「拮抗」の意味と読み方・使い方とは?例文や類語・対義語も解説

「賛否が拮抗する」などと使われる「拮抗」という言葉。しばしば目にしますが、意味や読み方がよくわからないという人も多いようです。

この記事では、「拮抗」の意味や読み方に加えて、使い方・例文や類語・対義語も解説します。

「拮抗」の意味と読み方とは?

「拮抗」の意味は「互いに同じくらいの力で張り合うこと」

「拮抗」とは、互いの勢力がほぼ等しく、同じくらいの力で張り合っていることという意味です。

「拮抗する二大勢力」「賛否が拮抗する」などと、二つの対象同士が力を競い合ったり、異なる意見が対立したりするときに、互いに同じくらいの力で張り合っている状態であることを表現します。

「拮」「抗」とも「張り合う」という意味を持つ

「拮(きつ・けつ)」とは「引き締める・張り合う」という意味ですが、「抗(こう)」にも同じように「まけずに張り合う」という意味があります。「抗」は訓読みでは「あらが‐う」です。「抗う」とは、抵抗するという意味を持ちます。

この二つの漢字の意味から、「拮抗」とは、「同じくらいの力」という意味に加えて、「お互いに張り合う」という意味を強く持つことがわかります。

「拮抗」の読み方は「きっこう」

「拮抗」の読み方は「きっこう」です。本来は「けっこう」と読みますが、慣用読みである「きっこう」の読み方が定着しています。

「拮抗」の使い方と例文

相対する力がせめぎ合う状態を「拮抗する」と表現する

二つあるいは複数の考え方が対立しているとき、互いの力が同じくらいに張り合い、せめぎ合う状態であるときに「拮抗している」と表現します。特に、二つの事柄が争う緊張状態にあるときに使われることが多い表現です。次のような例文が挙げられます。

例文
  • 勝敗が拮抗するゲーム展開は終盤まで続いた
  • A市は、町民の賛否が拮抗する中、住民投票に踏み切った
  • 両候補とも勢力図が拮抗する中での戦いであった
  • 古い価値観と新しい価値観が拮抗する状態が続いている
  • 慎重派と推進派の意見が拮抗しており、集約できるかは不透明だ

「拮抗」の類語とは?

互いの力に差がないという意味の「互角」

「互角(ごかく)」とは、「互いの力に差がない」という意味です。「互角に渡り合う」「互角の勝負」などと双方の力や優劣に差がつかない状態を表現します。牛の角が長さ・大きさに差がないところからできた言葉です。

「拮抗」も互いの力に差がないという意味では同じですが、優勢になったり劣勢になったりしながらお互いがせめぎ合う緊張状態にある時には「拮抗」が使われます。「互角」はせめぎあう状態ではなく、五分五分の状況を表します。

勝敗が決まらないまま争うという意味の「せめぎあう」

「拮抗する状態」に似た状態として「せめぎあう状態」という表現があります。「古い価値観と新しい価値観が拮抗している」は「古い価値観と新しい価値観がせめぎあっている」と言い換えることができます。しかしそのニュアンスは異なります。

「拮抗する」よりも「せめぎ合う」の表現の方が、優劣や勝敗を決めるために争っている状態を表すのに適しています。いつまでも勝敗が決まらないまま戦っている状態を「地獄のせめぎ合い」と表現することもあります。

「拮抗する」は実力や優劣などが同程度であるときにも使われますが、「せめぎあう」はどちらが優位かを決めるために争いの状態にあるときに使います。

「拮抗」の対義語とは?

程度の差が非常に大きいという意味の「各段の違い」

「互いに同じくらいの力で張り合うこと」という意味の「拮抗」に対義語はあるのでしょうか?反対の意味を持つ熟語は無いのですが、違いが大きいという意味を持つ言葉としては「各段」があります。

「各段」の意味は「物事の程度の差がはなはだしいこと」という意味です。「各段の違い」「各段の相違」という言い回しでは「2つの事柄の程度の差がはなはだしいこと」という意味になります。

医学用語での「拮抗」の意味

二つの要因がその効果を打ち消し合うように働く「拮抗作用」

医学用語に「拮抗作用」という言葉があります。拮抗作用とは、生物体に起こるある現象に対して、二つの要因が同時に作用し、互いにその効果を打ち消し合うように働く作用のことをいいます。交感神経と副交感神経の拮抗作用がよく知られています。

まとめ

相互の勢力などが同じくらいで張り合う状態を「拮抗する」と表現します。「拮」と「抗」の語はどちらも「張り合う」という意味があり、双方が同じくらいの力という意味より、「張り合っている状態」に重きを置いた表現です。

似た意味の言葉として、優劣や力がお互いに同じ位であることを表す「互角」がありますが、互角には「張り合っている」というニュアンスは含まれません。

「賛否が拮抗する」というときは、賛否の意見が同じくらいある、ということではなく、両者の意見が上になったり下になったりしながら、お互いに同じくらいに張り合っている状態であることを表しています。