// 「イノベーション」の意味と定義とは?正しい使い方や企業事例も | TRANS.Biz

「イノベーション」の意味と定義とは?正しい使い方や企業事例も

昨今「イノベーション」という言葉は至るところで使われていますが、その定義に自信が無いということはありませんか?従来から「技術革新」と訳されることも多い「イノベーション」ですが、新たな意味が含まれたり、再定義がされたりしています。「イノベーション」について、経済活動における意味や使い方を紹介します。

「イノベーション」とは?

「イノベーション」という言葉の定義が日本に持ち込まれた経緯と、その意味について紹介します。

意味は「新しい物事の創造により社会に価値をもたらす」

「イノベーション」の意味は、「新しい物事の創造により社会に価値をもたらす」です。

日本では、その後「技術革新」と訳した言葉で一般に広まったため、以降「イノベーション」を「技術革新」と訳す流れができました。

近年はその訳が狭義であるとされ、「経営革新」や「商品やサービスの革新」などの訳注がついたり、「顧客にとって新しい価値を創造すること」や「新しいアイデア」といった定義が加えられたりしています。

イノベーションの語源は英語「innovation」

「イノベーション」の語源は英語の名詞「innovation」で、意味は「革新・刷新・新機軸」という意味です。

もとの語は動詞「innovate」で、「革新する・刷新する」という意味です。

「技術革新」を英語で言う場合は「technological innovation」となります。

シュンペーターにより定義された「イノベーション」

20世紀初頭に、経済学者のヨーゼフ・シュンペーターが著書「経済発展の理論」を発表し、その中で「イノベーション」を経済用語として初めて定義しました。

「イノベーション」とは「関係なさそうな事柄を、それまでとは異なるやり方で新しく結び付けること」という意味で、経済発展はイノベーションが主要な役割を担うというものです。

「イノベーション」は起こすもの

「イノベーション」は社会に変化を起こすものという概念であるため、しばしば「イノベーションを起こす」と表現されます。

色々な「イノベーション」の意味と使い方

よく使われている「イノベーション」を冠した言葉の意味を確認することで、さらに定義を明確にしてみましょう。

「イノベーション・マネジメント」の意味と使い方

継続的にイノベーションを創出したり、イノベーションを促進したりするためのマネジメントのことを「イノベーション・マネジメント」と呼びます。

経営者やリーダーには、マーケティング・マネジメントとともに、イノベーション・マネジメントが求められるという議論が昨今にぎわいをみせています。

「オープン・イノベーション」の意味と使い方

組織の枠組みをこえて広く人材や技術を融合させ、新たな技術や製品を開発したり、新たな価値を生み出したりするアプローチのことを「オープン・イノベーション」といいます。

例えば大企業とベンチャー企業が共同でプロジェクトを組んだり、産学官が連携して共同研究を行ったりします。近年、企業が積極的に取り入れている手法です。

「破壊的イノベーション」の意味と使い方

イノベーションのモデルのひとつで、新しい技術などによって既存事業の慣習を破壊し、業界構造を劇的に変化させる新しいイノベーションのことを指します。

例えばスマートフォンが新たな価値を創出したことにより、携帯電話の市場構造やシェアに一気に変化が起こったことなどがその一例です。

「持続的イノベーション」の意味と使い方

破壊的イノベーションと対比して用いられる概念が「持続的イノベーション」です。市場構造を変化させるのではなく、技術革新によって製品やサービスなどの価値を向上させることを指します。

自動車産業を例にとると、燃費を向上させることが持続的イノベーションで、ガソリン車にかわってEV(電気自動車)車が開発されることが破壊的イノベーションとなります。

「イノベーション指数」の意味と使い方

アメリカの大手総合情報サービス会社のブルームバーグが毎年国別に発表しているイノベーションの指数のことです。日本では「ブルームバーグ・イノベーション指数」や「イノベーション番付」として報告発表されます。

研究開発への投資額や、ハイテク上場企業の集中度などの7つの基準に基づきランクを決めています。日本は近年順位が後退しています。

イノベーションの企業事例

エアビーアンドビー(AirbnB)の事例

個人の空き部屋などを旅行者に貸し出す仲介をするマッチングサイトである「エアビーアンドビー(Airbnb)」はシェアリング・エコノミーサービス(物・スキル・場所・遊休資産などを、個人間で共有や交換・売買する社会的な仕組みのビジネスモデル)の成功事例です。

個人でも簡単に宿泊業に参入できるような新しい視点のプラットフォームを構築したことで、従来の宿泊業の枠組みに大きな変化を起こしました。そのため、破壊的イノベーションの代表的事例といえます。

フェイスブック(Facebook)の事例

2004年に学生向けサービスとして誕生し、現在では世界最大のSNSサービスに成長したフェイスブックは「世界をオープンにつなげる」をミッションとしています。国籍や国境に関係なく、いつでもどこでも誰もがつながれる世界を作り出したということで、イノベーションの事例に挙げられます。

メルカリの事例

スマホのアプリを使って簡単に売買ができるサービスのメルカリは、初心者でも簡単にゲーム感覚で売り買いができるという新たな市場を生み出しました。

大手宅配業者と提携した新しい配送サービスを導入するなど、大企業とベンチャー企業によるオープンイノベーションの事例ともなっています。

まとめ

従来「技術革新」と訳されることが多かった「イノベーション」ですが、昨今は「新しい物事の創造」により「社会に価値をもたらす・変化を起こす」という定義で用いられています。

ビジネスパーソンにとって「イノベーション」の概念は欠かすことのできない視点であるといえます。この記事が日々の取り組みに参考になれば幸いです。