「目から鱗が落ちる」の意味と使い方!由来や類語も解説

「地方訛りは手話にも出るらしい」「女性が怒るのは寂しいとき」など、聞くと少しだけ得した気分になれる「目から鱗(うろこ)」の雑学は、バラエティ番組やネット上で人気です。一方、「目から鱗(うろこ)が落ちる」という実生活ではあまり見かけないシチュエーションが今ひとつイメージできなかったり、そもそも目に入っている理由を知っていますか?今回は、そんな「目から鱗(うろこ)」について掘り下げます。



「目から鱗(うろこ)」の意味と類語

意味は「まったく新しい発想を得る」

「目から鱗(うろこ)」は「いろはかるた」の読み札としてもおなじみの諺(ことわざ)で、あるきっかけで急に大きな発想の転換が起きたり、新しい知識を得たりしたときの「知らなかった!」という心境をあらわす言葉です。

日常会話の中では「目から鱗(うろこ)が落ちました」や、「落ちたような思いです」のように表現され、「目から鱗(うろこ)」と省略されたり、読みやすいように「目からウロコ」とカタカナ表記されることも多いようです。

それまで気にも留めなかったような日常の小さな「発見」や、前々から不思議に思っていた疑問が解消されたとき、果ては人生観を変えてしまうほどの大きな「気づき」を得た瞬間など、日常の幅広いシーンに使われているのが「目から鱗(うろこ)」という言葉です。

「鱗(うろこ)」とは文字どおり魚のウロコのことで、「見ていたつもりが、何も見えていなかった」という心境を、まるで薄いフィルターが両眼に貼りついていたかのようだとする隠喩表現になっています。

類語は「開眼する」「腑に落ちる」

「目から鱗(うろこ)」の類語には、「なるほどと納得する」「(疑問が解けて)ポンと膝(ひざ)を打つ」「思わずハッとさせられる」などがあります。いずれも急にモノの見え方が変化したり、思いもしないような理解が得られた状態で、劇的な心境の変化に「自分でも驚いた」というニュアンスが含まれます。

「目から鱗(うろこ)」の語源とは?

由来は新約聖書の「使徒行伝」

「目から鱗(うろこ)」の由来は、新約聖書の使徒行伝(しとぎょうでん)にある一節で、「すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった(第9章18節)」という故事にちなんでいます。聖書を由来とすることわざは、ほかにも「狭き門」「豚に真珠」「目には目を」などたくさんありますが、「目から鱗(うろこ)」はその中でもとくに有名な「サウロの回心」と呼ばれているエピソードに出てくるフレーズです。

「目から鱗」が使われているシーン

大宣教師・使徒パウロは、サウロと名乗っていた時代にはキリスト教徒を迫害するグループのリーダー的存在でした。聖書には、ある旅の途中でイエスの霊に遭遇したサウロが強い光で3日のあいだ視力を失い、その後キリスト教徒の祈りによって開眼したとあり、そのときに「目から鱗(うろこ)が落ちた」と記されています。サウロはパウロと改名し、キリスト教の伝道に生涯をささげたといわれています。

ちなみに、魚の鱗(うろこ)というと日本人はタイやアジのような海水魚の硬くて大きな鱗をイメージしてしまいますが、サウロがキリスト教徒を追って旅していたダマスコ(現ダマスカス)の地は地中海から80kmの内陸部で、しかも海抜680mという高地に位置することから、おもに食されていたのは薄く小さなウロコをもつ川魚だったのではないかと考えられます。

「目から鱗(うろこ)」の使い方

日常会話で使える「目から鱗(うろこ)」の例文

  • はっきりと指摘していただいたおかげで、目から鱗が落ちました。
  • そのニュースを聞いたときは、まさに目から鱗が落ちる思いでした。
  • 防災アプリがいざというときに使えないという事実を知り、多くの人は目から鱗が落ちるような思いを味わった。

「目から鱗(うろこ)」の英語表現

「目から鱗(うろこ)」は、英語訳聖書の「The scales fall from one’s eyes.(~の目から鱗が落ちる)」がそのまま日本語に翻訳されたものです。ほかに「eye-opener(目を開かせるもの)」を使って「The story was an eye-opener to her.(その話は彼女の目を開かせた)」などといいます。

まとめ

何気なく使ってることわざの中でも、とくに語源が気になる「目から鱗(うろこ)」の意味や例文について紹介しました。省略されることも多いためか、ある調査によれば「目から鱗(うろこ)が取れる」と認識している人も一定数存在するようです。この機会にぜひ正しい言い方を確認してください。