたスポンジケーキに、トフィーと呼ばれるキャンディを溶かして作った粘りのあるソースがかかっていて、バニラアイスを添えるのが伝統的です。
「スティッキー・トフィ・プディング」は素朴なケーキとして知られていて、洒落たレストランよりはパプなどで食べるのがイギリス流です。
「スコーン」のレシピ!イギリスの味をご自宅で
「スコーン」はイギリスの女の子は母親から最初に習うお菓子のレシピはスコーンとも言われるイギリスの伝統的お菓子です。ここではイギリス式スコーンのレシピを紹介します。
クロテッドクリームとジャムでご賞味いただきたいのですが、クロテッドクリームが手に入りにくければ脂肪分高めの生クリームで代用してみてください。
スコーン8個分の材料
- 小麦粉 350g
- ベーキングパウダー 小さじ4
- 塩 一つまみ
- バター 85g
- グラニュー糖 小さじ3
- バニラエッセンス 適量
- 牛乳 175ml
- 牛乳(仕上げ用)少量
スコーンの作り方
- オーブンを220℃に予熱する。バターはサイコロ上に角切りにする。牛乳は電子レンジで30秒ほどかけて温める。
- ボールに小麦粉とベーキングパウダー、塩を入れて混ぜ合わせる。
- 2にバターを加えて指ですり合わせるように混ぜ合わせた後、グラニュー糖を加えて混ぜる。
- 3に温めた牛乳とバニラエッセンスを入れて混ぜる。(こねないように注意)
- 小麦粉を薄く引いたまな板の上に3の生地を移して、生地を伸ばして3回ほど折りたたむ。(生地を押し付けないように)
- 約4㎝の厚みに生地を整えて、ナイフで約5㎝角に切る。
- クッキングシートを引いた天板に6を乗せて、仕上げ用の牛乳を塗ったら10分ほど焼く。スコーンがしっかりと膨らんできてこんがりと焼けたらできあがり。
まとめ
イギリスの伝統的なお菓子やイギリスで味わっていただきたいお菓子を紹介しましたが、イギリスにはここに紹介した以外にもたくさんのデザートがあるスイーツ天国です。イギリスにお越しの際には、さまざまなデザートを試してみてください。