イギリスで人気の名前とは?愛称の作り方と苗字の由来を解説

日本と同じようにイギリスでも名づけランキングが毎年のように発表されているのですが、この記事では2020年にイギリスで発表された名づけランキングからトップ3の名前とイギリス人の名前の付け方を紹介します。また、親しい間柄で使われる愛称(ニックネーム)やイギリスの多い苗字とその由来についても解説します。

※この記事の担当:Light1(海外在住20年。イギリス在住経験あり。イギリスのビネガー味のフライドポテトが好き)

イギリスで人気の名前とは?

【男性名】人気の名前は「ムハンマド」

イギリスの名前で人気なのは、男性名では「ムハンマド」です。ベイビーセンターUKの発表によると、2020年の名づけの人気ランキングでは、「ムハンマド」が1位で、続いて「ノア」と「オリバー」になりました。

「ムハンマド」はアラブ系の名前で、イギリスに住む多くの移民と関係していると言われています。一方「ノア」は聖書を由来とする名前で、聖書由来の名前には「ジェイコブ」や「ジョシュア」なども挙げられ人気があります。

「オリバー」も歴代人気のある名前のひとつで、ラテン語の「オリーブ」に由来します。『オリバーツイスト』などの様々な文学作品や映画などでもよく使われる名前です。

【女性名】人気の名前は「ソフィア」

女の子の名前では「ソフィア」が昨年1位の「オリヴィア」を破って1位にランキングしました。「ソフィア」は「オリヴィア」とともに昔からある名前で、「ソフィア」は「知性」を意味しています。2位となった「オリヴィア」も昔からある名前で人気は根強く、男の子の名前として人気の「オリバー」と同じ起源で「オリーブ」を意味しています。

人気のTV番組が名付けに影響を与える

イギリスで人気のある名前には、オリバーのように昔からある伝統的な名前や聖書を由来とした名前がありますが、最近の傾向では人気のテレビ番組も影響しています。今年流行った番組のキャラクターやプロデューサーの名前を赤ちゃんに付ける例が出てきています。

他にも人気ゲームのキャラクター名も影響していますし、また社会問題となっているブラック・ライブス・マターの影響から黒人のアクティヴィストの名前から名付けられることもあります。

イギリスでは仲のいい相手に愛称を使うの?

「愛称」は相手との距離を縮める潤滑油

イギリスでは仲のいい相手を呼ぶときに愛称(ニックネーム)が使われることが多いです。日本でも親しい相手に「ちゃん」を付けて名前を呼ぶことがあるように、それに似た感覚で親しみを込めて愛称が使われています。

愛称の作り方①名前を短縮させる

愛称の作り方はいろいろあるのですが、そのひとつに名前を短くさせる方法があります。その例は次の通りです。

名前を短縮させた愛称例
  • 「マイケル」の愛称:マイク、マイキー、ミッキー
  • 「アレクサンダー」の愛称:アレックス、アレック、アイ
  • 「アンドリュー」の愛称:アンディ
  • 「クリストファー」の愛称:クリス
  • 「フィリップ」の愛称:フィル

愛称の作り方②名前の語尾を使う

名前の語尾だけを使って愛称にする方法です。

語尾を使った愛称例
  • 「アンドリュー」の愛称;ドリュー
  • 「アントニー」の愛称:トニー

愛称の作り方③名前の語尾を伸ばす

名前の語尾を伸ばすことで親しみを持たせた愛称にします。

語尾を伸ばした愛称例
  • 「オリバー」の愛称:オリー
  • 「ニコラス」の愛称:ニッキー
  • 「サミュエル」の愛称:サミー
  • 「ジョン」の愛称:ジョニー

愛称の作り方④元の名前がわからないほどに変化させる

元の名前からは想像できないように変化をさせて、発音しやすいような愛称を作ります。

元の名前が想像しにくい愛称例
  • 「キャサリン」の愛称:ケイティ
  • 「ウィリアム」の愛称:ビル

イギリスに多い苗字とは?

イギリスに多い苗字は「スミス」「ジョーンズ」「ウィリアムズ」

イギリスには45,000以上の苗字があると言われていますが、2016年のブリストルにあるウエスト・オブ・イングランド大学により発表された研究によると、イギリスで最も多い苗字のトップ3は「スミス(Smith)」「ジョーンズ(Jones)」「ウィリアムズ(Williams)」でした。

イギリスは多国籍文化ですが、どの苗字もイギリスの伝統的な苗字です。

職業由来の苗字例

イギリスで使われる多くの苗字は職業や場所、ニックネームなどが苗字の由来となっています。

例えばイギリスに多い苗字のひとつ「スミス」は鍛冶屋という意味で、職業名がそのまま苗字になりました。職業由来の名前の例は次の通りです。

職業が由来の名前例
  • テイラー(Taylor):仕立て屋
  • ベイカー(Baker):パン屋
  • ビードル(Beadle):教会などの典礼係

場所が由来の苗字例

丘や広場などの場所を由来とした苗字です。

場所が由来の名前例
  • ヒル(Hill):丘
  • グリーン(Green):村落広場の意味である「village green」が由来。

父親の名前が由来となった苗字例

父親の名前を苗字にして「○○さんの」や「○○さんの息子」といった表現が苗字として使われています。

父親の名前が由来の名前例
  • ジョーンズ(Jones):「ジョーンの」という意味
  • ウィリアムズ(Williams)「ウィリアムの」という意味
  • ジャクソン(Jackson):ジャックの息子
  • ジェンキンソン(Jenkinson):ジェンキンの息子

ニックネームが由来となった苗字例

その人の特徴を生かしたニックネームが苗字になった例もあります。

ニックネーム由来の苗字例
  • ブラウン(Brown):髪が茶色の人、浅黒い人
  • ショート(Short): 背が低い人
  • ティン(Thin):痩せている人

まとめ

イギリスの人気の名前には伝統的な名前もありますが、TV番組の影響を受けるなどその時々の時事が反映されることがあるようです。また苗字は、職業や地名が由来することは日本でも考えられますが、父親の名前を使って苗字にするという方法は日本にはない苗字の成り立ち方ですね。

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「難解なワードでもわかりやすく」をモットーに、常識ワードからビジネス用語、時には文化・アート系など、幅広く記事を書かせていただいています。ドイツ在住で2児の母。好きな食べ物はビターチョコレートとナッツ類。