採用試験の結果を知らせる「採用通知書」。「採用通知書」は企業に採用されたことを伝える文書ですが、「内定通知書」も同じように採用を伝えています。「採用通知書」と「内定通知書」では何が違うのでしょうか。
今回は、「採用通知書」の意味と返礼方法のほかに、「内定通知書」との違いや法的効力についても解説します。
「採用通知書」とは?
「採用通知書」とは”採用を伝える正式な文書”
「採用通知書」とは、“入社希望者に正式に採用することを伝えるための文書”のことです。会社は新入社員を採用するために採用試験や面接などを行い、入社希望者が会社の求める人材かどうかを判断して採用を決めます。その結果を採用通知書で正式に伝えます。
「採用通知書」は最終試験から約1週間後
「採用通知書」が送られてくるのは、最後の採用試験が終わってから1週間から10日後に郵送で送られてきます。郵送される代わりに、PDFデータとしてメールに添付されて送られてくることもあります。
もしも2週間以上、採用通知書、または採用されなかった場合の不採用通知書のどちらも送られてこないときには、人事担当者と連絡を取りましょう。発送にミスがあったのかもしれません。
「採用通知書」を受け取った時のマナーとは?
「採用通知書」を受け取ったらお礼のメールか電話をする
「採用通知書」を受け取ったら、お礼の連絡をするのがマナーです。メールか電話で、人事担当者に採用されたことに対する感謝の気持ちを伝えます。その内容は相手の負担にならないように簡潔にまとめましょう。
また内定通知書がなく、採用通知書だけが届けられた場合には、採用のお礼をするだけでなく、採用を受ける意志を伝えることも大切です。
「採用通知書」と「内定通知書」との違いとは?
「内定通知書」とは内定を伝えるための文書
「内定通知書」とは、入社希望者に会社が内定したことを伝える文書です。「内定」とは正式に発表される前に正式に採用することが決まったことを意味しています。
内定を伝えられたら、入社希望者は会社に内定を受けるかどうかの返答をします。入社希望者が内定を受けたら双方が合意したことになり、正式採用の発表を待つことになります。
採用通知書=内定通知書というケースも
企業によっては内定通知書を発行しないで、採用通知書というタイトルで内定通知書と同内容の文書を送るケースもあれば、その逆もあります。
採用通知書と内定通知書が同義で、採用を伝える書類という意味合いで使われていることがあるので、内定通知書が届かず、いきなり採用通知書が届いても驚かないでください。採用されたことに変わりはありません。
「採用通知書」が労働契約を進める上での最初のステップ
採用通知書は採用することを伝える正式な書類となり、労働契約を進めるための最初のステップです。一方、内定通知書は正式発表前に採用を告知するための文書で、入社希望者の入社の意志が確認されていないので、労働契約を進める前の前段階だと言えるでしょう。
内定通知書も発行される場合は、会社は内定通知書を送付して、入社希望者の入社の意志が確認されたら採用通知書を送付します。
「採用通知書」の法的効力とは?
「採用通知書」に法的効力はない
「採用通知書」は雇用を進める上での最初の文書とも言える文書で、「採用通知書」によって正式に採用決定を伝えます。正式に伝えるとはいえ、この文書自体に法的効力はなく、採用通知書を発行する法的な義務も会社にはありません。
つまり、採用通知書を受け取った後でも入社希望者は入社をしないという判断もできます。
労働契約は2週間前までなら解約できる
労働者は入社日の2週間前までなら労働契約を解除できる権利があります。したがって、採用通知書を受け取り、採用手続きが進んでいたとしても、入社日の2週間前までなら入社を断れます。
しかし、会社は採用までの長いプロセスを経て採用手続きを進めているのですから、入社日間直に採用を拒否すると迷惑が掛かります。採用を辞退する場合は、早めに会社に連絡を入れましょう。
「採用通知書」の記載事項とテンプレートとは?
「採用通知書」の主な記載事項
「採用通知書」の記載事項に決まりはありませんので、ここでは、「採用通知書」に記載される主な事柄を紹介します。作成するときに、参考にしてみてください。
- 求人募集への応募のお礼
- 採用が内定したことのお知らせ
- 同封書類の案内と返送書類の確認と提出期限
- 労働条件に関する事項
- 人事担当者の連絡先など
「採用通知書」のテンプレート
「採用通知書」のテンプレートをご紹介しましょう。採用通知書には決まった形式はありませんので、このテンプレートを参考にして、契約手続きに合わせた採用通知書を作成してください。
〇〇年〇月〇日
〇〇〇〇様
株式会社▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
(住所)▢▢▢▢ ▢▢▢1-2-3
(電話番号)▢▢-▢▢▢-▢▢▢
(担当者名)▢▢▢▢▢▢▢▢▢
採用通知書
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。この度は、弊社の求人にご応募いただきまして、誠にありがとうございました。
さて、選考の結果、貴殿を弊社社員として採用することに決定しましたので、ここにご通知申し上げます。
つきましては、下記のとおり、入社採用の手続きを行いますので、同封しております書類にご記入いただき、ご来社いただきますようお願いいたします。
なお、応募書類は弊社人事部にてお預りさせていただく旨、ご了承ください。今後とも、引き続きよろしくお願い申し上げます。
敬具
記
日時:〇〇年〇月〇日(〇曜日)午後〇時
場所:当社
同封書類:
- 入社承諾書
- 契約書
- 身元保証書
以上
ご不明な点がありましたら、人事担当▢▢▢▢(電話番号:▢▢-▢▢▢-▢▢▢)までご連絡ください。
まとめ
「採用通知書」とは、採用したことを入社希望者に伝えるための正式な文書のことです。内定通知書と混合されることもありますが、この文書の送付が採用手続きの最初の一歩となります。採用通知書は最終試験から約1週間から10日後に届けられますので、採用通知書を受け取ったら迅速に対応しましょう。