「出資法」の概要とは?規制している事柄や罰則についても解説

「出資法」とは金銭の貸し付けを規制する法律では、どのようなときに適用されて、出資法違反になる行為をしたときにはどのような罰則が待っているのでしょうか。今回は、「出資法」の概要と出資法違反になる行為の他に、出資法を違反したときの罰則についても解説します。

「出資法」とは?

「出資法」とはお金の貸し借りを規制するための法律

「出資法」とは、貸金業者(かしきんぎょうしゃ)などがお金の貸し借りをするときの規制をするための成立した法律です。正式名称は「出資の受け入れ、預り金及び金利等の取り締まりに関する法則」と言い、「出資法」はその略称になります。

「出資法」は文字通り、出資に関して様々なことを規制しています。例えば、上限金利の制限や貸金業以外の業者によるお金を預かる業務の取り締まり、預り金や浮き貸しの禁止などを規制しています。

出資法が規制している主な事柄とは?

上限金利は20%、一回の貸し付けなら年109.5%

出資法は上限金利を規制しています。お金の貸し付けを生業としている貸金業者(無登録会社も含む)は上限20%までの金利に、貸金業者でなくても一回の貸し付けの金利は上限109.5%までの金利にするように制限しています。このように上限金利を規制することで、貸金業者が高金利でお金を貸し付けないようにしています。

もしも業者からそれ以上の金利を要求されたら、お金を貸し付けた側は法的に罰せられますし、お金を借りる側は過払い分を返還するように請求できます。

出資金受入れの禁止

出資法では、不特定で大勢の人に出資してもらった全額またはそれ以上の金額を返済することを約束して出資金を出してもらい受け入れることを禁止しています。出資金の受け入れを禁止することで、不特定多数から不当にお金を集める手段として出資金を募ることを防止します。

もしも集金側が経営困難等の陥り出資金を払い戻せない場合は出資者が被害を受けることになります。そうした事態を防ぐために、出資金受入れが禁止されています。

預り金の禁止

「預り金」とは、不特定多数の人から預貯金や定期積金のほかに、社債などの経済的な性質のあるもののことを指しています。この預り金を業務として行うことを出資法は禁止しています。

ただし預り金業務は出資法以外の法律によって認められている業者は、預り金を業としてすることを認められています。出資法が適用されない業者とは、銀行や信用金庫、農業協同組合、労働金庫などで、それぞれの業者は銀行法や信用金庫法などの出資法とは別の法律が適用されています。

浮貸しの禁止

「浮貸し(うきがし)」とは、貸金業者の従業員などが自分の立場を使って第三者に利益をもたらすために金銭の貸し付けをすることです。この浮貸しを出資法では禁止しています。

浮貸しが認められると、例えば貸金業者の従業員が客から預かった預金などを無断で第三者に貸し付けることができるようになります。これは不正なお金の流れとなるため禁止されているのです。

媒介手数料の禁止

出資法はお金の貸し付けのときに支払われる手数料についても規制しています。貸金業者がお金の貸し付けで年5%以上の手数料の支払いや受領を含んだ契約を禁止しています。

出資法に違反する行為と罰則とは?

ここでは、出資法に違反する主な違反行為とそれに対する罰則を見ていきましょう。

貸金業者は年利20%を超えると罰則対象になる

出資法ではお金の貸し付けるときの上限金利は20%と規定しています。もしもそれ以上の金利での貸し付けや、そうした高金利を請求または受け取った場合には、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金か、あるいは両方の罰則が科せられます。

上限金利は、高金利での貸し付けを取り締まる法律「利息制限法」でも規定されていて、上限金利の取り締まりは出資法の前に利息制限法が適用されます。

利息制限法と出資法との違いは、罰則規定が違うことです。利息制限法違反となる高い金利だとしても刑事罰の対象にはなりませんが、出資法違反の場合は刑事罰対象となります。

出資法と利息制限法での罰則の違い例

10万円以上100万円未満の貸し付けの場合:

  • 利息が18%以上20%未満 = 利息制限法違反 → 行政処分対象
  • 利息が20%以上 = 出資法違反 → 刑事罰対象

一回の貸し付けで上限金利109.5%を超えたときの罰則

一回の貸し付けで上限金利が年109.5%を超えた利息での契約や、そうした契約を請求したり受け取ったりすると、10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金か、あるいは両方の罰則が科せられます。

元本保証をする出資金受入れ違反は有罪

出資金受入れに関して違反した場合の罰則は、懲役3年以下または罰金300万円です。その両方の罰則が課せられることもあります。

ただし出資金の受入れが詐欺罪として認められると出資法違反ではなく、刑法によって処罰されます。

預り金違反の罰則は懲役3年以下または罰金300万円以下

預り金を不正に受け入れた場合には、懲役3年以下または罰金300万円以下の罰則、または両方の罰則が科されます。

まとめ

「出資法」はお金の貸し付けが利用者にとって不利にならないように規制するための法律です。出資法により上限金利が定められたり、出資金が不当に利用されたりしないように規制することで利用者を守っています。お金を借りるときは出資法を守り運営している業者から借りるようにして、くれぐれもヤミ金融業者を利用しないように気を付けましょう。