「明日は明日の風が吹く」は意味とは?語源と類語も一緒に紹介

働き疲れてクタクタになった職場で、「明日は明日の風が吹く」と周りから言われたことはありませんか?ここでは「明日は明日の風が吹く」の言葉の意味や語源、類語や英語表現を理解しやすい例文とともに解説していきます。

「明日は明日の風が吹く」の意味とは?

まずは、日常でよく使われる「明日は明日の風が吹く」の意味と語源について確認していきましょう。

意味は「成り行きに任せるのが良い」

「明日は明日の風が吹く」の意味は、「成り行きに任せるのが良い」です。「たとえ今日の風が強くても、明日の風は強いとは限らない」「明日になれば、違う風邪も吹くことだろう」という意味があり、ことわざ全体の意味合いは「わからぬ明日を心配しても始まらない」「先々を案じても仕方がない」となります。

広い意味では「とにかく成り行き任せに生きていくのもよい」「ものごとは結局なるようにしかならない」と捉えることもでき、半ば居直りの精神をも説いたことわざの一つとも考えることができるかもしれません。

現代では「座右の銘」として使われることも多い

日々新しいものが生まれ、変化の多い毎日を過ごす現代人は「今日はこうだから、明日もこうなる」という計算式が成り立たない時代に生きていると言えます。そんな現代人だからこそ、ストレスを抱えないように、自分なりに思考を柔軟にしながら生きていくのがベストなのかもしれません。

「明日は明日の風が吹く」は現代人がよく「座右の銘」としても挙げる言葉です。絶え間のない変化にあっさり飲み込まれてしまわないように、「明日は明日の風が吹く」と心にしっかりと置き留めているのでしょう。

「成り行き任せでもいいじゃない」そのような考えは、現代社会の有り様を象徴する一方、自然でラクな生き方へと人々を導いているとも考えられます。

「明日は明日の風が吹く」は誰の言葉?語源とは?

ところで「明日は明日の風が吹く」は誰が言った言葉なのか知っていますか?世界的に有名な「名映画」の「名女優」が放ったセリフですが、諸説ある語源とあわせて紹介していきましょう。

語源は講談または落語という説

「明日は明日の風が吹く」の語源は諸説ありますが、昭和初期の前後に講談や落語の中に取り入れられ、その言い回しが流行ったことがきっかけとなったと言われています。そしてその後、「ことわざ」の一つとして確立し、現在のように使われるようになったという説です。

映画で使われたセリフで有名になった

「明日は明日の風が吹く」は映画「風と共に去りぬ=Gone with the wind」で名女優「スカーレット・オハラ」が言ったセリフ「Tomorrow is another day=明日は明日の風が吹く」で一躍有名になりました。

映画のシーンではスカーレットが苦境に立たされた場面で「私には故郷がある。明日はまた別の日であるはずよ」と物事が良い方向へ向かうことを案じて放たれたセリフです。

映画では「明日は良い日になる」と希望を持つ使い方になっていますが、現代の使い方「成り行き任せ」に比べると、ニュアンスにズレを感じます。もっとも、誰しも「明日がある」と前向きに考えることが望ましいと言えますが…。

「明日は明日の風が吹く」の例文5選

「明日は明日の風が吹く」を使った例文

さまざまな状況で放たれる言葉「明日は明日の風が吹く」について、わかりやすい例文を5つ紹介しましょう。

  • 部長にこっぴどく怒られたけど、明日は明日の風が吹くの精神で頑張ろう。
  • 今日は何事にもついていない。だけど明日は明日の風が吹くだ。
  • 明日は明日の風が吹くという教えは、刹那的に生きることに似ている。
  • 一旦は断られてしまったが、明日は明日の風が吹くで、良い返事がもらえるかもしれない。
  • 明日は明日の風が吹くと思えば、辛い出来事も乗り越えて行けるだろう。

「明日は明日の風が吹く」の類語

それでは、「明日は明日の風が吹く」と類語と同じ意味をもつことわざを探してみましょう。

類語は「開き直り」「居直り」

「明日は明日の風が吹く」の類語には「開き直り」「居直り」などがあります。振る舞いそのものに着目するなら「ふてぶてしい態度をとる」「図々しく振る舞う」も関係語として考えても良いでしょう。

  • 人生には時に「開き直り」も必要だ。
  • 顧客に怒鳴られたが、スッパリと「居直り」をして気持ちを入れ替えた。

同じ意味のことわざは多い

「明日は明日の風が吹く」と同じ意味を持つことわざはとても多いです。以下に挙げてみましょう。

  • 明日は明日、今日は今日
  • 明日のことは明日案じよ
  • 明日ありと思う心の仇桜
  • 明日知らぬ世
  • 沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり

どれも「明日のことをあれこれ考えても仕方がない、取り越し苦労をするだけだ」という意味をもつことわざばかりです。

まとめ

「明日は明日の風が吹く」は「先々を案じても仕方がない」「成り行きに任せて生きるのもよい」という意味で使われることわざです。現代人の「座右の銘」としても選ばれ、「たとえ今日がダメでも明日は良いことがある」という希望の意を含む言葉でもあります。

職場で何をやっても上手く行かない時もあるでしょう。そのような時は「明日は明日の風が吹く」と心に言い聞かせて、必要以上に考えすぎないことも大切です。