「継承」の意味とは？使い方や類語「承継」との違いも解説

「継承」とは”仕事や財産などを受け継ぐこと”を意味する言葉です。似た表現に「承継」がありますが、違いが分からないという方もいるでしょう。

この記事では「継承」の使い方や例文、類語との違いを解説します。くわえて「継承」がもつプログラミングでの意味や、「継承」の英語表現も解説しましょう。

「継承」の意味とは？

「継承」の意味は”仕事や財産を受け継ぐ”

「継承（けいしょう）」の意味は、“先代の仕事や財産、身分などを受け継ぐこと”です。「継」が”後を継ぐこと”を、「承」が”前のものを受け継ぐこと”をそれぞれ意味します。

プログラミングでは「継承」は共通部分の引継ぎを表す

「継承」はプログラミングにおいて“共通部分の引継ぎ”を意味します。たとえばAとBの車を作成するとしましょう。AとBの車は車体の色のみが異なっているだけで、エンジン機能やブレーキ機能、車のデザインは共通しているとします。

上記の場合、エンジンなどの共通部分を引き継げば、外装を替えるだけでAとBの車ができあがります。車の機能やデザインのように、共通部分を引き継いで使うことをプログラミングでは「継承」と呼ぶのです。継承を使わずともプログラミングを行うことは可能ですが、共通部分を継承して使い回すことで作業効率が上がるというメリットがあるのです。

「継承」の使い方と例文とは？

「継承」は先代から受け継ぐ状況で使う

「継承」は先代や先任者から受け継ぐ状況で使われます。財産や地位などの他に、伝統や文化など形のないものへも使用されます。「王位継承」のように血の繋がりによって受け継がれるものに使うこともありますが、「事業継承」のように血に関係なく任務や地位を受け継ぐ状況でも使用可能です。

「継承する」や「継承していく」のように表す

「継承」は”継承する”や”継承していく”のように使われます。「継承する」は”仕事や財産などを受け継ぐこと”を、「継承していく」は”仕事や財産などを受け継いでいくこと”をそれぞれ表します。

「継承」を使った例文

「継承」を使った例文をご紹介しましょう。

• 王位継承権を放棄した後、国内から姿をくらませた。
• 遺産の相続争いは収束したが、次は事業の継承問題がまっていた。
• 正式に継承者と認められ、全ての権限が明け渡された。
• 王位の継承争いの真っただ中で、国は混乱しているらしい。

「継承」の類語と「承継」との違いとは？

「継承」の類語は”相続”

「継承」の類語には“相続（そうぞく）”が当てはまります。「相続」とは”受け継ぐこと”を意味する言葉で、主に家督や地位、財産に対して使われます。「継承」と「相続」は”先代から受け継ぐ”という意味が共通しているため、言い換えてみましょう。

「継承」と「承継」の違いは法律用語か否か

似た表現である「継承」と「承継」の違いは法律用語か否かにあります。「継承」と「承継」はどちらも”前の代から受け継ぐこと”を意味しますが、「承継」は「承継者」や「労働契約承継」のように法律用語として使われます。法律的な意味が強い場合は「継承」ではなく、「承継」を使いましょう。

「継承」は”受け継ぐ”を、「委譲」は”譲る”を意味する

「継承」と似た表現には“委譲（いじょう）”も当てはまります。「委譲」とは”権利や権限などを他に譲って任せること”を意味する言葉です。「権利などが移る」という意味が共通している「継承」と「委譲」ですが、「継承」が”受け継ぐこと”を意味する一方で「委譲」は”譲ること”を意味します。

「前の人から受け取り、さらにその後に続ける」状況では「継承」を、「自分のものを他者に与える」状況では「委譲」を使いましょう。

「継承」の英語表現と例文とは？

「継承」は英語で”Inherit”

「継承」の英語表現には“Inherit”が適しています。「Inherit」とは”継承・受け継ぐ”を意味する単語です。財産に対して使われることが多くありますが、家名や事業に対しても使われます。「To inherit ○○（○○を継承する）」のように使いましょう。

「継承」の英語を使った例文

「継承」の英語を使った例文をご紹介しましょう。

Inherit something successively from the Edo period.

意味：江戸時代から代々継承されている。

まとめ

「継承」とは”先代から受け継ぐこと”を意味する言葉です。財産・地位・伝統など、幅広いものを受け継ぐ状況で、「継承する」や「継承していく」のように使われます。「継承」以外の表現を使いたい場合は、類語の「相続」や「承継」へと言い換えてみましょう。